ジャニーズ問題と、子どもコミッショナー、子どもオンブズマンの設置。
ジャニーズ事務所の問題、4月12日に元ジュニアのカウアン・オカモトさんが外国人記者クラブで会見を開いたことで、NHKなどのメディアも少しではあるけれど報道をし始めました。(バッシングへの火消し的な感じかもしれないのだけれど)
私は10年くらい前から子どもの支援に関わり始めたのですが、過去にジャニーズが児童虐待をしてきたことを知っていたのに、この問題と現実的な子どもの権利とをつなげて考えることをしなかった自分に腹が立ちます。
1988年の北公次さんによる「光GENJIへ」騒動や、2002年の文春との名誉毀損裁判を経て、さすがに文春裁判以降はなくなっているだろうと想像していたのですが、つい最近まで虐待が続いていたことを知り、驚きました。1988年以降、2002年以降、何人の子どもがジャニー喜多川の性虐待を受けてきたのでしょうか。
さらにさらに、ジャニーズには、総務省の事務次官を務めた人の息子まで在籍しているし、この事務次官が一連の性虐待と人権侵害に対する報道を知らないわけがないし、その息子はニュースキャスターとしても活躍しているのだけれど、彼だけ特別扱いだったのでしょうか。
芸能界やショービジネスにこういったことがつきものなのは世界共通なんだと思います。でも、今回のそれで大問題なのは、虐待されているのが子どもだ、ということです。
子どもへの人権侵害は、世界ではものすごくセンシティブなトピックです。メディアだけでなく、国の権力層も知っていたはずの児童への性虐待を、国家総動員でスルーしてきたことが世界に知られてしまいました。私も知っていたけれど、スルーしてきました。
子どもへの人権侵害に対して、経済的な利益や大人の事情を優先して無視するメディア、権力層。海外では人権侵害している企業に対しては、すぐに大規模な不買運動が起こるので、そんな日本の企業とは恐ろしくてビジネスできません。ジャニーズ問題を契機に、日本への信頼を取り戻すため、日本の経済を守るために、子どもの権利擁護を宣言して、確立しなければならないと思います。
ジャニーズ問題は、日本の子どもへの人権侵害を表すシンボルみたいな事件で、低年齢アイドル、いじめ、痴漢、教育格差、子どもの貧困、パパ活、ヤングケアラー、望まない妊娠、教育虐待、それからこの間の壱岐島の里山留学での虐待疑惑など・・・社会や大人は助けてくれないという無力感が、日本中の子どもたちを覆っています。
4月から施行されたこども基本法とこども家庭庁は、そういった子どもへの人権侵害に対応が迫られています。いま必要なのは、上に示したような渦中にいる子どもたちが、秘密を守ってもらい、安心して被害を訴えらることができる子どもコミッショナー、子どもオンブズマンの存在です。
いまこそ、こどもコミッショナー、こどもオンブズマンの設置への議論を加速させて、こども家庭庁、こども基本法が力を発揮する時なんだと思います。いま動かなくていつ動くんだ。