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宿にしてもする事が無い問題②

続、自宅兼事務所を第三者に貸す計画について、庭目線で色々。

竣工:2009年3月 (間もなく築16年)
構造:木造在来軸組工法 2階建て
規模:建築面積 26.5坪 敷地面積 8,900坪
性能:高気密高断熱住宅 ※気密測定やってない
大規模改修歴:なし、不具合なく綺麗に住んでる

夫が言った、お小遣い方式の宿

前回の記事を読んで、夫が「宿泊(使用)料金設定は高いけど、お客さんが草刈ってくれたり薪割ってくれたら割り引いていく、昔のお手伝いでお小遣いもらうみたいな仕組み良いかもね」と言われ、面白いなと思いました。生活すること自体が修行である宿坊の考えがちょっと入っている気がします。

体感・体得に価値を感じてもらう庭

以前、十勝千年の森でヘッドガーデナーの新谷みどりさんとガーデンデザイナーのダン・ピアソンのコラボレーションガイドを聴いた時に、ダンが「植物を知るためには日常的に摘むのが良い」みたいなことを言っていて深く共感しました。早速、職場のガーデンでも積極的に花を摘むワークショップをやって(※都市公園では動植物の採集は禁止されている自治体が多く、催しとして限定的に)人気が出過ぎて対応する私達が大変になっていくという経験がありました。
小規模なレベルでそうした体験を提供するために自分の庭を活用できないかと思っています。好きに摘んで部屋に飾っても、記念に持って帰っても良い。食べたければどうぞ。ハーブは摘んで綺麗な葉を選別するだけでも時間がかかって普段からやってる私は飽きるけど、お客さんにとっては格別の時間になるんじゃないかなとイメージしています。

ハーブを植えると採れ過ぎて収穫が追い付かないくらいになります

散策のリスク管理

庭だけでなくうちの敷地には林があります。エゾモモンガ、クマゲラ、エゾシカ、エゾリス、エゾライチョウ、エゾユキウサギ…いろんな動物が来て、ヒグマだけは生で見たことがありません。警戒心が強いので、クマはうちの地域では身近ではなく、危ないのはネズミとキタキツネが媒介するエキノコックスという寄生虫と、マダニです。
つまんだベリーを洗わずに食べる、肌を出すラフな格好で歩き回る、というのが意外と出来ない場所です。制限をかけると興ざめするかもしれませんが、そうした事もきちんと伝えるのがオーナーの役割かと思います。
冬はスノーシューの貸し出しは土地勘のない人にはハードルが高いので、オーナーのサービスとして取り入れるか迷っています。自分なら出来るけど、お客さんにやられると困るというのが結構ありそうです。

キャンプやBBQはキャンプ場で

実体験済みで、キャンプや焼き肉はわざわざ外でやらなくても快適な家があるのでバッサリと禁止します。上記のダニ以外に、蟻や蜂も多いし、食べ物の汁を直接捨てられたりしたら困ります。大事なのは、手を広げ過ぎない事、過剰サービスをしない事。私たちが住んでいる時はたまに焚火をしましたが、これも山火事のリスクがあるので梅雨の間が雨上がりにしか出来ない事です。火の粉が飛ばないバーナーは使えそうなので、外珈琲かおやつタイムを庭で過ごすのがおすすめです。

トドマツの林の中で楽しむ外珈琲

移住体験型住宅に近づく

私達の考えとして、本気でこういう暮らしをしたい、探している人の役に立ちたいという前提があって、自宅兼事務所の活用方針は誰にでも良い顔をしようとせず、まずは自分達の価値観に会う人をターゲットとしていく方向に整理でき始めました。観光や一時的な体験でも悪くはないのですが、今までずっとニッチなお客さんを相手にしてきたので、結局ニッチな方向に落ち着く気がします。旅館ではなく民泊寄り、可能だったら自治体との協働が出来ないかな。この匙加減を客観的に理解してもらうためにさらに企画を深めようと思います。

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