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やさしい勇者へ【note詩】

立派、真面目、頭も良くて成果を出せる
そんな、世間的に"すごい人"から
生き方を否定された人は
「こんな立派な人が言うのだから、たしかに自分は無価値だ」
と考える

だんだんすべての出来事に対して
自分に落ち度があると思えて
余計に惨めで傷つくだろう

でも、たとえ世間的な偉人でも
不必要に他人を傷つける言動が多い人は
いちいち誰かを否定することで
自分の価値を認識している

どれだけ一流の学歴や職歴、偉業を持つ人も
誰かを貶める資格は持たない

どれだけ強く立派に、自分の力だけで生きてきた人にも
自分とは違う誰かに同じ苦労を強いる権利はない

そこを理解できる頭があるはずなのに
行動に移せないまま自分の基準だけが正常だと信じ込み
誰かをけなすことをやめられない人は
自分の人間としての価値にカビがはえている
と気づいていない

傷つけられた側としては
言われたことを真に受ける気なんてさらさらなくていい
相手だって謝る気がさらさらないのだから

相手を威圧できるくらい無神経でありながら
社会的に立派な行いを成し遂げる能力を持つ人は
本来、自分より力のない誰かのために行動するのが役割

なのに
疲れ切ってもう動けない相手に
「お前は使えない」
「社会に不要だ」
「一族の恥だ」
などなど罵声を浴びせるなら
己の義務を認識できていない証

わざわざ教えてあげる義理もないので
言わせるだけ言わせといて
あさましい暴言が聞こえない場所まで隠れよう

あの人が傷つけたのは
一人や二人だけじゃないから
その言動は思い出す価値がない

隠れ家であたたかいお茶でも飲んで
傷ついた心と体を癒そう

また立ち上がるのは
自分の力の限界を見極めて
できる範囲でやろう
と心底思えたときでいい

そのときは
誰かに「役立たず」なんて言ったりしない
こころやさしい勇者として
傷ついている誰かに
届く範囲でいいから
手を差し伸べてくれたらうれしいよ

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のぎなつ
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