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おさんぽ俳句「どようび」

家のちかくに田んぼがあります。
どの季節でも見あきませんが、いちばんの見どころは
夏の青田から秋の黄金田へ移り変わる頃でしょうか。
 
八月上旬
立秋の候
田んぼは、青田の季節です。
帰宅時刻の夕方、田んぼも空もまだ青く
燕が勢いよく飛び交っています。
それなのに、お盆を過ぎてしまうと
おなじ時刻でも、空は薄暮。
燕に入れ替わって、蝙蝠が飛ぶようになります。
 
昔、この辺りには
もっとたくさんの田んぼがあったとか。


かはほりは月夜の襁褓むつき嗅ぎました    篠原鳳作

こんな光景が、以前はこの町でも見られたかもしれません。
 
あちらこちらで稲の白い花が咲くのは、処暑を過ぎた頃でしょうか。
白露ともなれば、青々とした葉影より、穂が見え隠れします。
そして彼岸の今日この頃。
田んぼは水を落とし、穂ばかりでなく葉先まで黄金色に
色づき始めました。
ここまで来れば、収穫まぢかです。

田んぼの脇道をのんびり歩くのが
なんとも言えないワクワク・タイムなのですが
朝はちょっと気をつけなくてはいけません。

田んぼだったところに建てた住宅区から、猛スピードで車を出すお宅があるのです。
運転席は、まだ若いお父さん。子供をどこかに送り届けます。
急カーブで、家まで車を戻しに来る日もありました。
 
あらあら。大変です。
稲の葉は、そよそよしています。
お休みの日に、窓から田んぼを眺めたことあるのかな?
余計なことが気になります。
 
夜遅く。
本屋さんと併設のカフェで、この方がラップトップを
しきりに叩いている姿も見かけました。
目の下のあの影は、隈ですか。
隈ですね。
またもや、お節介な妄想が始まります。
おうちに居場所、ないのかしらん?
(ほんとうにお節介……)
 
稲の葉は夜風にさらさらしています。
夜はふしぎなもので、甘い匂いが強く寄せてきます。
穂の実った田んぼは、ごはんのような、いい匂いです。
 
晴れた休みの日。
あぜ道をゆくお父さんと子供がいます。
子供は前に、お父さんは後ろから見守る役です。
あ、でもあの人ではないですね。
とはいえ、まあ。
誰にだって、好きなだけ眠りたい日もあるでしょう。
 
 
  小さき背をさきに歩かせ秋茜    梨鱗
 
 
  土曜日の起きぬけのみづ稲の花


<a href="https://pixabay.com/ja/users/punch_ra-715918/?utm_source=link-attribution&amp;utm_medium=referral&amp;utm_campaign=image&amp;utm_content=889253">こうこう きちでん</a>による<a href="https://pixabay.com/ja//?utm_source=link-attribution&amp;utm_medium=referral&amp;utm_campaign=image&amp;utm_content=889253">Pixabay</a>からの画像



 
 


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