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26.3人のレンガ職人

前回、
 同じ本を繰り返し読むことで「長期記憶」になる。
 立場や経験によって、同じ本でも新たな気づきを得ることができる。
とお伝えしました。

▼前回の記事はこちら▼

みなさんは、3人のレンガ職人の話を知っていますか?

旅人が歩いていると3人のレンガ職人に出会います。
1人目のレンガ職人に「何をしているのですか?」と聞くと、1人目のレンガ職人は、「レンガを積んでいるんだ」と答えます。
また、歩いていると2人目のレンガ職人に出会います。
同じように「何をしているのですか?」と聞くと、「レンガを積んで塀を作っているんだ」と答えます。
さらに、歩いていると3人目のレンガ職人に出会います。
また、同じ質問をすると「レンガを積んで、偉大な大聖堂を作っているんだ」と答えました。

3人とも同じ仕事をしているのですが、視点が違っています。

1人目の職人は目の前の作業にだけ集中しており、単に「レンガを積む」ことに終始しています。
このような低い視点では、仕事が単なるルーチン作業に感じられやすく、モチベーションの低下や疲弊に繋がりやすいです。
毎日の業務がただの作業に感じ、利用者に対するサービスも機械的になってしまうことが懸念されます。
これは主に、一般社員に見られる視点です。

2人目の職人は、少し高い視点を持っており、自分の仕事が「塀を作る」という目的に繋がっていることを理解しています。
しかし、視点はまだ限定的で、全体のビジョンは見えていません。
目標を達成しようとするものの、その目標がなぜ重要なのか、どのように組織全体に影響を与えるのかまでには到達していません。
これは、リーダー層に最低限求められる視点です。

3人目の職人は、最も高い視点を持ち、自分の仕事が組織全体の大きな目標にどう貢献しているかを理解しています。
日々の業務に意味を見出し、モチベーションを高く保ちながら、長期的な目標に向かって進んでいます。
この視点を持つ職員は、施設の発展や利用者への貢献を念頭に置き、自らの役割をより深く理解しています。

施設長には、ぜひ3人目の職人のような視点を持っていただきたい。

施設の存在意義や全体像をしっかりと把握し、施設の強みや弱みを理解することで、効果的な目標設定が可能になります。
そして、最も重要なのは「社員の状態」を適切に把握することです。
もし施設長が目標を持っていても、その意義を理解せずに日々の業務に追われるだけでは、施設の成長は難しいでしょう。
職員が日々の業務に追われる「1人目のレンガ職人」のような状態に陥ることがないよう、施設長として組織全体のビジョンと、その実現に向けた意義をしっかりと示し、導いてください。
それが、施設長の仕事です。

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今日のまとめ
施設長は、全体のビジョンを見据え、自身の役割を理解し、組織の目的や意義を示しながら職員を導く視点が必要。