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読後寸評

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読んだ本で感じたことを綴っています。 好きな作家はラディゲですが、最近よく読むのはジェンダー論。A4用紙1枚程度で、800〜1000字程の感想文です。
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#武田砂鉄

わかりやすさが差別を生み分断に拡大する図式を説明した本「わかりやすさの罪」

わかりやすさが差別を生み分断に拡大する図式を説明した本「わかりやすさの罪」

本(わかりやすさの罪)

様々なメディアに執筆する武田砂鉄著の本です。雑誌「一冊の本」に連載されたコラムを単行本にまとめ、さらに文庫本にしたものを読みました。

タイトルの「わかりやすさの罪」というのは、おわりに(あとがき)の中で、出版を依頼した朝日新聞出版の担当者が当初つけた仮タイトルであったと書いています。その担当者が危惧したのは以下の通りです。

「最近、日本語がどんどん「易しく」「わかりや

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気鋭のライター武田砂鉄さんの新刊「今日拾った言葉たち」

気鋭のライター武田砂鉄さんの新刊「今日拾った言葉たち」

本(今日拾った言葉たち)
本文からの2次引用が多々あるので、著作権法上問題があれば削除をお願いします。)

気鋭のライター、武田砂鉄さんの新刊本です。雑誌「暮らしの手帖」に連載された記事をまとめ直したもので、2016年から今年2022年上半期まで様々なメディアから筆者が拾った色々な言葉が集められています。

雑誌の連載を単行本にすると、特に時事ネタなどではどうしてもタイムラグが生じてしまい、本書も

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マチズモ(男性優位主義)を糾弾する本「マチズモを削り取れ」

マチズモ(男性優位主義)を糾弾する本「マチズモを削り取れ」

本(マチズモを削り取れ)

コラムニスト武田砂鉄氏のジェンダー考察の本です。流行りのジェンダーギャップやジェンダーバイアスなどの言葉を使わずに、敢えてマチズモ(男性優位主義)というキーワードを使って、世間に根強くはびこる男性優位の社会を糾弾しています。
毎章筆者の担当である出版社の女性編集者から、男性優位への異議を唱えるメールから始まり、その実態を調査して解決法を模索していきます。

二章では「電

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