ああそう、これがフィリップ・ガレルなんだよね!!!
もの哀しさが残るぶっきらぼうなカット、
不安と切なさをほんのわずか残す残響、
情緒の入り込む隙間もない硬派な映像美に、そのはずなのに胸が締め付けれられる不思議な世界観…………
くちっとしてよく締まった口元をもつ、目立たないけどなぜか魅力的な女優陣、これはガレルの他作品にもよく思うんだけど圧倒的に "ガレル主観の好み" が全面的に反映されている、そうかこういう女性がタイプなのかガレルは。
ガレルを観ているとたまに「魅力的な耳を持つ女の子」をテーマに書いた村上春樹の何かの小説を思い出す。タイトルは忘れてしまったが。ガレルは村上春樹だったのかもしれない。いや、撤回だ、わたしはガレルを愛しているが村上春樹の男たちはどうも好かないからな。
一応形式的にあらすじは書き残しておくか。
2001年ヴェネチア国際映画祭国際批評家連盟賞を受賞。
ああそういえばニコとガレル、付き合ってたね。その時のね。
このあたりか。
若きガレルがニコを思いながら撮ったであろう初期作は。
ガレルの他作品をおさらいしているうちに、ガレルについて愛の賛美の限りを尽くし過去のレビューとして叫んでいた自分を散見したのでガレル愛を叫ぶのは当時のわたしの言葉に任せよう。
それはそれとして今作、あらすじにもある通り "ある到達点としてのガレル" を観られるのは本当。傑作。まじ傑作。大好き。愛してる。
Emoru