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トヨタで学んだ「紙一枚」にまとめる技術

前回紹介した「トヨタの会議は30分」でも紹介されていた本を、今回は紹介したいと思います。

今回の著者も元トヨタ自動車の社員で、現在はトヨタ等で学んだビジネススキルを教える側として社会人向けに研修したり、スクールを開講している方になります。

本の冒頭で書かれているのですが、トヨタでは企画書、報告書、議事録、プレゼンテーションの資料など、作る際にはとにかく「紙1枚」にまとめるそうです。

トヨタ 紙まとめ1

ですが、紙一枚にまとめる習慣はあるんですけど、それを「どうやってまとめるか」という詳細なマニュアルはないそうで、新入社員だった著者は上司にいきなり

「さっきの打ち合わせの件、どうすればいいか考えて1枚にまとめておいて」

と言われて、何をどうまとめたらいいのかわからなかったそうです。

そこで著者は、過去に先輩が作成した資料を参考にしたり、上司からまとめた紙を添削してもらうなどを経て、自分なりの作り方を身につけて、その方法をまとめたのがこの本になります。

今回は、この本のさわりの部分と、この本から実際に行動に移せそうなアクションがありましたので、紹介したいと思います。

①トヨタの「紙1枚」は「地図」である

著者は、トヨタのまとめられた「紙1枚」というのは「地図」であると語っています。

例えば、あなたはテーマパークで道を聞かれたとき、どう説明しますか?

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口頭で「まっすぐ進んで、どこどこから右に曲がって...」と説明するより、地図をみながら、「今はここにいて、目的地はここで...」と説明するほうが、より相手に伝わりますよね。
これが言葉の通じない外国人であれば、なおさら地図のほう説明しやすいです。

トヨタ流のまとめられた「紙1枚」は、このような「地図」のような働きをするものになります。

それは、読んでわかるものではなく、見てわかる資料になっていて、なおかつ最低限の言葉で説明ができるような作りになっている。

前回の「トヨタの会議は30分」でも話したように、トヨタは徹底的に時間の無駄を省く会社なので、じっくり字を読む時間はなく、目で見てすぐに理解できる内容でないといけないということで、トヨタの厳しさをこの本からも感じました。

②「トヨタの紙1枚」のまとめ方

著者が、先輩の過去の資料など、たくさんの紙1枚にまとめられた資料をみて気づいた「トヨタの紙1枚」の特徴が以下の3点になります。

1.ひと目で全体が見える
2.枠がある
3.枠ごとにタイトル(項目、テーマ)がついている

そして、枠ごとのタイトルですが、基本的にどんな仕事でも、5つの項目をクリアしていけばよくて、その項目が

「目的」「現状」「課題」「対策」「スケジュール」

の5つになります。

トヨタ 紙まとめ2

会議の議事録も、企画書も、報告書も、どんな仕事であっても、考えるべき、明確にするべきポイントはこの5つに絞られます。

用途に応じて増やしたりもありますが、基本はこの5つを押さえておけばオッケーです。

後は、それぞれ5つの枠を埋めていくことで資料がまとまるので、考える時間が大幅に短くなります。

結構シンプルですよね。
シンプルですが恐らく著者が、めちゃくちゃたくさんの資料をみて、めちゃくちゃ考えて、無駄を極限まで省いてわかりやすくした方法なのかなと感じました。

③伝え方のコツ

プレゼン3

紙1枚にまとめた資料でも、きちんと相手に伝えられなければ意味がありません。

この本で紹介されていた「伝え方のコツ」で、実際に明日からすぐ実践できそうなものを2つ紹介したいと思います。

①「ひとことで言うと...」または「ポイントは3つあります」から話す
②資料を見せ、指をさしながら話す

まず、

①「ひとことで言うと...」または「ポイントは3つあります」から話す

例えば、自分が先輩に「仕事の方法について」質問したとき、前置きが長くてなかなか答えを言わない人や、結局最後まで明確な答えを言ってくれない人より、わかりやすく明確な「ひとこと」を言ってくれる人に質問しませんか?

それを自分でも意識して、忙しい上司に短時間で理解してもらうために「ひとこと」にまとめてから話始めましょう。

1つに絞り切れなければ最大3つまではOKとしています。

以前紹介した「ビジネスは30秒で話せ!」でも出てましたが、人が覚えるのにちょうどいいのが3つで、4つ以上は覚えられなくなります。

できるだけ「ひとことで言うと...」を伝えてから話す。
絞り切れなければ最大3つまでにし「ポイントは3つあります。」と伝えてから話し始めるように意識しましょう。

②資料を見せ、指をさしながら話す

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これは著者が、仕事ができる人の行動を細かく観察していた時に気づいた、「できる人」の共通点として挙げていました。

資料を見せ、グラフ部分を指しながら「このグラフが示すように...」と説明する。

些細な行動ではありますが、聞き手に今、資料のどこの話をしているのかを示してあげることで、相手の注意をグッと引き付けることができる方法になります。

是非実践してみましょう。

まとめ

「トヨタの紙1枚」の特徴
1.ひと目で全体が見える
2.枠がある
3.枠ごとにタイトル(項目、テーマ)がついている
まとめ方
各タイトルは「目的」「現状」「課題」「対策」「スケジュール」の5つで、考えていけばよい。
伝え方のコツ
①「ひとことで言うと...」または「ポイントは3つあります」から話す
②資料を見せ、指をさしながら話す

この本では他にも、情報を整理し考えをまとめるための「エクセル1」や、論理的に考えをまとめ、わかりやすく伝えるための「ロジック3」など、思考のまとめ方も紹介されています。

これらは、自分の頭の中を整理するために使用したり、会議の時に飛び交う難しい話を理解するため使用するものになります。

興味がある方は、是非読んでみて下さい。



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