こびとの靴屋さん、庭仕事もやる?
人があまり覗かないような下段にあった。
見つけてすぐに購入した。
ZARA HOMEの小さな植栽セット。
おままごとのセットのようだけれども、ちゃんとしている。
切れ味のよい握り鋏に、種を植えるためのスティック。
我が家の小さな鉢植えにちょうどいい。
道具のサイズについては絵を描く時にも思うところがあり、その場にふさわしい大きさのものを使ったほうが効率が良い気がしている。
鉛筆を握るような感じで、ちょっと土を均したり、固くなった土の部分を柔らかくしたり。
ネームプレートも付いている。
こんな風に巻いてしまえる。
以前、スワロフスキーのビーズで娘のバレエのティアラを作っていた頃、やはりこの形状のアクセサリー用ペンチセット入れを愛用していた。
道具というのは使うほど愛おしくなるというのは本当で、いつどこで、どんな風にシミをつけてしまったかを思い出すだけで、その時の風景が広がる。
切り取った写真のような道具から、その時のエピソードが映像になって現れる。
絵に使う筆は美大生の時に使っていたものを変わらず使っている。
洗ってもとれない絵の具の跡や、もはや毛がパラパラだけれど絵の具を浸すときっちり仕事をする面相筆や刷毛も。
新しくしようと思わない。
気にいるとずっと使っている。
どうやら、これも仲間入りだ。
昔読んだ、こびとの靴屋さんも、小さい道具で靴を作っていたのだろう。
そんなことを思い出させる風情だ。
でも、気のいいこびとさんたちの本当の身長を知らないことに気がついた。
このスコップでは、肩に担ぐことになるのかな。
針で丁寧に靴を縫う仕事を朝までに終え、おじいさんとおばあさんがびっくりする前にいなくなる妖精。
「いい子にしますから、この宿題を朝までに・・・。」
夏休みが終了する日の夜、こんなことを呟いて、机に突っ伏して寝てしまっていた私のところには、もちろん現れなかった。
以前書いた、庭仕事の話。
集中して土いじりをすることは、瞑想に近い。
この本には、ヘッセの描いたイーリス(あやめ)が載っている。
アンデルセム少年の。
今は、紫、白、紅っぽい紫陽花が綺麗である。
雨の雫が似合うな、と紫陽花の花を近くで覗きながら、向こうから来ているバスに間に合うように小走りになる。
週末まではお預けなので、こびとの靴屋さんに貸してあげます。