【短編】キャンドルでまた会おう。
僕にはお盆休みの日だけ、彼女が来る。
遠距離の彼女はお盆休みになると必ず僕の家を訪ねて、インターホンを鳴らすのだ。
僕はそれを毎年の楽しみとしていて、窓際に昨晩作ったばかりの馬を飾って、じりじりと窓から差し込む日差しに汗を首筋に伝わせながら、安いアイスキャンディーを咥えて、蝉の声に交ざって聞こえてくるその音を待つのだ。
三本目のアイスキャンディーを咥えたところで、待っていた音が耳に入る。
踊り出しそうな足を抑えて、平然を装い、僕は当たり前のようにドアを開ける。開