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【フランス映画入門】 あかるくたのしいフランス映画紹介 #06
こちらはフランス映画に馴染みのない読者の皆さんが、「フランス映画って楽しそう!観てみたい!」と感じていただけるよう、明るく楽しい作品を紹介していく試みだ。
今回はその第六弾である。
それではスタート。
#16 『ぼくの伯父さん』 Mon Oncle (1958)
監督:ジャック・タチ
主演:ジャック・タチ
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あらすじ:アルペル夫妻は超モダンな住宅に、息子のジェラールと一緒に暮らしている。ジェラールは人間味のない家にいるよりも、下町で気ままに暮らすユロ伯父さんと遊ぶのが大好きなのだが、アルペル夫妻はユロ氏のことを心配し、仕事やお見合いを世話しようとする。
タチが世界的監督としての地位を確立した記念碑的作品で、アカデミー賞最優秀外国語映画賞やカンヌ国際映画祭審査員特別賞など、数々の賞に輝いた。
アカデミー賞で外国語映画賞、カンヌ映画祭で審査員賞を受賞。
監督のジャック・タチ自らが主演を張っていて、"ユロ伯父さん (Monsieur Hulot)" と名のつく愉快なおじさんを演じている。
映画通の間では有名な話だがタチはとにかく完璧主義で、構図からカットの切り替えから音響の使い方やら、何から何までキッチリしている。
それでいてストーリーはおちゃらけていて最高に面白いのだからチグハグだ(褒め言葉)。
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上記の写真はユロ伯父さんの兄弟にあたる建築家のブルジョワが自ら建てたという設定の家で、対してユロ伯父さんの家は昔ながらの古びたアパルトマンであるという対比がなされる。
ユニークなデザインの建築なのにもかかわらず、タチ自身の価値観というか、近代的な創作物に対する皮肉を感じなくもないのがまた面白い。
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#17 『ぼくの伯父さんの休暇』 Les Vacances de Monsieur Hulot (1953)
監督:ジャック・タチ
主演:ジャック・タチ
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あらすじ:海辺のリゾートホテルに都会からのバカンス客がやってくる。バタバタと大きな音を立てて、ユロ氏のポンコツ車も到着する。休暇を満喫しようとするユロ氏だが、彼が現われる所ではなぜだか次々と騒動が巻き起こる。チロル帽にパイプ、モゴモゴとしか話さない個性的なキャラクター、ユロ氏の記念すべきデビュー作。
主役は多くを語らず、観客の観察力と受け止め方に訴えるというタチ独自の喜劇世界を創りだした。
カンヌ映画祭で国際批評家賞を受賞。
個人的に『ぼくの伯父さん』よりお気に入りな作品。
タイトルから想像がつくとおり "ユロ伯父さん" のシリーズもの。
『ぼくの伯父さん』が撮られるより以前に撮影されていてモノクロなんだけど、より多くのシーンでユロ伯父さんが映り込んでいて見飽きない。
あらすじの通り、バカンスに出かけたユロ伯父さんがドタバタとコミカルな展開を起こす愉快な一夏を描く。
クスッと笑えるシーンが山盛りで、元気が出ること請け合いである。
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#18 『赤い風船』 Le Ballon Rouge (1956)
監督:アルベール・ラモリス
主演:パスカル・ラモリス
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あらすじ:第29回アカデミー賞最優秀脚本賞受賞、アルベール・ラモリス監督作。パスカルが学校へ行く途中、街灯に赤い風船が引っかかっているのを見つける。その後、風船は彼についてくるようになり……。少年と風船との友情を描く。
アカデミー賞で脚本賞、カンヌ映画祭で短編パルム・ドールを受賞。
監督の息子をそのまま主演で出演させている。
セリフは最小限に抑えられており、ストーリー性豊かな映像美であっという間に独自の世界観に引き込まれる。
あかるい…………かどうかは別として、"とてもとても良い" 映画なのでまだの方は是非観てほしい。サブスクの配信になければTSUTAYAやGEOのレンタルサービスで借りることができる。
以前わたしのnoteで「風船で空を飛ぶ」という夢日記を書いたことがあるんだけど、その夢の元ネタになってるのはもしかしたらこの作品なのかもしれない。
実際風船で世界を飛ぼうとしたある日本人のおじさんは、この映画にインスパイアされてテンションMAXになっちゃったのだそうだ。
……というとネタバレになっちゃうのでアレだけど、30分ちょいと短いので手軽に観られるのも良いところ。
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第六弾は以上。
"ユロ伯父さん" シリーズはDVDジャケットのデザインもいいのよね。
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フランス映画はいいぞ!
さようなら。
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