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読後寸評

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読んだ本で感じたことを綴っています。 好きな作家はラディゲですが、最近よく読むのはジェンダー論。A4用紙1枚程度で、800〜1000字程の感想文です。
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2023年5月の記事一覧

タカラジェンヌのセカンドキャリアとは⁉️「すみれの花、また咲く頃」

タカラジェンヌのセカンドキャリアとは⁉️「すみれの花、また咲く頃」

本(すみれの花、また咲く頃)(長文失礼します)

タカラジェンヌのセカンドキャリアを、元団員9人との対談を通しながら綴った本です。筆者の早花まこさんも、宝塚歌劇団で2002年から18年間娘役で活躍した元タカラジェンヌです。

この本は新聞の書評欄で見つけましたが、以前新聞の連載でタカラジェンヌのセカンドキャリアを読んでいたのを思い出し、買って読んでみることにしました。
連載の内容は、劇団を卒業して

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村上春樹氏の新作は脱構築の領域では⁉️「街とその不確かな壁」

村上春樹氏の新作は脱構築の領域では⁉️「街とその不確かな壁」

本(街とその不確かな壁)

村上春樹氏の新作長編小説です。発売日の4月13日に買って読み始めましたが、あとがきも含めると660ページにもなるので、ゴールデンウイークも読み続けて、2週間以上かかってやっと読み終えました。

読み始めると、あとがきにも書いてあるように2つの物語が同時に進行するのは、初期の長編「世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド」を思い出してしまいました。
2つの物語には17歳

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