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気まぐれなガチャガチャ

子供ってガチャガチャ好きだよね。ガチャポン?正式名称調べたらカプセルトイというらしい。


子供の目線にピッタリの高さの機械、小銭を入れる楽しさ、ハンドルを回すワクワク、何が出てくるか分からないドキドキ、よく考えられた設計だなと思う。

うちの息子ももちろん大好き。

スーパーの一角、個人商店の軒先、サービスエリアの入り口、やつは色々なところで手をこまねいている。

その都度ガチャガチャやりたーい!と叫ぶ。大体欲しいと言うのは、なんだか分からないけど色とりどりで光るもの、おっきいスーパーボール、多分スライムが入っているカップ。基本的に母親の私から見たら、いらんだろと思うラインナップが多い。

先日は夕方入った薬局の入り口で捕まった。
別の場所でやり損ねた景品を目ざとく見つけ、やりたい攻撃が始まった。

じゃんけんして勝ったらやろう
じゃあ、負けたらやらないね

息子が覚えたてのじゃんけんを使って交渉してきたのだ。たどたどしく出される手に絆され、私はその勝負を受けた。
そして三連続で負けて彼は泣いていた。負ける勝負を挑む彼の勇気を讃え、1回回す許可を出してしまった。

出てきた謎の光る青い玉。スイッチを入れると色とりどりに光出す。
緑が良かったー!と騒いでいた息子も、薄暗くなった中、光り輝く玉に夢中だ。

あおー!あかー!みどりー!と光った順番に言い合って、何が楽しいのかふたりでゲラゲラ笑った。何に使うのか分からない玉は私たち2人に楽しい時間をくれた。


私は昔あまり気軽にやりたいと言えない子どもだった。なぜかは分からない。やりたいなと横目でチラリと見る、そんな子どもだった。

だから息子からやりたい!と素直に言ってもらえると、なんだか嬉しい気持ちになる。しょうがないなあとか言って、百円玉を渡す時に昔の自分が癒されるのを感じる。
息子を通して昔の自分がガチャガチャを回したかった気持ちを昇華しているのかもしれない。


とはいえ、子どもの頃の私がいつも出てくるわけでは無い。

今度は回転寿司の出口でやつと出会った。
もちろん息子はまたしたいと訴えてくる。

母親の私が首を振っている。はい、今日はお断りしましょう。親とはなんとも身勝手なものだ。

昨日もやったから今日はなしよー
そんな私の言葉に地団駄踏みながら不満を訴え、叶わないと知ると、家に帰ったらアイス食べるもんねーー!と捨て台詞を吐いていた。


きっとこれからもやつとは長い付き合いになる。徐々にルール作った方がいいのかもな、と思いつつ、気まぐれでやるガチャガチャも嫌いじゃ無いんだよなと思う。

今光る玉は床に転がっている。

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