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読後寸評

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読んだ本で感じたことを綴っています。 好きな作家はラディゲですが、最近よく読むのはジェンダー論。A4用紙1枚程度で、800〜1000字程の感想文です。
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2023年4月の記事一覧

酒の短編集「文豪たちが書いた酒の名作短編集」(^O^)/

酒の短編集「文豪たちが書いた酒の名作短編集」(^O^)/

本(文豪たちが書いた酒の名作短編集)

タイトル通り文豪たちが書いた酒にまつわる短編集です。彩図者文芸部編集のこの本は、先ずは編集者の企画のユニークさに敬服といった感じですが、私もこの文庫本のタイトルを広告で見て、早速買ってきて読んでみました。

坂口安吾から始まり夢野久作、芥川龍之介や福沢諭吉と続き、最後は太宰治、さらに「太宰治との一日」を書いた豊島与志雄まで13人の作家の短編15編が収められて

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2023年芥川賞上半期受賞2作品を読んで

2023年芥川賞上半期受賞2作品を読んで

本(この世の喜びよ)(荒地の家族)

2023年上半期の芥川賞受賞作品です。今回は2作品の受賞で、両作品ともに日々の生活での出来事を淡々と描いたものですが、「荒地の家族」は東日本大震災がモチーフになっています。

「この世の喜びよ」は、ショッピングセンターの喪服売場で働くパートの女性が主人公で、読みながら、高瀬隼子さんの受賞作「おいしいごはんが食べられますように」の描写を思い出してしまいました。「

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