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【映画】 ファッション映画を観る週間

短い期間ではあったが、かつてわたしもファッション・デザイナーを生業とする教授に師事していたことがあった。「わたしには "ファッション" は無理だ!あまりにも向いてない!」と気づくまでに時間を要したが、今でも "ファッション" 業界は憧れの対象そのものである。

今回はそんな映画を観ていく。


#01 『ディオールと私』 Dior and I (2014)

監督:フレデリック・チェン
主演:ラフ・シモンズ(本人)

あらすじ:1946年に創設され、今や誰もが憧れる世界的ブランドとなった〈クリスチャン・ディオール〉。そんな老舗ブランドの初めてのコレクション発表は1947年。それから65年後の2012年、新しくデザイナーに就任したのは、オートクチュール(高級注文服)未経験のラフ・シモンズ。彼の抜擢はパリ・ディオールのアトリエで働く経験豊かな105人のお針子たちにとっても新たな挑戦の始まりとなった。パリ・コレクションまでに与えられた時間は異例の8週間。通常4~6ヶ月必要とされる期間の半分以下で、54体ものオートクチュール発表を求められる、あまりにも厳しすぎる試練。そんな環境でラフが提案する斬新なアイディアとデザインをもとに、寝る間も惜しんで1枚の布にディオールの魂を吹き込むお針子たち。本作は、全身全霊を傾けてドレスを作り上げる人々の緊張感に満ちた日々に密着した、感動のファッション・ドキュメンタリーである。

アルバトロス・フィルム 作品紹介ページより

かつてジル・サンダーのクリエイティブディレクターとしてモード業界の第一線を走っていたラフ・シモンズが、初めてオートクチュールの世界へ飛び込み、初めての "ラフ・シモンズのディオール" のショーを準備するドキュメンタリー。

ラフ・シモンズはもちろん本人出演。コレクション準備期間のアトリエの様子をそのままキャッチできる重要映像がたっぷり。

オートクチュールやコレクション・ショーの現場、またはラフ・シモンズのこだわり(彼は現在自身のブランドを立ち上げて活躍している)を知りたい方にお勧めの作品である。


#02 『オートクチュール』 Haute couture (2021)

監督:シルヴィ・オハヨン
出演:ナタリー・バイ、リナ・クードリ

あらすじ:エステルは引退を間近に控えたディオール オートクチュール部門の孤高のお針子。ある日、地下鉄で若い女性ジャドにハンドバッグを盗まれる。だが、警察に突き出す代わりに、エステルは彼女の世話をすることにした。なぜなら、エステルの唯一の財産——ドレスを縫い上げる卓越した技術、クリエイションの真髄——を受け継ぐ相手になり得ると直感したからだった。時に反発し合いながら、時に母娘のように、そして親友のように、厳しいオートクチュールの世界で、エステルはジャドに“指先から生み出される美”を授けてゆく…。そして、エステルにとっての最後のショーが目前に迫っていた。

Filmarks 作品紹介ページより

これもオートクチュールの現場を知るという意味で良い作品だが、ドキュメンタリーとは違い、フィクション要素が含まれる物語。

ヒロインのひとり、リナ・クドーリはアルジェリア系の若手女優。
彼女といえば『パピチャ 未来へのランウェイ』での熱演を観てから個人的にすっかりファンなのだが(こちらの作品でもファッションに熱を上げる女学生の役だった)、大人への対抗心を燃やす彼女の姿を本作でも観ることができる。良い女優さんである。

それにしてもお針子はすごい。特にオートクチュールなんて。
わたしが願っても持てなかった「黄金の指」。天性の器用さ。憧れるなあ。


#03 『ヴィヴィアン・ウエストウッド 最強のエレガンス』 Westwood: Punk, Icon, Activist (2018)

監督:ローナ・タッカー
主演:ヴィヴィアン・ウエストウッド(本人)

あらすじ:英国カルチャーのトップに君臨しながら生涯現役を誓うヴィヴィアン・ウエストウッド。大企業の傘下に入ることなく独立ブランドとして数々の女優の衣装を手掛け、エリザベス女王から“デイム”の称号も授かった彼女の、パワフルでエレガントな生きざまに迫る。

U-NEXT 作品紹介ページより

パンク、ロック、型破り。
英国のモード界、だけでなくデザイン界にも大きな影響を及ぼした、ヴィヴィアン・ウエストウッドのドキュメンタリー。


個人的にはファッションデザイナーとしてだけでなく、環境活動家としての一面が彼女にあったことに驚いた。北極に行くなどしていたのだ。

わたしが行動を起こすのはいつも未来への危機感から
北極を訪れて環境の危機を感じたヴィヴィアンは、ファッションウィーク中なのにもかかわらず環境保護を掲げるデモに大きな横断幕をもって参加する。すげえ。


輝かしい歴史の裏の奮闘史だけでなく、
彼女本人の美しい姿を拝みたい人にも必見。
パワーをもらえる作品。


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