【フランス映画紹介】 わたしが知らなかったジャック・リヴェット3選
ヌーヴェルヴァーグの巨匠のひとり、ジャック・リヴェットといえば『セリーヌとジュリーは舟でゆく』『彼女たちの舞台』など、御伽噺的エッセンスを混ぜた脚本と長く巧みなカメラワークが有名だが、他の作品を鑑賞する機会があったのでここで紹介する。
現在『ジャック・リヴェット傑作選』を特集上映中なので、リヴェットに興味のある方はぜひ足を運んでみてほしい。
#01 『パリはわれらのもの』 Paris nous appartient (1961)
出演:ベティ・シュナイダー、ジャンニ・エスポジート、ジャン=クロード・ブリアリ etc
リヴェットの初長編作品となった本作。
のちのリヴェットらしさを予知するかのように "演劇" がテーマ。
当時彼はお金もフィルムもなかったのでゴダールに頼み、出資・プロデュースをしてもらってこの作品を完成させている。
ヒロイン(アンヌ・グーピル役)のベティ・シュナイダーが最初から最後まで可愛い。映画『ベティ・ブルー』のベアトリス・ダルをどことなく思わせる、自然体で無防備な女の子の役がよく似合う。
その友人役を務めるジャン=クロード・ブリアリもいつも通り茶目っ気たっぷりで、さすがナイス配役という感じ。
途中途中でゴダールやシャブロル、ドゥミといった、未来のヌーヴェルヴァーグの巨匠となる人たちがカメオ出演しているなどちょっとした遊び心も感じ取ることができる(リヴェット本人も出ていたらしいがわたしは気付かなかった)。
#02 『地に堕ちた愛』 L'amour par terre (1984)
出演:ジェーン・バーキン、ジェラルディン・チャップリン etc
1984年ヴェネツィア映画祭コンペ部門選出作品。
ものすっごい面白い。傑作。
ジェーン・バーキンとジェラルディン・チャップリンという超豪華二世俳優をはじめとした "俳優のタマゴ" たちを脚本家が呼びあつめ、その邸宅で芝居をするための準備をするという数日間の物語。
大物すぎる彼女らをタマゴ扱いしている点もジワジワくるし、リヴェットらしい長回しのロングショットもあまりに美しく魅力たっぷり。
「ああ、これがリヴェットだよな」と感嘆する。
またリヴェットらしさを宿す長編作品としては長すぎず短すぎず(120分ちょい)、観やすい部類に入るのではなかろうか。
#03 『修道女』 Suzanne Simonin (1966)
主演:アンナ・カリーナ
発表された1966年当時、教会の反対運動が起こり、一時は上映禁止にまで追いやられたとのこと。いやあ確かに、フィクションと分かっていても修道院のイメージがひっくり返る問題作だと思う。
アンナ・カリーナって、主演映画『女は女である』のように "私って可愛いよね!人生って楽しいよね!面白いよね!" みたいな役が一番似合うと思うんだけど、今作のような悲劇のヒロインも捨てたものではない。
アンナが泣くとこちらも胸が締め付けられる。まるでいじめを受けるシンデレラ。明るい展開は1ミリもなく、文字通りの "悲劇" でしかないのだけど、アンナの俳優としての魅力と奇想天外なストーリーは一見の価値あり。
やっぱりリヴェットはよき。
💠
制作ご依頼を受け付けています。
お見積りだけでも可能ですので以下アドレスへご連絡ください。
📩 emoru_design@gmail.com
ホームページ(HTML/CSS または STUDIO)
ロゴ
イラスト、アイコン
紙媒体ものデザイン(チラシ、名刺など)
💠
インスタでイラストを発信しています。
👤 emoru_illustration
Emoru