「これ、持ってく?」「いえ、大丈夫です。」←この言い方する人を、わたしは許さない。
「大丈夫」のネタを書いたなら、これを書かずにはいられない。
「いいです」「けっこうです」という意味で、「大丈夫です」という人が増えたのは、もう10年以上前からなんじゃないだろうか。
最初、若者と話していて、なんのきっかけか忘れたが、たとえば、
「これ持ってけば?」だったとしたら、「大丈夫です。」と言われて、は? と思った。
この言葉は、どういう意味なのだろう?
わたしの頭の中には、「どお?」とすすめたときに、「大丈夫です」といって拒否するという返答は、なかった。
だから、意味がわからなかった。
何を言いたいのか、がだ。
そのため、何度か「いやいや、持っていきなよ」「遠慮しないで」とか言った気がする。3ターンくらいして、
「あ、これって拒否する意味なのか?」
と気づき、「あ? ああ……」と気まずい感じで、それ以上言わなかったような気がする。
大変、不愉快だった。言葉を生業とする者だけに、ものすごく。
1 なぜ、若い子が「いいです」「いりません」「けっこうです」とストレートに言うのが嫌だから、「大丈夫です」と言い換えることに、わたしが気づき、合わせてあげなくてはいけないのか?
2 傷つきたくないのはあなたであって、「大丈夫です」と言って拒否するのだとを知らなかったわたしが、なぜ「気づけよ、このおばさん」的な空気にさらされなければいけないのか?
3 そもそも、日本語を、「自分を防御するために」歪め、誤用しているのは、若者の方である。
4 しかも、すでに辞書に「婉曲に拒否するために使う。正確には誤用」とかなんとか、書かれている。誤用、と書いてあるけど……オーマイガー。
これは、大変な問題である。
まず、1だ。
これは、「日本語として明らかに間違っている」のは若者だ。そしてこれは、
いわゆる「若者言葉」ではない。
わたしだって、若者言葉だったら、なんとなくふーんと流す。
「ナウい」だろうが「トレンディだね」だろうが、「チョベリバ」だろうが、それは「若者言葉」として作られた名詞や動詞だ。
そういうのなら、わかる。別にいい。若者が作り出した言葉だからだ。年齢が違うと知らなくて当然。
ああ、今はそういうふうに言うの、で済む。
かつて自分も若者のとき、そういう言葉を作ったり使ったりするのが好きだった。
でも、「大丈夫」は違う。見過ごせない。
「しっかりとしていて、あぶなげない。」「問題ない。」「安心して。あの人なら大丈夫だ。」などと使う日本語だ。
なぜ、これを「拒否」を表す言葉にする?
時代を経て、言葉が変わるのとも違う。
むかしの人が、くしゃみを「くっさめ!」といっていたのが、「ハクション!」に変わっていったのとも違う。
若者たちが、はっきり「NO]といいたくないから、自分を防御する言葉として、意図的に、勝手に「大丈夫」という言葉を、「拒否する言葉」として使い、広まってしまったのだ。
拒否の意味の「大丈夫です。」が相手に伝わらないなら、違う言葉で説明する義務は、あなたにある。
だって、間違って使っているのだから。わたしをはじめ、そういう言葉を知らない人間が、察してあげなきゃいけない、というのはヘンだ。なぜ、それに気づかない?
逆に、
「気づけよ。拒否って意味に。」
と、言わんばかりなドヤ顔をされる。
そんなことをされるいわれはない。
わたしは、正しい日本語を学び、使ってきた人間だ。若者ではない年代も、みんなそう思うだろう。
二人目に、わたしに言ってきた子が、そうだった。
「大丈夫です。」「大丈夫です!」「ダーイジョーブでーす!」
と、全身から拒否のオーラを出していた。もう3回言ったら、怒り出しそうな勢いだった。
今度、こういう子に会ったら、こんなふうに言ってやろ。
「大丈夫ですってどういう意味? 大丈夫って、問題ないとかあぶなげないって意味が正しい日本語なんだけど?」
と、絶対聞く。そしてとことん、追求する。その場で、ネット辞書を引かせようかな。
やりすぎだと思う? とんでもない! 自分の間違った使い方を押し付けて、嫌な思いをさせているのは、この言葉を使う人たちだ。
「いやあ、今の若者はこういう意味で使ってるんですよ。(おばさんは知らないかもしれないけど)」
などと言う人に言いたい。
これは若者言葉ではなく、単なる誤用。正しい日本語を使っている人を、不快にする言葉。
「大丈夫」の意味を知っていながら、
「自分がやんわり拒否したいから」
という勝手な理由で、他人に押し付けるなっつーの!
自分を防御するために、他人を不快にするような使い方は、いかんでしょ。
というか……そこまで、拒否することをストレートに言うのが怖いの? 社会に出たら、使っちゃいけない言葉だってわかってるよね?
社会人になって使っちゃいけない言葉なら、もともと使わなければいい。
そういう人が多いだろうな。
「大丈夫です。」
が使いたいならそれでもいいけど、正しい日本語じゃないから。影でバカとか言われてもしょうがないからね。
会ったり電話したりっていうコミュニケーションを拒否してテキストのみにしたいなら、そうすればいい。恋人、友人、知人が離れて行っても、年取ってから、さみしいとか、友達がいないとか、あとになって言わないでね。
ヤフー知恵袋をみたら、、
「外国人の人って、どうして長い時間、ビデオチャットをしたがるの?」
なんて質問が複数あった。
あなたを好ましく思っているからだよ。
好きな人と、長い時間電話したり、会っていたいと思わないの? そういうのもラインとかのテキストでいいって?
ま、そうしたいなら、それでいいんじゃない。
せっかく、アプローチしてくる人がいて、長く電話していたい、ビデオチャットで顔を見たい、できれば会いたい、と思っているのに。
恋愛が始まりそうなときも、電話は「時間を奪う」というなら、どうぞコミュニケーションを遮断して、テキストだけの世界にいて下さい。
だって、それがいいんでしょ?
好きな人から突然電話が来ても、「時間を奪うな」と思うのかしら。
どうぞお好きに。
話を戻すけど、
「大丈夫です。」という拒否の言葉は、日本語として間違っている使い方なのだから、相手が理解してないようだったら、「わかんないのかよ、このおばさん」というオーラを出すのは筋違い。
即、「あ、けっこうです」「いいです。ありがとうございます」と言い換えるべきだ。
間違っているのは、あなたたち。
そして、わたしのような人間が、今後それを言われたら、こんな風に言うかな~。鬼の首を取ったように(笑)。
若者「大丈夫です。」
「え? 何が大丈夫なの?」
「どういう意味で言っているの?」
「拒否の意味? 日本語が間違ってるよ。」
「間違った日本語を使われるのは迷惑。やめなよ。」
「察しろって思われているみたいで、不愉快。あなたが、間違った日本語だと察して、正しい日本語をつかわなくちゃいけないのでは?」
「みんな使ってる? だから何?」
「間違った使い方をしている日本語を、みんな使っているからいいの?」
「就職したら、使わないんでしょ? 使ったらバカだよ?」
「やんわりいうつもりで? 社会に出たら大勢の人に、バカじゃないの? って大笑いされても、何も言えないよ。」
もっと言うことあるけど、このくらいにしておこう。
今後は、「大丈夫です」を使った若者には、若者じゃなくても、泣こうがわめこうが、淡々と冷静に、上記のような正論を言うから。
ホントに、使っているなら、やめたほうがいいよ。
なんか、頭が悪い人に見えるよ。
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