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ゲームで作る「ゾーンとフロー」
ゲームは「ゾーン」や「フロー状態」を作りやすい。
強度の集中によって、ゲーム以外のことが感覚から遮断されて、そのうち感情もなくなり、無心になれてしまう。
ガンダムのニュータイプのように反応速度があがり、理解度が増したような気分になる。
一度、ゾーンやフロー状態になった人は、その魅力から離れられない。
ゾーンとフローの入り方
脳を活かす勉強法
ゾーンに入ると、球が止まって見えたり、色んな事が同時に理解できたり色々する。これは、一流のプロ野球選手や天才科学者だけでなく、訓練すれば誰でも入ることができる。
「脳を活かす勉強法」では、ゾーンに入る方法が解説してある。
ゾーンと強化学習
誰でも強化学習には入れる。
「突き抜ける」状態を体験すると、それだけで気持ち良くなっちゃう優れもの。強化学習はAIを進化させた手法としても有名。
魔法でも心霊でもなく、脳内麻薬物質「ドーパミン」が出ると気持ち良くなって色んな事が考えられるようになり、繰り返すことで、今まで思いもつかなかったアイデアや発見が次々に出てきて成長曲線に入ってくる。
ゾーンに入ると、様々にインプットした「点」の情報がつながって「線」になり、「面」になり、「立体」になり、さらに「時空」になり、より高次な視点で考えることができる。
ドーパミンと強化学習
ドーパミンは嬉しいことがあると放出する脳内物質で、脳の中では、ドーパミンが出る前に行われていた行動が強化するという「強化学習」が起こる。
つまり、嬉しいご褒美(報酬)を与えられることを学習すると、報酬欲しさに、報酬が得られる行為について強化学習が起こるという生理現象。
強化学習方法
・五感を使う
・脳が欲しがる報酬系(褒められるも入る)を用意
・全力より少し高い難度の目標(タスク)を設定
・短時間
ゲームでのゾーンの応用
![](https://assets.st-note.com/img/1729670079-bOVTXfevtEJnzyLgoNRWwDl9.jpg?width=1200)
「五感(視覚、聴覚、触覚)」を使って直感的に操作させ、「報酬」と「タスク」を結び付けて「強化学習」を行い、「短時間」でループさせることで、ゾーンを体験させる。
ゾーンを最も即物的に体現できるのが、リズムゲームであり、パズル、対戦格闘、シューティング、アクションと続いていく。
リズムゲームには、ゾーンへいざなう秘密が隠されていて、古来より、歌や踊り、瞑想、戦争、スポーツ、ジョギング、演劇、アニメ、映画、カラオケ、ゲームなどへとゾーンの系譜はつながっている。
フロー体験
集中して作業をすると、時間を忘れて音などが聞こえなくなり、恍惚として、脳汁が流れて気持ち良く幸福な状態が続く。
その仕組みを脳科学的に研究した人が語る「フロー体験」
フロー状態に入るための8つの要素
1.明確な目標と即時のフィードバック
2.特定のタスクへの高度な集中
3・スキルとチャレンジのバランス
4.タスクに対して自分でコントロールしている感覚と主体性
5.反射的自意識の喪失
6.時間のゆがみや時間感覚の変化
7.行動と意識の統合
8.自己目的的な体験 (フロー状態に本質的なやりがいがある)
ゲームで作るフロー状態
この8つの項目は、全て、ゲームでも行っている。
1.明確な目標と即時のフィードバック
何かアクションした時、即時のフィードバックは現実世界では難しいが、ゲームでは、すぐにリアクションがある。リアクションは重要。
2.特定のタスクへの高度な集中
ボス戦やパズルゲームなど、特定なタスクへの高度な集中が必要に設計。
3.スキルとチャレンジのバランス
このボスに勝つには、この装備で、このテクニックを学習済みであるなど、プレイヤーの進捗に合わせ、想定難易度を設定し難度調整をする。
4.タスクに対して自分でコントロールしている感覚と主体性
簡単なタスクと難しいタスクをバランスよく緩急をつけることで、自分でコントロールしていると思わせる緩急によるゲームデザイン。
5.反射的自意識の喪失
アバターである別人になったり、ハンドルネームを使うことで、自分本来の感情や思考に影響されずに課題に集中できる。
6.時間のゆがみや時間感覚の変化
ゲームをやっていると時間を忘れてしまう楽しさ。
7.行動と意識の統合
最初の面は簡単にクリアできるようにして、行動と意識の統合を体験させ、だんだん上手くなっていくと、複雑な操作も簡単にできることを体感させることで、行動と意識が統合されていく(上達)感を演出する。
8.自己目的的な体験 (フロー状態に本質的なやりがいがある)
ゲームと入口から、ゲームが提供するフロー状態の気持ち良さに本質的なやりがいを求めさせ、フロー状態に入るための障害として敵やタスク、ガチャを設計することでゲームのエコサイクルを作って、継続率をあげたり、マネタイズしたり、熱狂的なファンを獲得できる。
ゾーンとフロー状態の違い
ここまで、ゾーンとフローについて書いてきたが、その違いについても補足しておく。基本的には同じものとして扱われることも多いが、ニュアンスを変えて使っていることも多い。以下は、その違いの記事だ。
・ゾーンは自分の能力を高めることが目的。
・フロー状態は、自己に固執せず、課題に没頭することが目的。
ゲーム的には、ゾーンはアクション性のあるゲームで、プレイヤーのテクニックの上達プロセスのために使い、フロー状態は、ゲーム快感を与えるために使っているという認識が正しいかもしれない。
まあ、この辺は使える物は全部使えばいいってことで!
僕らはそれに抵抗できない
このように脳科学を利用してゲームを作れば、短時間&高回転、高滞在時間、高継続率、高収入、高MAU、高ソーシャル縛りなど、KPIが高いエコシステムを構築できることは「太鼓の達人」「プリティリズム」「プロセカ」などのリズムゲーム、「テトリス」「ぷよぷよ」「パズドラ」「ツムツム」などのパズルゲーム、「スト2」や「鉄拳」「KOF」などの対戦格闘、「COD」「APEX」「フォートナイト」「PUBG」などのシューター、「ファイナルファイト」「モンハン」「モンスト」「ポケモンGO」などのアクションなどなど枚挙にいとまがないぐらい実証済みだ。
学問はゲームも進化させる
![](https://assets.st-note.com/img/1729729996-hKRxTGL3X7iDVzIbuf89aM0g.jpg?width=1200)
他にも、マズロー心理学や、ゲシュタルト心理学、アマゾンやアップル、グーグルなどのビジネスモデルなどなど、人間の本能に根差した心理学や哲学や経営学などなど、様々な学問を取り入れてゲームを作っている。
全て研究し、分析し、使える物は再構成して、全部使ってみるってのが、ゲーム作りの醍醐味であり、一生かけても全部実現できないほどの膨大な冒険なのだ。
大事なのは自分なりの解釈
とにかく、全てを自分なりに、「理解」し、「分解」し、「再構築」し、「実践」し、「検証」し、また、「新しい物を取り入れて再構築」する無限ループが待っている。
その無限ループの中で、フロー状態に入り、映像思考で高速に思考し、妄想を企画書やプレゼンシート、このようなメモに残している。
他の人に説明するという意識でメモに残すことで、自分の中のものが整理され、見返すことで、全てがアップデートされていく。
無限に続く成長曲線に入ると、自己の利益は希薄になり、全てのノウハウを書いてしまうのをやめられない。フロー状態ってのはヤバいね。
そうしろと囁くのよ。私のゴーストが。。。なんてね。