1ヶ月自作ゲームのPVを大型街頭ビジョンで流した振り返り(リアルタイムART)
■はじめに
こんにちは、ゲーム制作サークル「ほんわかふわふわ」代表花倉みだれです。
直近リリースしたタイトルは『リアルタイムアシストリプレイタイム ~閉店までの1分間~』です。無料なのでぜひ……!
このタイトルのCMにとリリース前後から時々動いているのですが、その中でも比較的大きな動きが先日ありました。
そう、街頭ビジョン放映です!
これの期間が7/26~8/25だったので、つい先日終わってしまったんですよね。
自分も現地でラスト放映見に行きました。寂しいなぁ……。
というわけで、一通り終わったということを踏まえてこれを施策として振り返っていけたらいいなと思います。
超大物インディゲームクリエイターさんがパブリッシャーとしての姿勢どうこうみたいなことを最近色々言ってましたが、わりと嬉々として施策として数字を振り返るあたり私はクリエイター気質が足りないのかなとか思いつつ(笑)
■目的設定について
その前に、なぜこの施策を実施したかということを前提として出したうえで、改めて振り返っておけたらいいなと思います。期待していた効果は何だったのかと。
その目的に達したかどうか、が大事ですからね。
・「街頭ビジョン広告を出す」という経験そのもの。やる / やらないはともかく次回以降も任意のタイミングで実施できるものかといった点の手応えを得ること。
・ニュースバリューとして「街頭ビジョン広告」がどれほど通じるものなのかの調査
・DL数増加
・「ほんわかふわふわ」ないし花倉、ないしスタッフの知名度向上
・他方向で営業する際の箔付けの1つ
・営業強化月間としての位置づけで個人的に多方面にアクセルを踏むこと
この当たりが主な目的となりますでしょうか。
DL数増加の効果はないしコイツはクリエイターとして意識低いバカなんじゃねーの?ww みたいなニュアンスで触れてくださる方もいたのですが、そもそも目的がそこ(だけ)じゃないってことは予め言っておきたいってことですね……! 負け惜しみでもなんでもなく! だって無料ゲームだから仮に超バズっても別に+にはならない施策ですからね(笑) まぁなんであれ認知していただけるのはありがたいことです。
■「街頭ビジョン広告を出す」という経験そのもの。やる / やらないはともかく次回以降も任意のタイミングで実施できるものかといった点の手応えを得ること
これはもう100点じゃないでしょうか。
事故なく滞りなく掲載が始まって無事期間終了しましたからね。
すぐ次をやる / やらないはまた色々べつですが「やろうと思えばいつでもやれる」という手札が手に入ったことは非常に自分にとって大きいものだなと思います。
仕事で(別の場所の)街頭ビジョン関係の施策に関わったことも少しだけあるのですが、そこまで責任あるポジションでもなかったのもあって解像度があまり高くなかったりもしました。
が、色々そこで知っていた欠点やもどかしさみたいなところを今回は全然気にせず進められて「場所によって色々違う」「個人でもできる」あたりを自分ごととして理解できたのがとても良かったかなと思います。
この件に限らず「仕事で似たようなことに関わった」みたいなことをほんわかふわふわとして押し進めると、決裁権が自分にある幸せをしみじみ感じます(笑) 失敗してもいいし、死ぬことがないってのはいいことです。
まぁ、その分予算や人やクオリティはアレなんですけどね!
■ニュースバリューとして「街頭ビジョン広告」がどれほど通じるものなのかの調査
「広告を掲載しました」ということそのもののニュースって、実は結構あるんですよね。
継続して発信することで「力を入れているんだな」というイメージを与えることもできますし、まぁある意味当たり前ではあるんですけど。
ただ、Youtube広告を配信しました! とかアプリのリワード広告の中の一つで出ます! とか5chのバナーとかで出るようになりました! とか4gamerの両端をジャックしてます! とかをニュースとしているタイトルは自分が知る限りはほとんどありません。ニュースバリューとしては、ネット広告は弱くて、大抵TVCMか街頭広告であるように見えていました。
どちらかというと、直接的な広告効果よりこういった形でニュースを作れることにこそバリューがあるのではないかと自分は感じています。
私の場合は「10000DL記念」「インディゲームクリエイターが地元で」「街頭ビジョンに」という3点でどうにか価値を出せないかと思っていました。(加えて人気Vtuberの歌唱が流れているよ、という部分もありますね)
今回は「ちゃんとしてる」感を出したいのもあって、プレスリリース配信サイト(valuepress様)を使う試みも行いました。
これそのものはまた独立した記事として書こうかなというくらいには色々学びもありましたね。
前置きが長くなりましたが、結論としては「それなりにある」といったところでしょうか。
「ゲームリリース時などで拾っていただけるようなメディア様に拾っていただけないことも結構ある、くらいのニュースバリュー」というところになりそうですね。やっぱりリリース時には敵わない。
一方で、一部の地元メディアには拾っていただけましたし、小学校の時の友人なんかからも「あそこに載ってるのすげ~! 見てきたよ~!」と連絡を頂いたり、インディゲームクリエイターの仲間からこういうのも出来るんだな~と興味を持っていただいたりと「地元」「個人開発の人が街頭ビジョン」の2点に関しては一定訴求力のあるニュースにできたと評価できるのではないかなと思っています。
巻乃さんや和泉さん、菜月さん、平和なべ本人やそのファンの方からも概ね好意的に反応してくださったように受け取っています。
山手線をジャックするとか、新宿の立体ビジョンに出すとか秋葉原の駅中に出すとか、そのレベルと比較して地方都市の1ビジョンではあまりバリューがないのはそれはそうというところではあるのですが、胸を張ってリリースを出すことそのものはまぁやってもいいんじゃないかなと思っています。
とはいえ、今回は現状では物珍しさが勝って触れてくれる方もいたかと思うので、次回やるとしたら物珍しさも薄れてしまいますし、もう一声何か価値を出したいところかもしれません。
■DL数増加
色々強がってはいますが、そりゃ増えたら嬉しいに決まっていますよ!
「とはいえ、街頭ビジョンを見て気になってDLしました!」という数は私のリサーチ力では調べようがありません。素直に該当期間とその一ヶ月前の日本でのDL数を比較します。
509→142ということで、約28%ですね。
28減ではなく、28%です。
とはいえ、このゲームは5/11にリリースと比較的新しいタイトルで、普通ゲームはリリースをピークにどんどん勢いが落ちていく性質があります。シンプルに「むしろ出したことで下がった」……という話ではないということは強調しておきます。
これはむしろこの後を見て比較しないといけない気がしますね。やらなかったらもっと低かった、ということだとは思うのですが、どのくらいがこの分なのか、それに関してはなんとも現状だとわからないですね~。
■「ほんわかふわふわ」ないし花倉、ないしスタッフや関係した方の知名度向上
知名度というかブランドというか箔というかなんというか、なんかつまりそういうことを言いたいわけです。
この施策で関連するところでの人は、概ね花倉(企画)平和なべ(イラスト)巻乃さん(歌BGM)和泉さん(ナレーション)菜月さん(ナレーション)といったところになります。
自分も含め、それぞれのフォロワーの方に対してのアピールには繋がったのではないかなというように見てはいます。が、新しい層へのリーチという観点では現状あまりお力になれなかったかなというようにも見ています。
これはシンプルにこのゲームのコンテンツ力不足も大きな原因でもあるかと思うので評価は難しいところですけどね。
「街頭ビジョンに広告出すくらいのタイトルに関わっていた」という実績として自分含め後々の伏線や積み上げに少しでもなっていたらいいなぁと思う限りです。RTARTに関わったこと、ほんわかふわふわとやり取りしてることがポジティブだなという感覚に繋がればそれはそれでヨシですね。
■他方向で営業する際の箔付けの1つ
一個前で言ってしまいましたが、このタイトルのPR施策をこれから行っていくにあたり色々な方にお声がけすることになるかと思います。その際「法人ともやり取りしている」「街頭ビジョンに広告を出すようなタイトル」という実績を作れたのは悪いものではないと思っています。
ないし、このタイトルに限らず、花倉やほんわかふわふわがある程度真面目に本気で取り組んでいること、お金のやり取りも多少はできるらしいこと、こういった印象に繋がればポジティブだな~と思います。
少なくともゲーム遊ぶよりはこういうニュースを見るほうが楽なので、活きる場面はあると思っています。多分。きっと。
というわけで自分としては目的は達したかなと思っているのですが、評価は自分がするタイプでもないので振り返りとしては難しいところですね(笑)
■営業強化月間としての位置づけで個人的に多方面にアクセルを踏むこと
「街頭ビジョンでも放映したタイトル」というのは営業かけるにあたって永続バフではありますが「今放映中」は期間限定のバフです。
というわけで、この期間を中心に多方面に営業をかけ続けようと思っていました。思い切って声掛けよう、と自分の背中を押す状況になるだとうと思っていました。
結果として、箔付け効果も測定できそうですしね。
ただ、結果的には☓寄りの△、31点くらいの感じでした。
バテてしまったんですね。夏に。暑さに。仕事に。疲れてしまった……。よりによってこのタイミングで……。
ある意味では無事放映が始まってニュースリリースも出せてというところで軽く燃え尽きた部分もあったかもしれません。
わりと最初のほうに、配信系の方、楽曲系の方、漫画系の方にそれぞれ1人ずつお声がけしました。楽曲はゲームに組み込む前提でかつすぐ話がまとまったのでその後に関してはしばらく自分からお声がけする形ではいいやと思いますし、漫画系のほうも予算的にそこまで頻繁に頼めないと思うので慎重に進めたい気持ちもあるのですが、配信はどれだけあっても(予算の都合がつけば)困らないのでもっとガンガン行きたかったところでした。結果的にはこのあとほとんどお声がけを続けられなかった(し、ここでお声がけした方とも現状繋がれていない)のでもったいなかったなと思っています。
とはいえ、普段お声がけできないような格差のある方々に思い切ってお声がけできたので、自分の背中を押す効果そのものはあったかなと思います。
猫魔しろあさんに楽曲提供していただいた話は、ゲームのバージョンアップも込みでしたがお声がけから実装、公開まで期間内にできましたしね。
これは本当、思ったよりサクサク話が進んでかつメチャクチャ満足感もあって、配信までしていただいたりファンの方にも遊んでいただけたりでやってよかったなと思っています。
アーカイブも面白いのでぜひ見てみてくださいね。
他にも動画制作系はそのあとコレきっかけで話が進み1件お願いできたり、漫画の話もすぐ何かどうこうという話はないのですがお返事はいただけたり、全敗というわけではありませんし一定の成果を上げることができたかなと思っています。
本当は期間を区切らず年中営業かけ続けることができたらいいんですが、リソース的に現実には難しいところです。
そういう意味で「ここは頑張りどころ」みたいな期間を自分で作れる効果はあったんじゃないかなと思っています。
★★★自分たちが満足すること★★★
色々意識高そうなこと言ってきましたが、究極的にはコレですよ。
ここがほぼほぼ担保されてるからこそ勢いよく進められた話ではありました。
自分たちの作ったゲームの映像が、自分たちの生活圏の大型ビジョンで定期的に流れる。
コレがどういう感情を自分たちに引き起こすか、概ねポジティブで満足できるだろうという前提で初めてはいましたが、とはいえ実際どうなるかはやってみないとわからないところでもあります。
結論、メチャクチャ良かったですよ。
結局、自分たちの成果物に対して一定愛着は持っていますし、大きな画面で流れればテンション上がるのです。
1時間に2回、30分ごとに流れるものでしたが出退勤の時間調整して足止めて見てしまうくらいにはいいものでした。
ニュースとして考えれば1週間でも効果は変わらんだろうと思うのですが、思ったよりバテた時期の中にあって栄養素補給できるポジティブな要素だったので、1ヶ月やってよかったなと思っています。むしろもっとやりたい! 年間確保したい!! みたいな気持ちになりましたね(笑)
メチャクチャ儲かったらきぬた先生とかエスエストラストみたいな方向で露出したいなみたいな夢も広がります(笑)
というわけで、ここだけで5000兆点です。やってよかった!
■終わりに
というわけで、トータルとして自分はこの施策を失敗だったとは全然思っていません。
とはいえ「やればDL数が跳ね上がる」「街中きっかけでバズってくれる」みたいなことを保障できるわけではありません。むしろ、この街頭放映そのものをキッカケに何かポジティブな効果を期待するならもっと長い期間かもっと高い頻度で放映したほうがいいと思います。ずっとやってると刷り込まれるみたいなのありますしね。
また、この「八王子駅北口ビジョン」は比較的廉価に実行できますが、それでも別にタダというわけでもありません。
興味ある方はぜひ試してみてほしい! 超いいですよ!! とは思うのですが、得られる効果や得たい体験や数字、その辺りは大なり小なり意識はしたほうが悔いはないかなと思います。
何かとの組み合わせで相乗効果を狙うみたいな使い方ができるといいなというのが現状の自分の中での結論です。
1人の体験談として、参考になればいいなーと思います。
結果的に直接自分からお声がけしたわけではないキッカケで触れてくれる方はこの期間実際増えていたような体感はありました。
この記事とか超テンション上がりましたよね。
それを最初からアテにするのは難しいところですが、動かず気づいてもらうことより、動いたことキッカケで気づいてもらえることのほうが期待できるのもそうかなとは思います。
何かしら動き続け、話題を提供し続けていけるよう、今後も頑張っていけたらいいなと思いますね!!
ビジョン、また出したい……!