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未来の見えない春だけど

あるnote記事に出会って以来大ファンになった、サクちゃん(桜林直子さん)の初の著書を発売日に買って読んだ。
発売を記念したカツセマサヒコさんとのライブ配信も見た。メモをする手が止まらなかった。

自分の原液とはなんだろう、自分がよろこぶのはどんな時だろう、たくさんのことを考え、とりとめもなく書き出してみる機会になった。


* * * * *


遠い未来に向かって目標を定め、コツコツ進むのがとても苦手だ。


小学生の頃から、テスト勉強の予定表を2週間前からこだわり抜いて作っても、計画通りにいった試しがない。
前年の秋に翌年のスケジュール帳をいそいそと購入し、来年こそ日記をつける!と意気込んでも毎年真っ白のまま終わる。
長期のダイエット計画も、半端ない量のトレーニングメニューを自分で組んでは、3日で挫折する。

ゴールが遠いと、モチベーションが続かない。達成できそうもない完璧なプランを立てようとするから、いつまでもスタート地点から踏み出せず、結局ギリギリになってから半泣きで取りかかる。出来はもちろん自分の想像していた120%に遠く及ばない。自己嫌悪のループ。


周りに迷惑もかけるし、それは本当に直さなければいけないと思いつつ、自分でも呆れるほど、何度やっても学習しない。

ならばいっそ腹を括り、後先考えずに飛び込んでしまうことにした。その方が始めるハードルが低いので自分を追い詰めなくてすむし、想定外のピンチを楽しむことができてむしろ燃えるし(ドM?)、火事場の馬鹿力を発揮タイプであるらしいことも分かった。

開き直った言い方をすると、そもそも人生が計画通りにいくなんてこと、あるはずがない。


それは必ずしも悪い意味だけではない。
こんなはずじゃなかった、私の居場所はここじゃない、と最初は不安で嫌で仕方なかった環境も、とりあえずがむしゃらに進むうちにだんだんと居心地が良くなり、不思議なことに最後には決まってものすごく愛着を持ってしまうのだ。

結果、私のこれまでの人生は結構楽しかった。

表面上は「真面目で丁寧にコツコツやる優等生(でもたまに抜けてる)」というキャラだと思ってもらえることが多い。
でも中身は頭の中お花畑の超ロマンチストというか、無茶な遊びをして擦り傷を増やす小学5年生男子というか、そんなどうしようもないおバカ達が騒いでいる。最近はそれが暴走するのをあまり止めなくなった。

そんなに能天気で良いのかとも悩むこともあるけれど、サクちゃんの言葉でふっと肩の力が抜けた。

サクちゃんが独自に定義づけした、「夢組」と「叶え組」。

やりたいことを明確に持っていて、ゴールを決めてからすすむ「夢組」に対して、私はすすみながらやりたいことを見つけていく「叶え組」だ。

“宝島への地図が手の中になくても、今この瞬間も新しい地図をつくっていると信じてすすむ”

持ち前の好奇心と嗅覚だけで、いい匂いがする方へとにかく進んできた。進んだ先に、思いもかけない宝物が待っていることもある。

ドラマの結末は、撮りながら決める。脚本にはないことでも、面白いアドリブや偶然出会えた絶景はどんどん組み込むべきだ。

それに、あてもなく道なき道を歩き続けて、ふと振り返ると、バラバラのように見えた足跡は案外ちゃんと1本の道になって自分の後ろにある。
不安になったら過去を振り返ればいい。

マイナスな記憶に引きずられることもあるけれど、それも全てひっくるめて、全ての経験が今の自分を形作っている。過去は、未来をかき分けて進むための強力なアイテムになる。

豆粒のように遠い未来に目を凝らして足がすくみ動けなくなるくらいなら、10歩先が見えなくたって、ワクワクする方へとにかく歩を進めてみる。その先は必ず"最良"("完璧"ではなく自分にとってのベスト)のゴールに繋がっていると信じたい。

遠い未来を見据えるべきなのかと焦るばかりの25歳。
でも少なくとも20代のうちは、とにかく目の前のことを手を抜かずにちゃんとやり、"ひとつひとつ信頼を得て、じわじわ視野を広げて"、できることを積み上げていこう。そして関わりたいと思う人がいる場所へどんどん足を運ぼう。
立ち止まらず、色んなものを置き去りにして、素直に正直に、ただ進もう。
きっとまた選択するタイミングが自然とやってくるから、その時になったら手持ちのアイテムを広げて、次の一手を考えればいい。

今夜のテレビをざわつかせた、オリンピック延期。2020年の世界がこんな事態になるなんて、誰が想像できただろう。こんなにも全世界が先の見えない不安に駆られた経験は、初めての人がほとんどにちがいない。

どれだけ未来を想像したって、想定外のことはやってくる。ならば今できることをやるしかないし、光に向かって手を伸ばして、今楽しめることを全力で楽しむだけだ。

必ずその時は来る、と祈りながら、今を元気に生きることが、未来の自分をよろこばせるのだと信じて。

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