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サイダンシテクダサイ【note詩】

本作は、4年前に発表した“詩のようなもの”を、詩人・文月悠光先生に講評いただいた内容を踏まえ、書き換えたものです。

世の中むけの仮面を被り如才なく笑う
自分への嫌悪感
はいつだって
心にこびりついている

シュレッダーの中に溜まった紙くずを
まだ大丈夫なふりして
ぎゅうぎゅう圧しつける
そうやって無理やり作った隙間へ
新たなコピー用紙を投入すれば
紙くずは積もり積もっていく

心の隙間に
不安と不満と不快とを全部つめこんで
これから先も余裕な顔をし続けたら
心はいつ
紙くずで窒息するのだろう

「サイダンシテクダサイ 」
の文字が書かれたテープを額に貼り付けて
今日も次から次へと舞い込む義務を
しかと両肩に背負ってから
淡々と処理していく

 淡々と
 タンタンと...... ?

どうです、ひとつ壊れてみては
楽になりますよ
……あれ
もしかして、真面目にやってさえいれば報われるなんてまだ信じてたりしますか(笑)

本当は「モウイッパイデス 」に貼り替えなくてはならないのだろう
誰かの声が誰かの声でしかなくなっているから
それでもレールを外れてしまうことは
窒息するよりも恐ろしい気がする

にじんだ汗が傷口にしみる指
小刻みに震えるのを感じながら
額に手をあててみた

このテープ、一度はがしたらどうなるかな

マダマダヤレマスドンドンサイダンシテクダサイ

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のぎなつ
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