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「クリスマス熱傷」に注意!乾燥ツリーが引き起こす火災リスク

今回は、クリスマスということで、少し思考を変えて変わり種の記事にしました🎄

クリスマスは心温まるイベントですが、その楽しさが危険に変わる可能性もあります.

スイスで行われた41年間の研究*では、クリスマスツリーやアドベントリースの火災による「クリスマス熱傷」が重症化しやすいことが報告されています😯!

*参考文献📖 Rohrer-Mirtschink S, et al. Major burn injuries associated with Christmas celebrations: a 41-year experience from Switzerland. Ann Burns Fire Disasters. 2015 Mar 31;28(1):71-5.

この記事では、クリスマス熱傷の実態と予防策を詳しく解説します.


1. 「クリスマス熱傷」とは?


クリスマス熱傷」は、クリスマスツリーやアドベントリースに火がついた結果、熱傷を負う事故を指します.

スイスの研究では、41年間で28人の重度熱傷患者が報告され、うち4人(14%)が死亡しました.以下が主な特徴です.

・性別分布:61%が男性、39%が女性
・年齢層:51~75歳が最も多く、全体の53.6%を占める
・重症度:死亡者の熱傷面積(TBSA)は平均45.2%、生存者は18.9%
・発生原因:89%がクリスマスツリー、11%がアドベントリース

2. クリスマス熱傷の発生時期


驚くべきことに、60.7%の事故が1月4日以降に発生しています.

これは、クリスマスツリーが時間とともに乾燥し、非常に燃えやすくなるためです.

乾燥したツリーに火がつくと爆発的に引火し、数秒で部屋全体に火が広がる可能性があります.

★典型的な事例
燃えているツリーを屋外に運び出そうとした際、手と顔面に重度の熱傷を負ったケースが報告されています.乾燥したツリーは燃焼が早いため、消火や移動の際に重大な事故が起きやすいのです.

3. 「クリスマス熱傷」の予防策


1. 乾燥を防ぐ
生木のツリーを使用する場合、定期的に水を与えて乾燥を防ぎましょう.部屋の湿度を保つため、加湿器の使用を検討してください.

2. 火を使う際の注意
ツリーやアドベントリースの近くでろうそくを灯す際は、十分な間隔を取る.可能であれば、LEDライトや電池式ろうそくを使用する.

3. 消火器具を用意
ツリーの近くに小型の消火器や防炎スプレーを準備しておく.火災警報器を設置し、定期的に動作確認を行う.

4. 使用後のツリーの処分
使用済みのツリーは早めに撤去し、乾燥しきる前に安全に処分する.

4. 家庭内火災のリスクを再確認


★冬季は火災リスクが高まる
寒い季節には暖房器具の使用やろうそくの点灯が増えるため、火災リスクが高くなります.乾燥した環境は火災の燃え広がりを加速させる要因にもなります.

★火災対策を見直すポイント
 ・家族で避難計画を立てる
 ・ろうそくや暖房器具の周りを片付ける
 ・火の取り扱いを子どもにも教える

まとめ


クリスマス熱傷」は、乾燥したツリーやアドベントリースが原因で発生し、通常の火災よりも重症化しやすい特徴があります.

乾燥対策や安全なライトの使用、小型消火器の準備など、日常的な注意が火災防止につながります.

大切な季節を安全に楽しむために、今一度ご家庭の防火対策を見直してみてはいかがでしょうか😆

あとがき


クリスマスツリーは心を温める存在ですが、その陰に潜むリスクも無視できません🎄✨️

安全対策をしっかりと行い、素敵なクリスマスをお過ごしください🎅

この記事が、火災防止の一助となれば幸いです!

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No.28@呼吸器内科医
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