トルコ蜜飴とハルヴァ
『作家の手料理』という出たばかりの本を見つけた。
私の好きな森茉莉のエッセイから始まっていて、危うく書店で読み始めてしまいそうだった。
上記の書籍の中に、先日、ちびくろサンボについて引用した、米原万里の
『旅行者の朝食』からのお話がある。
「トルコ蜜飴の版図」である。
著者は、トルコ蜜飴という菓子の名前を、ケストナーの『点子ちゃんとアントン』という小説で知る。
なんて美味しそうな名前。
一度は食べたい、と想像する。
そして、天に思いが通じ、その機会を得る。
ヌガーをもう少しサクサクさせて、ナッツ類の割合を多くした感じ。
ところが、ロシア人のイーラが
「これならハルヴァの方が百倍美味しいわ」
という。
そして、イーラがモスクワから持ち帰ってくれたハルヴァを食べてからの物語。
米原万里のハルヴァを再現する、こんな映像を見つけた。
https://www.nhk.or.jp/kamado/recipe/108.html
実は、私もこれに似たヌガーを中東のお土産にいただいて、食べたことがある。
白いヌガーで、ナッツなどが入っており、切って食べる。
世界を旅している人からで、どこのものだったか?
いくつかの国のお土産を一度にいただいた中の一つで、とても美味しかった。
写真を撮っておかなかったのが残念である。
米原万里の話は、スペインのポルボロンやインドのハルーアに及ぶ。
そして、しばらくして一冊の本を手に入れる。
伝説的な歴史学者、言語学者、外交史研究家にして料理研究家V・V・ポフリョーブキンの『料理芸術大辞典・レシピ付き』。
そして、あらん限りの辞書辞典に載っていなかった、載っていてもわずかな説明しかなかったハルヴァについて、なんと一頁も割いて詳述してあった。
そして、その全文が続いている。
もし、ご興味があれば、色々な地域のハルヴァというお菓子についての知識が得られる。
日本で手に入るのは、どこのものに近いのだろう。
食べ比べてみるのも、面白いかもしれない。