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【動機の源泉編】マネジメントで“部下を深く理解する”ってどういうこと?③

以下をテーマにした3編目のnoteです。

  • マネジメントにおいて「部下を深く理解する」ことの重要性が語られているが、“いったい何をどのように理解したらいいか?”については十分に語られていない

  • マネジャーが部下を正しく理解するためには【観点・モノサシ】を持つことが有効

  • それは“スキル・スタンス・動機の源泉“の3つである

    • スキル:成果を出す上で必要な課題解決力や人との協働に必要な力

    • スタンス:責任感・主体性など課題解決や協働に向かう姿勢

    • 動機の源泉:モチベーションリソースと呼ばれたりもしますが、前向きに仕事に向かうためのエネルギー

前回はスタンスについて書きましたので、よろしければこちらもご覧ください。

では、【動機の源泉】について書いていきたいと思います。

部下のエネルギーのスイッチはどこにある?

動機の源泉は、前向きに仕事に向かうためのエネルギーになるものです。
ビジネスで置かれる状況は複雑で、成果をあげる上で追い風となる事実もあれば、障害になる事実もあります。

部下にチャレンジングな仕事をアサインする際、そのような状況を前向きに捉えられる部下もいれば、障害を意識しすぎて足がすくんでしまう部下もいます。
部下の背中をぐいっと押してあげるためには、“その部下のエネルギーのスイッチがどこにあるのか?”を掴んでおくことがとても大切です。

本人が「自分のエネルギーのスイッチはここにあるんだ!」と気づく支援をしていくことがマネジャーの役割になります。


何を把握するか?

動機の源泉はその人の特性の深い部分に根差しており、スキルやスタンスと比べると普段の行動にあらわれにくいため、理解することは難しいかもしれません。
でも、理解に近づくことはできると思っています。そのために有効な【観点・モノサシ】をひとつご紹介します。

出典:SPI3 for Employees
https://www.recruit-ms.co.jp/news/pressrelease/0000000366/

これは、リクルートが出版している“SPI3 for employess”という上司‐部下間や従業員間の人物理解を助けるツールのフレームワークですが、働く上で“その人が重視すること”や“実現したいと考えること”のキーワードが並んでいます。

リクルートは「個の尊重」を経営の理念とし、一人ひとりの可能性を最大限生かすために、能力だけでなく価値観・動機の源泉といった潜在的な特性も理解し、その人にあった生かし方をすることを大事にしている会社です。
長年培ってきた人材観・マネジメント観のエッセンスが詰まった観点・モノサシだと思います。

たとえば、「困難な課題や前例がない課題に挑むこと」がエネルギーになる“【挑戦“】タイプ、「チ-ムメンバーとの一体感や気持ちのつながり」がエネルギーになる【親和】タイプなど、動機の源泉は人によって異なりますよね。

もちろん、人の動機の源泉はこれらのリストのどれか一つだけが当てはまる訳ではありません。
たとえば、難しい課題に取り組むことが動機になるタイプ【挑戦】でも、その挑戦対象となる課題が“社会の役に立ったり、誰かの役に立つことだと燃える“というタイプ【挑戦×貢献】と、“ある特定の領域を掘り下げてプロ性を高めていけると燃える“というタイプ【挑戦×専門性】とでは異なります。
このように、その部下が重視しているであろういくつかの要素を組み合わせていくことで、理解が深まっていきます。


どう把握するか?

では、部下の動機の源泉をどう掴んでいったらいいのでしょうか?
その前に、最初にやって頂きたいことがあります。
まず、ご自分の動機の源泉を改めて理解することです。「リストからご自身が重視する要素は何ですか?」とお聞きしたら、何を選ばれるでしょうか?

部下の動機の源泉を理解しようとする際、自分と近しい傾向の人は理解しやすく、異なる傾向の人は理解しにくいことがあります。自分のタイプを知った上で、部下一人ひとりの動機の源泉に迫るとより理解が進みます。

ただ、部下の動機の源泉を知ると言っても「あなたの動機の源泉は何ですか?」と聞いてもなかなか言葉にできる人はいません。

部下のこれまでの経験の中に、動機の源泉は眠っています。
・その部下は、仕事上のどんなことに喜怒哀楽の感情を示すのか?
・選択や意思決定の際に何を大事にして決めるのか?
に注目しみてください。

たとえば、大学を選んだ基準や今の会社や仕事を選んだ基準を探ったり、
これまでの仕事の中で最もやりがいを感じた仕事やその仕事のどんなところにやりがいを感じたのか?を探ってみると、その人の動機の源泉のタネを理解することができます。
ぜひ、やってみてください!

Life is quest.

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