双極性障害で1年7ヶ月休職した私の記録
双極性障害Ⅱ型で30代一人暮らし・フルタイム勤務の私が1年7ヶ月休職した記録です。私は軽躁とうつが混ざるタイプで、躁転させないことを常に注意して薬の服用などをしていました。似たような方がいるか分かりませんが、参考になるかもしれないので備忘録として残しておきます。
休職前
双極性障害の診断は2021年2月に出ていて、炭酸リチウムとバルプロ酸ナトリウムをメインで服用していました。会社で周りの人たちがガラッと異動して忙しくなった2022年4月頃からやや高めで過ごし(自覚なし)、8月下旬からうつ寄りに。会社での仕事量を減らしてもらうが改善せず。どうにかしのいで生きている感じ。
10月からバルプロ酸を増やしたものの、11月末に軽く躁転。ここでリチウムの服用をやめて、カルバマゼピンの服用を開始。効果が出るまでの約2週間で動き回ったせいで力尽きました。出勤がつらく、行っても午前中デスクにいるのが精いっぱい。家にいるときはほぼ寝ていました。あまり悲観的な気分はありませんでした。とにかく体が動かない。すぐ疲れてしまう。そして12月末の診察で休職2ヶ月の診断が下りました。
実家で療養
約1ヶ月、同じ都内の実家へ移動して療養しました。
そのときの詳しい記録はこちら。
うつのときの過ごし方をあれこれ検索してみると、
・しっかり睡眠
・適度な運動
・規則正しい生活
・好きなことをする
が良いみたいなのですが、私が主治医から言われたことは少し違いました。
・運動は少しだけにして
・朝ごはんを食べなくてもいいから寝られるだけ寝て
・とにかく何もしないで
理由は、脳へのダメージがかなりあった(らしい)のと、元々高めなので動きすぎたり頭を使いすぎたりすると躁転してしまう危険があったからです。とても厄介。最初の頃は仕事や将来の不安と焦燥感があり、食欲がほぼなく、一日横になっても過ごすのがきつかったです。食事を親に3食用意してもらっていたので食べないわけにもいかず、朝ごはんに30分(きついけど完食)、昼ご飯に40分くらい(一番きつかったけどこれも完食)、夜ご飯に30分(一日の中じゃ一番マシで完食)をかけてどうにか食べていました。すごくきつかった期間その1。
それがだんだんと改善し、2週間ほど経つと食事が問題なくとれるようになり、「何もしなくて暇だな~」と思えるようになりました。体力面はまだまだで、通院やどこかに行った翌日はなんとなく体調が悪いことがありました。通院は2週に1度でした。
良い感じで改善していましたが、夜中に隣の家が火事で燃えるというショックを受けて一気に体調ガタ落ちとなったのが2023年1月末。火事には一生遭遇しない方がいいです。実家も燃えてしまうのではないかという恐怖と、火元の家の住人の心配で頭がグルグル。私が物心ついた頃からよく声をかけてくれた方。しばらく経って私の状態が落ち着いてから、逃げ遅れて亡くなったことを聞きました。さらにフラッシュバックが本当にしんどかった。実家から逃げるときの両親の緊迫感のある声、炎の熱さと焦げた匂い。すごくきつかった期間その2。
実家の一部が被害にあって一時的に住めなくなってしまい、別の場所に避難しました。その間は予期不安と焦燥感がひどく、また食事がとれなくなりました。うつがひどくなったと思っていましたが、予定を早めて受診したところ「頭が冴えすぎている」とのこと。マイナス躁転だったようです。バルプロ酸が一気に200mg増え(今まで増やすときは100mgずつだった)、不安を抑える睡眠薬ヒルナミンが新たに加わりました。その後、一人暮らしの自宅に戻って2週間ほどでようやく症状が改善しました。
一人暮らしで療養
休職2ヶ月目からは一人暮らしの自宅で療養しました。
詳しくはこちら。
調子が安定してからは、気分的にはかなり楽でした。
ここでもやはり行動は制限されていて、
・賑やかなところには行かない
・図書館で静かに本読んでるくらいなら良い
・テレビは1時間くらいにして
と言われました。
病院は実家の近くにあり、一人暮らしの自宅からだと片道1時間強かかります。2月からは毎週通院していました。朝9時に起きて朝食・準備、バスと電車3路線を乗り継いで移動、受診、薬を待っている間に昼食、また1時間以上かけて移動、帰宅すると15時くらい。体力の落ち切った体にはわりと重労働でした。
気持ちは元気でしたが体がついてこなかったので、最初に言い渡された2月末までの休職は延長となり、診断書では4月末まで。調子が良ければ4月中に復帰しようとなりました。
3月(休職3ヶ月目)は「毎日暇だな~」と思いながら過ごしていました。午前中はほぼ寝て、お昼過ぎに散歩をして、ごろごろ動画を見ていたらもう夜ご飯の時間。お風呂に入って寝る。そんな日々でした。友達と焼き肉にも行けました。振り返ると少し高めで元気でした。
4月に入ってもほぼ同じ。起きるのが少し早くなったくらい。友人と少し遊んだり会社の同僚とランチ会をしたりしました。暇すぎて何か新しいゲームをやりたくなり、ポケモンGOを復活させました。公園によく行きました。体調は安定していましたが休職は再延長となり、診断書では7月末まで。前回と同じで調子が良ければ期日前に復帰しようとなりました。
5月もほとんど変わらず。起きる時間が少しずつ早くなり、9時台に起きる日が増えました。通院や買い物で疲れることもほぼなくなりました。とにかく暇でした。あいかわらずあまり動かないようにと言われていたので、家にいることが多かったです。GWは両親と過ごしました。一人でいるより楽しいこともありますが、誰かとずっと一緒にいるのは少し疲れました。下旬には久しぶりにライブに行きました。一日だけ気分が下がった日がありました。体調は悪くなりませんでした。
6月もほぼ同じ。上りも下がりもせず。体調も安定。気圧の影響も受けませんでした。自転車圏内のスーパーを開拓していました。だいぶ回復してきたので復帰は8月か9月になりそうと主治医に言われました。
7月は暑さとクーラーで自律神経が参ってしまい、気持ち悪さやだるさが2週間ほどありました。猛暑が続き、ほぼ家の中にいる生活。夕方少しだけ散歩に出ました。朝起きる時間があまり変わらず(9〜10時くらい)、休職は10月末まで延びることに。ポケモンスリープを始めました。
8月は薬の量を調整しました。2月から飲んでいるヒルナミンの作用が強すぎて朝起きられないのでは?と思い当たり、主治医に相談して徐々に減薬。5mg2錠から0.5錠ずつ減らし、月末には0.5錠に。途中、7時台にスッと起きられる日がありいい感じかな〜という感触でした。ただ、月末にストレスになる出来事があり食欲不振に。不安のグルグルが止まらなくなり、明け方4時からパッチリ目が開くようになってしまいました。次の診察でヒルナミンを1錠に戻し、数日で食欲不振や不安はなくなりました。前の年も8月末にストレスで体調を崩したので、季節の変わり目と相性が悪そうです。
9月は8月末の体調不良からの回復から始まり、ヒルナミンは1錠で安定。暇で何がしたいというよりは、何もしたくないな〜面倒だな〜という感じで気持ち下げめ。映画を観に行くくらいはできました。ほぼ夏のような天候で24時間クーラーを入れて夕方散歩に出る生活でした。
10月は急に涼しくなり、猛烈に眠い日が数日。それを過ぎると不思議とスッキリ起きられるようになりました。朝早く起きられるようになると本当に暇で、テレビや動画を見て過ごしました。気分も体調も良く、競馬場や映画館に遊びに行くことができました。脳のダメージがだいぶ回復してきたねと主治医に言われましたが、休職は念のためあと3ヶ月延長となりました。月末にライブに行きました。
11月は不調からスタート。食欲不振で体が重い。今までライブに行っても具合が悪くなることはなかったのに。ヒルナミンを2錠に増やしたら安定。どうやら私の体調不良(うつ?)は10日から2週間くらいの様子。そこを抜け出してもなんとなく気分は上がらず(ちょうど良いくらいなのかもしれない)、比較的低めの月でした。
12月はわりと安定していました。朝起きる時間が全然早くならないので、薬の影響を考えて主治医に相談しながら色々試しました。さらに、脱毛の副作用からバルプロ酸を減薬してカルバマゼピンを増やしました。
2024年1月は調子が悪かったです。朝から晩まで気持ち悪く、食欲がない。オランザピンが新たに処方されて食欲が改善されるかと思いきやしない。食べられるものをどうにか食べて過ごしていました。休職はまた3ヶ月延長になりました。
2月は気持ち悪い原因を探ることに。12月に増やしたカルバマゼピンが怪しかったので1錠(100mg)減らしたところ、気持ち悪さがスッとなくなりました。お前だったのか……!久しぶりに食欲が戻り生きやすくなりました。寒暖差が激しい週にだるさや食欲不振が出ましたが、約1週間で落ち着きました。
3月は精神元気、体調も良し、ようやく生きてて心地の良い状態でした。天気の悪い日はやや眠いくらい。低気圧の日でも特に不調はなし。買物へ行ったり、映画を観に行ったり、それ以外は基本家の中で暇して過ごしました。朝の眠気対策でオランザピンを減薬し、少し元気すぎる感じもあったので動きすぎないように気をつけました。1日2回散歩に出て良いと言われたので、天気の良い日は1日5000歩くらい歩きました。
4月はトラウマを踏むような嫌なことがあって食欲が落ちました。主治医から言われた「嫌なものは何年経っても嫌だし、つらいものはつらいよ」の言葉が沁みました。何年経ってもつらいって言って良いんだ。「落ち込むことを過剰に心配しすぎている」そうなんですよね。前に同じようなパターンでうつ転したことがあるので怖い。食欲不振がさらなる食欲不振をまねくので、日中にオランザピンを少しだけ服用することに。これはなかなか良かったらしく、食欲不振はなくなりました。休職はまた3ヶ月延長になりましたが、リハビリ的なものをして良いと言われました。図書館通いを始めました。
5月は調子が良く、映画を観に行ったり買い物をしたり、普通の生活をして疲れなくなりました。この季節にしては雨が多かった気がするのですが、低気圧で体調を崩すこともなく、体も気持ちも楽でした。リハビリで週2,3日くらい図書館に通って数時間読書をしました。
6月は暑くなってきたせいか調子が悪かったです。眠くて昼まで寝たり食欲がなくなったり。24時間クーラーをつけて26-28℃くらいに安定させて、夕方の散歩とお風呂で汗をかく生活にしたら落ち着きました。去年は7月に調子が悪かったので、暑くなりはじめに自律神経が乱れるんだな〜と実感しました。
7月も暑かったですが、調子は6月より良かったです。暑すぎるので、用があるとき以外は家に引きこもって暇していました。8月から復帰することになり、会社に行って復帰スケジュールを調整したり、挨拶用のお菓子を買ったり(自分も食べたいからです)、診断書を持っていったりと、後半はバタバタしていました。夜中の3時くらいに目が覚めるようになったので、睡眠時間を調整しました(寝すぎらしい)。
休職中にしていたこと
一番は睡眠。スマートウォッチの記録を見ると、一日平均10時間は寝ていました。布団の中に入っている時間は約12時間です。とにかく寝ました。これが「休む」ってことなんだな~と思いました。とても幸いなことに住んでいるところが静かな住宅街で、朝も夜も起こされることなく眠り、去年の夏からはポケモンスリープがはかどりました。
散歩。近くの公園をよく歩きました。30分以内にしてねと言われていたのであまり長い距離は歩けませんでしたが、ほぼ毎日歩いていました。暑い時期は夕方歩き、それ以外は朝起きてから1時間後くらいに歩いていました。1日2回してもOKと言われてからは、午前と午後に1回ずつ、合計5000歩ほど歩きました。
YouTubeでQuizKnockの動画を見る。1本の長さがちょうどいいし、羨ましくなるような他人の人生の切り売りじゃないので見ていて不快なところがない。あまりにも賢い人たちの集まりなので自分と比べることもない。見ている間に少し知識がつく。更新頻度も高いので飽きない。一番面白かったのはウォータースライダーでセンター試験を解いているやつです。このチャンネルいいよ!と教えてくれた友人に感謝しかないです。
YouTubeでYes!プリキュア5シリーズの配信を見る。2023年秋放送のオトナプリキュアに向けて、5と5GoGoが期間限定配信されていたのでずっと追いかけて見ていました。プリキュアは世代ではなく(おジャ魔女世代です)主題歌以外知らなかったのですが、5の主役の声優さんが好きなので見てみました。とても良い話でした。うららちゃんとこまちとシロップが好きです。放送されたオトナプリキュアも全話見ました。
ポケモンGO。散歩のついでに遊べて楽しかったです。ポケモンはブラック・ホワイトでとまっているので新しいポケモンが新鮮でした。でもやっぱり初期のポケモンが好きです。
NHK BSの自然番組を見る。CMがないのがすごく良い。騒がしいバラエティーや不安を煽るようなニュースを一切見なくて済む。番組自体も静かだし映像がきれい。ワイルドライフ、岩合光昭の世界ネコ歩き、世界ふれあい街歩き、グレートネイチャー、ヒューマニエンスが好きです。
競馬。ゲームのウマ娘から競馬に興味を持ち、ここ3年くらいテレビを見たり馬券を買ったりしていたのですが、BSで土日の1Rから中継している番組を見られることに気づいてしまいました。さらに、せっかくなら推し馬をつくってメインレース以外も見てみようと思いつき沼にズブズブ。馬かわいい。ギャンブルにしっかり足を踏み入れるとやばいので、週末あたりの入金限度額を自分ルールで1000円に設定。買わないことが多いし、それより低予算で週末が終わります。目標は原価回収なので、少しもうけが出たら上出来です。最近は馬券の買い方を学んでいるところです。いつもは単複ですが、馬連と三連単が当たったときは嬉しかったです。なんでパドック見て馬の調子が分かるんだ?私にはまだ分かりません。去年、最推しのソダシが電撃引退してしまいショックでした。走ってるところ、生で見たかったなあ。そんな後悔があったので、東京競馬場と中山競馬場に行って推し馬を見てきました。楽しかったです。
ハリー・ポッターを読む。全巻読んだことがあるし映画も観ました。久しぶりに読み返してみるか〜と思って、電子で全巻買いました。図書館に行っても良かったんだけど、好きなタイミングで読みたかったので。改めて読んでも面白い!賢者の石、秘密の部屋あたりはわりと覚えていたのですが、それ以降の記憶が薄れていたのでわくわくしながら読めました。炎のゴブレット以降は話が重くてまだ読んでいません。読まねば……。
ワールドトリガーにハマる。漫画の無料公開を読んだら面白くて、漫画を全巻買ってアニメを全話見ました。いや〜良い買い物をしましたね。何度でも読み返せます。今後の展開が気になりすぎて、とうとう本誌を買うようになりました。好きなキャラは、小南桐絵、那須玲、ヒュース、絵馬ユズルです。
復職までのリハビリ
これと言って特にしていたことはなく、「リハビリして良いよ」と主治医に言われたときに挙がったのは
・電車に乗る
・図書館に行って本を読む
でした。
実家から一人暮らしの自宅に戻ってからは毎週通院のために電車に乗っていることを主治医に伝えたら「それじゃあ電車と人混みは大丈夫だね」と言われクリア。図書館で読書も問題なくクリア。これだけでした。
復職のステップ
休職した当初の部署に復帰しました。年度替わりを2度経ているのでだいぶメンバーが変わっていて、顔と名前を覚えるのに一苦労しそうです。
時短勤務から開始できるので、有給(半休や時間休)を組み合わせて、2時間→4時間→6時間のステップで勤務時間を伸ばしていくスケジュールを組みました。在宅勤務も混ぜています。
ここまで読んでいただきありがとうございました。これは私の記録なので同じ症例の人はいないと思いますが、休職していたり体調が悪かったりしている方の中で不安に思っていることが少しでも解消できたり参考になったりすれば幸いです。予定よりだいぶ長く休みましたが、無事に復職できました。復帰したらからもう大丈夫!ではないので、今後も病気とうまく付き合いながら働いていけるように気をつけます。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?