大正時代のスペイン風邪ポスター
九條です。
新型コロナウイルス感染症の感染がまた拡大をしていますね。第七波と言われていますね。
私はいま、大正時代に大流行したスペイン風邪(スペイン インフルエンザ)について、1922(大正11)年に当時の内務省衛生局がまとめた当時の政府の公式記録『流行性感冒』を時間があるときにボチボチと読んでいます。
これは本文485ページに付属の詳細な統計表が12枚。内容は専門的な用語が多く医学的な詳細な分析と統計ばかり。医学的・歴史学的には第一級の資料なのですが、私は医学者(医師)でも統計学者でもないために、難儀しています。
これは医学者・歴史学者・統計学者などとの共同研究による学際的な考察が必要で、私1人では到底、手に負えないなと感じています。でもまぁ、最後まで頑張って読んでみます。^^;
下の写真は、その内務省衛生局発行の『流行性感冒』の「まえがき」の部分です。
さて、スペイン風邪(スペイン インフルエンザ)というのは、1918年〜1921年にかけて世界中で大流行(パンデミック)したインフルエンザです。当時はまだ今のようなワクチンが開発されていなかったために、世界中でたいへんな数の犠牲者がでてしまいました。
我が国でも1918年〜1921年(大正7年〜10年)に、このスペイン風邪が猛威をふるいました。芥川龍之介や志賀直哉、与謝野晶子などをはじめ何人もの文豪がこの時のスペイン風邪について書き残しています。
下の画像は、そのスペイン風邪が我が国で大流行した時に内務省衛生局が発行した啓発ポスターです。
さて、上掲の2枚目と3枚目のポスターに注目してください。2枚目のポスターの女性や3枚目の電車の乗客がつけているマスクが黒いですね。
これについては、作家で英文学者だった佐々木邦が1925(大正14)年に発表した作品『女婿』の中の「嚔」で次のように書いています。
これは、いまでいう咳エチケットとマスク着用の奨励ですね。
そしていまも烏天狗のような黒いマスクはありますよね。^_^
©2022 九條正博(Masahiro Kujoh)
記事・画像等の無断引用・無断転載を禁じます。