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北京語とメガネを言えない女の子

すいません、わけの分からない言語講座やっていました。

北京語は四声の発音が難しく、いーあーさんす〜烏龍茶。が精一杯。
一緒に働いていた台湾出身の人に北京語をよく教えてもらっていました。遊びながら覚えるのが一番楽しいです。「美人なお姉さん」というのを覚えました。早速「わたしは美人なお姉さんよ」というと、「あつかましいねぇ~!笑」と台湾のお姉さんは日本語で返してくれていました。めっちゃ優しい。笑

男性が女性に言うばかりでなく、ぜひ、女性自身が「わたしは美人なお姉さん」と言ってほしい。そしてまわりの人は優しくツッコミいれてほしい。

冗談が言えるの楽しい。

言葉と言えば、真面目な話。私は「メガネ」が言えない子でした。ひっくりかえるんです。「ねがめ」になっちゃって。

最初は面白くって笑っていましたが、3文字の言葉を入れ替えてしまう癖が、それはもう…なかなか抜けなくて苦労しました。小学校にあがる前になんとか直り学校生活をスタート。それでも間違えることもあったけれど、なんとかかんとか、やってこれました。

その経験のせいなのか、話すときに緊張する癖が未だに抜けない。とくに20代の仕事で料理を配膳するとき、お座敷のシーンとしたお部屋では特に緊張がはしるので、カタコト日本語になってしまう。

あるとき
「日本語上手ですね」
「日本語流暢ですね」
と言われる。

どういうことだろう。

私はホリの深い父譲りの顔立ちなので、純日本人なのによく違う国の人に間違われる。最長2年間も日本人じゃない思ったまま、会話を繰り広げていた常連さんもいたほどだった。

正直、容姿には悲しい思い出がある。社会人になってから新しい職場に入ったときあの子、ホリが深いよねー!とよくない陰口を言われてトイレで泣いた事もある。(ホリが深いのそんなに悪いんかーーい!)

という訳で、そんな容姿とただ緊張しいなだけで日本人じゃないと間違われることが多かった。

年上の先輩に放送部出身の人がいる。
信頼できるその先輩に、「わたしの話し方聞きとりにくいですか」と勇気をふりしぼって尋ねた。

ふむふむ、と先輩は普段のお喋りを思い出しながら分析すると、
「たぶん、だけど。ちもちゃんもともとは結構なまり(方言)強いでしょう。それを出さないように、出さないようにって。自分の中で、瞬間瞬間、補正をかけているかもしれないよね。だから、イントネーションがカタコトになっちゃうし、その一瞬間が空くから誤解されちゃうのかもね」

的確なアドバイスだった。

「ねがめ」と言いたくない、方言を恥ずかしいと思った20代。それらがからまって、苦手意識に繋がっていたけれど、ひょんなことから苦手意識から脱却できるようになる。きっかけは、県外の遠い遠い所から来てくれたお客さん。

いやぁ、せっかく違う地域に来たから地元の言葉を聞きたいよ。」

こんなに小さな島国の日本でさえ言葉のイントネーションが違うのだから、とても不思議。料理の出来上がる間合いを使って、ぞんぶんにそのお客さんの前で方言を話すと、喜んでくれる。「うちの地域だと〇〇はこう言うね!」なんて、他愛のないやりとりでいつの間にか、恥ずかしいとは思わなくなって、自分のアイデンティティのように思えた。

それは「メガネとねがめ」は苦しかったけど、今となってはその経験があったから、言葉を丁寧に話したいと思うようになれたし、言葉を紡ぎだすときはゆっくり話すようになった。

ゆっくり話すのは不利な時が多いけど、相手からもゆっくり落ちついて話してもらえる機会が多い。

自分のアイデンティティを消さなくても、ちゃんと生きていけると知った春の思い出。



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chimo
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