【驚異】映画『RRR』『バーフバリ』は「観るエナジードリンク」だ!これ程の作品にはなかなか出会えないぞ
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圧巻のインド映画!!!『RRR』『バーフバリ』(監督:S・S・ラージャマウリ)は、「全人類に勧められる」と断言できる超絶面白い物語だ!
2022年10月に日本で公開され、未だに散発的にロングラン上映が続いている『RRR』。あまりにも話題になったので、観ていなくても名前ぐらいは知っているという人も多いだろうと思います。そして、もしもまだ観ていないのであれば、絶対に観てほしいです!!! 私は、「映画であれ小説であれ何であれ、『すべての人間が面白いと感じる作品』など無い」と考えている人間ですが、『RRR』だけは例外と言っていいかもしれません。それぐらい、「誰が観てもまず間違いなく『面白い!!!』ってなる映画」だと思っています。
そして、『RRR』があまりにも面白かったので、同じ監督の過去作である『バーフバリ』も観てきました。『RRR』も3時間超えのかなり長尺の映画ですが、『バーフバリ』は前後2部作で6時間弱と、2倍近く上映時間がある作品です。どちらか1作と言われれば、やはり『RRR』を推しますが、『バーフバリ』も「観てないのはもったいない!!」と感じるくらいの超絶傑作でした。
そこで今回は、この2作品について同時に紹介する記事を書いていこうと思います。
そのあまりのスケール感、そしてそのあまりの面白さ
それぞれの内容についてはすぐ後で紹介しますが、まず先に、作品のスケール感が伝わるような情報や、ざっくりした面白ポイントなどに触れておくことにしましょう。
『RRR』は、制作費が7200万ドル(約97億円)と、インド映画史上最高額なのだそうです。もちろん、ハリウッド映画では制作費が1億ドルを超えるような映画もあるでしょう。ただ重要なのは、これが「インド映画」だということです。インドの俳優のギャラがいくらぐらいなのか知りませんが、ハリウッド俳優と同等ということはまずないはずです。少なくとも1桁(もしかしたら2桁ぐらい)は違うんじゃないかと思います。
さてそう考えると、7200万ドルの大半が、セットやエキストラに注ぎ込まれていると考えるのが妥当でしょう。実際に『RRR』を観れば、ハリウッド映画にも劣らない凄まじい規模で撮影が行われていることが伝わるし、そのスケールに圧倒されてしまうはずです。
そして、セットやエキストラの規模がとんでもないことに加えて、さらに主演2人の「フィジカル」の凄まじさが、作品のスケールを押し上げる要素だと感じました。『RRR』では、敵と闘ったり困難なミッションに挑んだりと、王道中の王道の物語が展開されるわけですが、その中で、「こんなこと、人間に可能なの?」と感じるレベルの動きやアクションが随所に描かれていくのです。
どれだけお金を掛けようとも、「俳優のフィジカル」はそう簡単に思い通りになるものではないでしょう。物語が、「主演俳優のフィジカルを全力で活かすような展開」になっていることもまた、この映画が面白さと感動を与える作品に仕上がっている理由だと感じました。
また、『RRR』も『バーフバリ』もとにかくストーリーが長く、さらに、特に『バーフバリ』の方が顕著ですが、人物やら王国やら対立関係やらが凄まじく入り乱れていて、普通なら「難しい!!!」と感じてしまうような内容だと思います。ただ、どちらの作品もストーリーテリングが抜群に上手く、「難しい」なんて感じる瞬間は微塵もないでしょう。全体のストーリーが「王道中の王道」をなぞるような形で構成されることもあり、もし万が一置いていかれそうになっても、「物語は想像通りに進む」と考えておけば問題ないはずです。
そして「王道中の王道」にも拘らず、ここまで触れてきた「凄まじいスケール感」と「圧倒的なフィジカル」のお陰で、「ありがちなストーリーを観ている」みたいな感覚には全然ならないと思います。「超分かりやすいストーリー」を中心に据えつつ、その周囲を様々な要素でぐるぐる巻きにすることで、ぶっ飛んだ物語を演出しているというわけです。
またインド映画と言えば、突然踊ったり歌ったりするシーンが思い浮かぶ人も多いでしょう。私は基本的に、「インド映画」や「ミュージカル映画」みたいに、物語の流れと関係があるようには思えないタイミングで歌ったり踊ったりする映画があまり得意ではありません。
ただ、今回紹介する2作品にも、確かに歌や踊りが出てくるのですが、私の中でそれらは「必然性がある」と感じられるものでした。「そこで歌・踊りが出てくることに意味がある」と感じられるタイミングでしか登場しないというわけです。『RRR』では、「ナートゥダンス」が大いに話題になりましたが、この登場にも「必然性」がありました。だから、私のように「ミュージカル映画やインド映画があまり得意じゃない」という人でも、きっと問題なく観られると思います。
読んでいる人にはかなりイメージが伝わるんじゃないかと思いますが、私は『RRR』『バーフバリ』を観て、高橋克彦の『火怨』という小説を連想しました。古代日本を舞台に、虐げられてきた民が権力に立ち向かうという物語で、その設定や戦闘のスケール感などがかなり似ている気がします。もし『火怨』を映像化したとしたら、『RRR』『バーフバリ』のような感じに仕上がるのかもしれません。
それでは、そんな2作品の内容を紹介していこうと思います。
『RRR』の内容紹介
物語の舞台となるのは、1920年代のインド。当時インドはイギリスの植民地支配下にあり、インド人は「褐色人種」と蔑まれ、人ではないような扱いを受けていた。
ある日のこと、総督一行がアーディラーバードに住むとある部族の元を訪れる。歓迎のために部族の面々が集まり特技などを披露したのだが、その中にいた、歌いながら絵を描くマッリという少女のことを、総督の妻がとても気に入った。彼女は夫に、「暖炉の上に飾ってもいい?」と尋ねる。英語が分からない部族の者たちは、その後妻が投げ捨てたお金を「マッリが描いた絵の代金」だろうと受け取った。しかし、一行がマッリを連れて行こうとしたことで状況を理解する。先程のお金は、マッリを買い上げるものだったのだ。
我が子を取り戻そうと、総督が乗る車の前に母親が身を投げ出す。それを受けて兵士たちが銃を向けるが、総督はそれを止めた。そのまま朗々と自説を披瀝する。君が撃とうとしている銃弾は、英国で製造され、7つの海を超えたものだ。その銃の中に収まるまでに、1ポンドの費用が掛かっている。そんなものを、褐色人種ごときに使うのはもったいないと思わないか。そう言われた兵士は、手近にあった木で母親を殴り倒した。一行はマッリを連れ、そのまま立ち去っていく。
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