シン・営業力
「営業しない営業」が営業の理想形
「営業」と聞くと、「饒舌なトークで商品の説明し、お客様に売ること」だとイメージしている人が多いのではないでしょうか。
営業ができる人というのは、コミュニケーション能力が高い人で、口下手では営業できないかと思われている方もいるかもしれません。
ですが、営業で大切なのは「話す能力」よりも「聞く能力」にあります。
お客様の声を聴き、それに応えることで信頼を積み重ねていき、営業の理想形である「営業しない営業」つまり「何もしなくてもお客様から選ばれてしまう営業」になっていきます。
そのような営業ができるようになるための考え方をこれから紹介していきたいと思います。
法人とは何かを理解する
法人営業を行う前に、まず「法人」とは何かを理解する必要があります。
ということで皆さんに質問です。
「法人」とは何でしょうか?
何のために存在しているのでしょうか?
「生活者としての個人」と「法人」は何が違うのでしょうか?
「社会貢献」「従業員の雇用を守るため」等あるかと思います。
ひとことで言うならば
法人が存在する理由は「利益を出すこと」にあります。
国のため、社会のためというビジョンがあるのは素晴らしいことですが、法人である限り事業が上手くいかなければその先のビジョンの実現もあり得ません。だからこそ「利益を出すこと」がどの企業にも言える共通の存在理由になります。
法人の「買う」は「投資」である
次は、「法人が製品やサービスを購入(契約)する理由」について考えていきます。
先ほど、「法人の存在理由は利益を出すこと」であると説明しました。
では、また質問です。
法人が製品やサービスの購入(契約)する理由は何でしょう?
それは「その製品を購入(契約)することが会社の利益につながるから」です。
「利益を出すために購入する」は言いかえると「投資」になります。そのため、法人営業では「投資対効果」を証明することが重要になってきます。
例えば、1万円の商材を買って2万円の効果があれば
利益は2-1=1万円になります。
一方で、3万円の商材を買って9万円の効果があれば
利益は9-3=6万円となります。
前者と比較すると投資額は3倍ですが、利益は6倍になります。
法人にとって魅力的に感じるのは利益の大きい後者になるため、後者を選ぶことになるはずです。
なので「お客様から提示された予算内で提案する」ことだけに縛られず、お客様の利益がさらに見込める案も用意することで、即決は難しくても予算以上の商材を検討してもらう可能性は十分あります。
法人営業の営業先は法人ではない
先ほどまで「法人」についての話をしていましたが、実際営業として対峙しているのは厳密にいうと「法人の中の個人」であります。
この認識を持つことが非常に大事になるといいます。
どんなにお客様にメリットのある提案をしても、提案した担当者が「メリットはあるけど、サービスの導入が面倒くさくてやりたくない」などと感じれば、契約には至りにくいです。
もちろんそんなこと担当者は口には出しません。
「ほかの対策を優先するため時期を改めます」などと答えるでしょう。
そのため、「法人の中の個人」が何を考えているのか、何を求めているのかを知ることが重要になります。
例えば、相手の担当者が「出世したい」「社内ライバルに負けたくない」など競争心の強い人だと感じるならば、自分の提案が会社にとってどれだけメリットがあるかだけでなく、担当者の評価アップにつながることを感じさせる提案をしてみたり
一方で、「致命的な失敗はしたくない」という感情を持つ方だと感じたら、製品・サービスの導入にどれだけリスクが少ないか、導入前後でどのようなミスが軽減できるかなどを提案に盛り込んだりすることが重要になります。
なので「法人の利益」はもちろんですが、「法人の中の個人のメリット」も両方を満たすことを考え商談することが大切になります。
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