しあわせなサンドイッチの作り方
ねぼうした朝、休日のブランチ・・・
この本の中のサンドイッチが、いつか想い出したときに
「しあわせの味」になりますように。
帯の裏には、そう書いてある。
サンドイッチは、確かにしあわせな食べ物であるような気がする。
よく覚えているのは、母が作ってくれたロールサンドだ。
キャンディ包みにして、ギンガムのリボンが両端に結ばれていた。
サンドイッチパンにクリームとフルーツ、または、ジャム。
チーズとハムや、スモークサーモンとクリームチーズは色違いのギンガムのリボン。
スライスしたオレンジが彩りで入っていた。
たしか、お菓子の入っていた白い箱を使い捨てにするようにと使っていて、
金の箔押しで何やら書かれた蓋を開けると、ムトー君という男の子が覗きに来て、「うまそう!」と叫んだので、みんなに見られたのを覚えている。
そんな想い出が一緒だ。
バウルーの時もあった。
ベーコンエッグの少しじゅるっとした感じと、少し焦げた香りがよかった。
レタスのはみ出たクロワッサンや、ロールパンのサンドイッチも懐かしい。
母は、私と違ってまめな人だった。
大人になってから、忘れた頃にバウルーが再び脚光を浴びていて、バウルー使いの人を「バウラー」と呼ぶのだと知って驚いた。
確かに、キャンプの時などにバウルーは手軽でいいかも知れない。
長く仕舞い込まれていて焦げ跡のある、年季の入った母のバウルーを出してきて、やっぱりいいな、と思ったものだった。
この本には、オープンサンドも載っていて、ブリアサヴァランとドライいちじくの組み合わせや、ココナッツオイル入りのミルクフランス、ローストビーフのピクニックサンド・・・と美味しそうなものがたくさん載っている。
こんな風に、なんとも可愛らしい本である。
バナナはキャラメリゼしてからサンドするのがおすすめです。
外はカリッと中はとろっと甘みが凝縮して、たまらない美味しさに。
クリームの甘味はすこし控えて、シナモンで香りを出しましょう。
この一文だけで、お腹が空いてしまう。
カスタマイズバターのレシピも役に立ちそうだ。
ローストパプリカ&チーズなんて、美味しそう。
海のそばに住んでいたときは、朝の空気の匂いで海に行くことを決めていた。
海に行くときは、あるものを適当に挟んで出かけていたな、と思い出す。
サンドイッチの出来よりも、潮風に吹かれて頬張ることが大事。
潮の香りがして、それも調味料だ。
誰かと一緒なら、フランスパンに何か挟めばサンドイッチ用のワックスペーパーにぴったり入るので、気に入ったマスキングテープで止めていく。
それと、お昼なら温かい紅茶をポットに持っていく。
今は、こんなものも出ているみたいだ。
『折るサンド』
サンドイッチの命は、可愛いことだと思っている。
並べたら可愛いかもしれない。
そして、『想い出はパンにはさむ。』という本の帯の文字に頷く。
なんでもない日を特別にする毎日のサンドイッチレシピ。
なるほど!
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