余った〇〇をお風呂に入れるだけで健康になる!?
「日本酒(清酒)は鮮度が命」という言葉を耳にしたことがある方も多いかと思います。
確かにこの言葉は完全に正確ではありませんが、開封したお酒が空気に触れることで味が変化するのは事実です。
そして、お酒の製造者としては、開封後すぐの味を楽しんでほしいと思っています。
しかし、お酒が弱いから一本も飲めない、
余ってしまうのが嫌で一人で飲むのを避けてしまう、
といった理由で、開封が億劫になってしまうことがありますよね。
今回はそんな余ったお酒ならではの活用法を一つ紹介しましょう。
酒風呂という文化
日本には古来から「湯治」と呼ばれる文化があります。
湯治とは、温泉地などで長期間滞在し、特定の疾患の温泉療養を行う行為ですが、実はその湯治の一つに「酒風呂」というものがあります。
酒風呂は、その名の通り、お風呂に清酒を入浴剤代わりに入れて楽しむ方法です。
江戸時代から人気が高まっており、気軽に行うことができる湯治の一つとして親しまれてきました。
では、酒風呂にはどんな効果が期待できるのでしょうか。
酒風呂の美容効果
「酒造りをしている杜氏の手が綺麗」という話を聞いたことがある方もいるかもしれません。
最近では、清酒成分入りの化粧品も発売されており、清酒がお肌に良いということは広く知られています。
清酒には、メラニンの生成を抑えるコウジ酸や、肌の角質層の構成要素であり保湿を維持する20種類以上の必須アミノ酸などが豊富に含まれています。
そのため、酒風呂に入ると美白や美肌効果が期待できます。
乾燥しやすいお肌をしっとりとキープするにはぴったりの入浴法です。
酒風呂の健康効果
アルコールにはアデノシンという物質が含まれています。
アデノシンは、体内のほとんどの細胞が産生するエネルギー代謝に関わる重要な物質で、心臓、骨格筋、脳、肝臓などのさまざまな臓器の血管拡張、免疫系の向上、睡眠、血小板の機能など、体内での生理的な働きに必要な役割を果たしています。
このアデノシンが他のアルコール飲料よりも清酒に多く含まれています。
つまり、酒風呂に入ると血流促進効果が期待できます。
血流が良くなると代謝もアップし、体の芯から温まるので、就寝前におすすめの入浴法です。
酒風呂のリラクゼーション効果
お風呂に清酒を入れると、温められたお酒から香りが湯気とともに浴室に広がります。
アロマオイルなどと同様、心地よい香りには脳を活性化し、自律神経を整える効果があります。
そのため、日本酒風呂のいい香りに包まれることで、リラックス効果が得られます。
日本酒風呂が血管を拡張することで筋肉の緊張がほぐれ、心地よい眠りを誘う効果もあります。
酒風呂の楽しみ方と注意点
酒風呂にはさまざまな効果がありますが、どの銘柄の清酒を使っても構いません。
ただ、贅沢に選ぶのであれば純米酒を選ぶとよいでしょう。
純米酒の原料は米、米麹、水だけなので、一切添加物は含まれていません。
また、日本酒の種類の中でも、純米酒には美肌効果のある必須アミノ酸が他よりも多く含まれている傾向があります。
もちろん、醸造アルコールの入った本醸造酒などを入れても問題ありません。
また、リラックス効果を高めるには、純米大吟醸や純米吟醸を選ぶと、フルーティーな華やかな香りを楽しめます。
入れる量は、特に決まりはありませんが、お酒だけが入った贅沢なお風呂にする必要はありません。
まずはコップ1~2杯(約200ml程度)を目安に入れましょう。
お好みで量を調整してください。
ただし、敏感肌の方やアルコールにアレルギーがある方は、酒風呂に入るのを控えた方が良いでしょう。
アレルギーの有無を確認するためには、腕の内側などの皮膚に小さな量の清酒を塗布し、肌に影響が出ないかどうか確認してください。
酒風呂は、体を温め、美容や健康、リフレッシュ効果をもたらす素晴らしい方法です。
もしも家に余っている清酒があれば、今夜は少し贅沢な酒風呂で湯治を体験してみてはいかがでしょうか?
よろしければサポートお願いします! いただいたサポートはクリエイターとしての活動費に使わせていただきます!