企業でイキイキと働く従業員を増やすために、正解がない新たな市場にベストアンサーを
エムスリーキャリアは日本の医師の約9割が登録するm3.comの豊富な会員基盤を活用し、健康経営に取り組む企業と医師を結ぶ、産業医紹介サービスを展開しています。サービスを支える裏には紹介だけにとどまらず、健康経営を通じて企業が目指す姿に近づけられるよう介在する健康経営コンサルタントの存在が。その第一線で活躍する渡嘉敷の想いに迫ります。
企業の未来を変える。従業員の健康を企業の成長へとつなげる
──まずは、“健康経営”について教えてください。
企業が「従業員等の健康管理を経営的な視点で考え、戦略的に実践すること」です。従業員が健康であることは、従業員の活力や生産性の向上、組織の活性化をもたらし、結果として会社の業績向上につながると期待されて、年々注目が集まっています。
2016年には優良な健康経営を実践している法人を顕彰する「健康経営優良法人認定制度」が創設されたのですが、毎年企業規模によって認定基準が変化しているので、認定取得のためにはその時代や企業に合った取り組みが必要です。
エムスリーキャリアもイキイキと働く従業員を増やす取り組みである健康経営に力を入れていて「健康経営優良法人2023」大規模法人部門に認定されました。
少子高齢化で働き手が不足しているので、従業員一人ひとりが健康でイキイキと働けることの重要性はますます増しています。2019年に働き方改革が施行されてからはより一層、需要が高まっているのが健康経営なんです。
そして、健康経営に取り組む上で欠かせないのが「産業医」の存在です。
産業医とは、職場において従業員の安全や健康を守るための医師のことを指します。医師と聞くと病院で働いている印象が強いかもしれませんが、実は企業で活動する医師もいます。
産業医の役割はもともと、安全な職場環境を整えることに重きがおかれていました。しかし最近はメンタルヘルスケアなどの重要度が増し、求められる役割は多岐にわたります。
また、常時50人以上の労働者を使用する事業場は産業医を選任、1,000人以上の場合は専属の産業医を選任しなければならないと法令で定められています。しかし、産業医資格保有者が少ないため、企業が自力で自社にマッチする産業医を探すことは難しく、産業医求人は表に出にくいので医師としても就業先を見つけることが困難なんです。
──エムスリーキャリアの産業医紹介サービスとは?
先ほどお伝えしたように繋がりをもちにくい企業と産業医の間に、エムスリーキャリアが入ってご縁をつなぐサポートをします。
当社は日本の医師の9割以上、全国32万人以上の医師が登録するm3.comの豊富な会員基盤を活用し、産業医として登録のある医師に対してアプローチが可能です。全国に事業所を持つ企業であればエリアごとに産業医の選任が必要ですが、全国各地に会員がいるので一括してサポートができることが当社ならではの強みですね。
また、企業の業種や規模によって求めるニーズは異なりますが、登録数が豊富だからこそ、メンタルヘルスに強みがあるとか女性特有のお悩みにアドバイスができるといった、さまざまな専門性やキャリアをもつ医師を選任できることにも強みがあります。
私たちの役割は、産業医の紹介だけではありません。
企業によって健康経営の目指す姿はそれぞれ。抱えている課題に今必要な施策はもちろん、数年後の未来を見据えた企業の目指す姿に近づけられるよう、私たちが産業医とともにベストアンサーを届けることも大切な役割です。
ありがたいことにご依頼いただく企業がどんどん増えていますが、単にサービス拡大するだけでなく、私たちの提供するサービスに満足していただかないといけません。
利用開始後も担当が2名以上つき、サポート体制を充実させていることも特徴のひとつ。問い合わせの緊急度が異なるからこそ、私たちで勝手に判断せず、どの企業のどんな問い合わせに対しても迅速に対応することはプロとしてこだわりをもっています。
健康経営がもたらす価値に気づきを。コンサルタントの使命
──健康経営コンサルタントの業務内容について教えてください。
まずは新規で問い合わせをいただいた企業の人事や労務担当者と面談して、なぜ産業医が必要なのか、今抱えている企業の課題は何かなどをヒアリング。その上で、企業の状況を踏まえたプランを提案、見積もりをします。
お申し込みいただいた後は産業医に提案したい項目を盛り込んだ求人を作成して、企業のニーズに合った産業医を探し、マッチングしていきます。
企業のニーズはただ法令順守のためだけではなくて、女性の従業員が多いとかメンタルヘルスケアが必要な従業員が多いなどさまざま。産業医の得意分野や経験を把握した上で選定するようにしています。
選任後は、企業担当であるカスタマーサクセスのメンバーが初回訪問の内容相談、同席という流れが一般的です。そして、ゆくゆくは企業だけで健康経営に取り組めることを見据えて支援します。
──どのようなところに仕事のやりがいを感じますか。
顧客のニーズに寄り添いながら、より満足してもらえる方法を自分で考えて提案できるところに面白みを感じています。提案内容は一つではないし、答えも決まっていません。私だからこそできる提案を通じて、企業の健康経営の知識やリテラシーが向上することにやりがいがありますね。
法令順守のために産業医を選任しなければいけないと当初問い合わせをいただいた企業も、私たちが支援していく中で健康経営の重要性に気づき、企業が目指す姿に向けて改善していく意識に変化したときは介在価値を感じます。
この変化は、その企業で働く従業員の方々がイキイキと働くことにつながるので、貢献度の大きさもやりがいです。
──大変さを感じることはありますか。
2018年に産業医紹介サービスを開始して以降、急成長を続けていて、まだ完全にできあがったサービスとは思っていません。顧客の声に耳を傾けながらサービス内容をどんどんよくしています。そういったサービス特性上、当社のなかでも特に変化が多いので柔軟に対応していかなければならない大変さがあります。
健康経営の取り組み自体も歴史が長いものではないので、正解が確立しないマーケットという特徴も。だからこそ自分からインプットをして、組織全体のレベルアップを図る必要がありますし、その努力が顧客に喜んでもらえるサービス提供に繋がります。やはり、自分が聞いた顧客の声を直接サービスに反映できる点に面白さを感じますね。
健康経営をより多くの人に広めたい。 “つぎを創る”前向きさが共通点
──なぜエムスリーキャリアを転職先として選んだのですか。
前職は士業のコンサルティング会社なのですが、事業の一部で小規模な産業医紹介を行っていて、その部署に配属されました。そこで実際にメンタル不調を抱える社員とのやり取りを目にする機会があり、産業医の役割の重要性に気づいたんです。
身近な人が病気で亡くなった経験も大きかったですね。健康診断で所見があっても重大さが分からず放置していたら命の危険につながることもあるので、健康で働けることは大事だし、健康経営の重要性にも気づくきっかけになりました。
でも、前職の産業医紹介は医師も5名前後の小規模で今後も縮小傾向だったので、もっと健康経営の重要性を広めて、多くの人に貢献したいと考えて転職を決意しました。
当時、エムスリーキャリアが健康経営事業をスタートして2年経ったころで、今後もさらに事業拡大させていくフェーズだったんです。そこに面白さと勢いを感じたことが大きな決め手でしたね。
──健康経営グループのメンバーはどのような雰囲気ですか。
エムスリーキャリアは今まで医療従事者と医療機関向けのサービスを展開してきた中、健康経営グループだけが唯一、一般企業向けの支援を行っています。なので、今までのノウハウだけに頼るのではなく、よいサービスをつくるために自分たちでしっかりインプットしていこうと考えられる人が多いですね。
2018年にサービスを開始した新しい組織なので、変化が多い分、自分の手でよりよいものを創り出すチャンスがたくさんあるんです。
顧客の変化にスピード感をもって対応し、まだ確立されていない健康経営の市場の中で、「組織健康のスタンダードというつぎのステージを創っていく」という使命感をもっています。
メンバーの共通点は、自分たちで「つぎを創る」前向きな気持ちですね。
まずは自分たちがイキイキと働く。その環境づくりが私の役割
──今後、健康経営グループとして目指している姿はありますか。
今あるサービスを拡大するだけではなく、産業医紹介サービスをよりよくするために変化し続けていきたいです。そのために大事なことは、企業と医師の数だけある現場の声に耳を傾けること。依頼いただける企業が増えているからこそ、企業の抱える健康経営の取り組みの課題がさまざまであることを改めて実感していて、今よりもさらに私たちの変化が求められています。
私たちが産業医とともに健康経営のベストアンサーを企業に届け、組織健康のスタンダードを創っていくことを目指しています。
──リーダーとして大切にしていることはありますか。
ちょっと背伸びが必要なことでもメンバーを信じて、思い切って挑戦してもらうようにしています。
そのために、日頃からメンバーがやってみたいこと、困っていることなどを相談してもらえるようにコミュニケーションの機会を増やしています。
意見を伝えても結局挑戦できないと思うと、積極的な発言もなくなると思うので、そういうことは一切なくしていきたいですね。
また、課題に直面したときでも常にポジティブでいられる人は少ないと思うので、メンバーのネガティブな感情も受け止めた上で「顧客のために何が最善か」を話し合うようにしています。
健康経営に取り組む企業を支援している私たちがまずはイキイキと働いていることが大切だと思っています。
──最後に、今後どんな方とお仕事したいですか。
1つ目は企業や医師、仲間を思いやることができる人。
企業は何を求めているのか、さらに喜んでもらえるにはどうしたらいいかを真剣に考えられ、一緒に働く医師や仲間のことも思いやりながら仕事に取り組める人だったら、多くの人と調和できるし、そこからよりよいサービスを生み出すことができると思います。
2つ目は主体的に行動ができる人。
言われたことをやるだけだと、仕事自体が面白くなくなってしまうと思います。私が入社して1年半でチームマネージャーを任せてもらえた時を振り返っても、率先して行動したり、やりたいことを自ら発信したりすることを大切にしていました。
最後は、よりよいサービスにできるよう、目まぐるしく環境が変わっていくので、その変化を前向きに捉えられる人と働きたいですね。
積極的に挑戦させてくれる環境はあるし、信じて任せてくれるので、成長したいという意欲があれば楽しい環境です。私はその楽しさを経験してきたので、今後はその想いのある方をサポートしたいと思っています。
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