あみぐるみ作家が「森をつくる」クラウドファンディングに挑戦!
こちらの記事は、11月11日からスタートしたクラウドファンディング「オランの森プロジェクト」の内容です。下記がクラファンサイトです。
はじめに
オランウータンが絶滅危惧種だということを知っていますか?
オランウータンとは、インドネシアのスマトラ島と、インドネシアとマレーシアにまたがるボルネオ(カリマンタン)島の、豊かな熱帯雨林にだけ生息している大型類人猿です。
ボルネオオランウータンは2016年、スマトラオランウータンは2010年に IUCN(国際自然保護連合)のレッドリストの絶滅危惧種(CR:近絶滅種)に指定されました。
私は、あみぐるみ作家です。
毛糸を立体的に編んだ造形物を制作しており、「絶滅危惧種を編む人」と名乗っています。
オランを編みはじめた2015年。
モデルにする動物をとことん調べる私は、ボルネオオランウータンが生命存続の危機に陥っていること、その理由が我々人間の行いによるものだと知りました。その時「この作品は完成させて終わりではなく、その先の活動を一緒にしたい!」と思い立ったのです。
現在、制作活動の傍らライフワークとして、著書「HOPE~編み物でちょっと地球にいいことを~」(以下、HOPE)や、オリジナルグッズの売上げの一部をオランウータンと森のために寄付をしたり、オラン自身がインスタグラムやツイッターで野生動物や自然環境について日々発信したり、時にはお出掛けして啓発活動をしています(「オランプロジェクト」と銘打っています)。
「パーム油」と「オランウータン」
日頃、私たちが何気なく口にしているスナック菓子やインスタント麺、また化粧品や洗剤のほとんどに含まれている「パーム油」。その原料である「アブラヤシ」のプランテーション(大規模な農園)開発のため、オランウータンなど貴重な野生動物が生息する森を破壊し続けています。
今回のプロジェクトで植林してくださる団体があるタンジュン・ハラパン村では、近年村の中で複数の野生オランウータンが見られるようになっています。孤独を好むオランウータンが好んで人里に出没することは考えにくく、周辺で森が減少していることに伴い、食料や住処を探して村内に残る森に住み着くようになったのではないか、と考えられます。彼らの生息域がどれだけ狭まっているかが、ひしひしと感じられます。
みんなの願いと想いがつまった本「HOPE」
「オランウータンが絶滅危惧種だということを知ってほしい!」、そして「編み物の可能性を伝えたい!」。さらには「売上げの一部をオランウータンと森のために寄付したい!」。そんな願いで自費出版した「HOPE」。
私の思いに、撮影地ニューヨークのカメラマンやアーティスト、寄稿者、翻訳者(世界中に届けるため二ヶ国語表記)、デザイナー、携わってくださった全ての方が賛同、快く協力くださり二年がかりで出版に至りました。
その皆さんの思いも込められたこの本は、私個人のネットショップのみという販売方法。それでも1冊2冊と追加で購入くださる方、SNSで広めてくださる応援者様に恵まれ、ついに最初の寄付額5万円を達成することができました。(一冊につき500円を寄付)
ウータンさんとの出会い、そして…
では、どこへ寄付するか?時間をかけて検討を重ねた結果、オランウータンやボルネオ島のために活動されている市民団体「ウータン・森と生活を考える会」様(以下、ウータンさん)へ託すことに。
そのお話をさせて頂いた際、ボルネオ島に「オランの森」をつくれませんか?とお尋ねしました。それは、オランプロジェクトをはじめた頃からの夢。「HOPE」で応援くださった皆さん同様、ウータンさんもまた私の思いに賛同くださり協力して頂けることになりました。
しかし、5万円では足りない。
1ヘクタールの土地に1,000本を植え、2年間のメンテナンスをするとなると、20万円と少し掛かるとのこと。
「HOPE」をつくる際にもクラウドファンディングはすすめられたのですが、HOPEは自力で成し遂げたい!という意志があり、迷わず自費出版の道を選びました。今回悩みましたが先立つものも乏しく、「オランの森」は皆さまのお力をお借りするべく初挑戦することを決意いたしました。
クラウドファンディングに挑戦する理由
今回クラウドファンディングに挑戦する理由は3つあります。
1. オランの故郷ボルネオ島に「オランの森」をつくりたい!
植林した苗木はいつか森へと成長し、そこへオランウータンが戻り、個体数が増える。そしてレッドリストから外れる日が来る。そう願い、「HOPE」の寄付額では足りないところを、どうか助けては頂けませんでしょうか?皆さんと一緒に叶え、育てる「オランの森」。ご支援くださった方と一緒に、オランを連れて現地を訪れることが、私の新たな夢です!
2. 「編み物」の素晴らしさと可能性を知ってほしい!
ひと昔前の「手編みのセーターはダサい」という概念が、このコロナ禍で「手づくり」「手しごと」の良さが見直され、「編み物」をはじめる方も増えました。しかし、SNSでは「編み物をする人」のことを「絶滅危惧種」と言う人もいるくらい、まだまだなのが現状です。この機会に「あみぐるみ」で社会活動をしている人間がいるということを知って頂くと共に、「編み物の可能性」を外の世界に伝え、業界の活性化も目指したいです!
3. 知ることで「じぶんごと」となってほしい!
オランウータンの現状やパーム油のこと、しいてはそれが我々人間の暮らしにも影響を及ぼす可能性があること、そしてオランウータンを守る行動は、巡り巡って私たちの暮らしを守ることに繋がるということ、お一人でも多くの人に広めたいです!
この想いにご賛同、お力添え賜れましたら幸いです。何卒よろしくお願い申し上げます。
「支援の使い道」と「リターン」、そして「植林地」のこと
支援の使い道は?
●植林1ヘクタール 20万円
1,000本の在来樹種を1ヘクタールの土地に植え、2年間メンテナンス(生育確認と下草刈り)
苗木代 約80円×1,000本=約8万円
人件費 約2万円(約10人)
交通費等 約4万円
植林後のモニタリング費(2年間) 約9万円
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合計 約23万円
●光恵作品コースの発送費(レターパックプラス)
※別途HOPEの売上げから5万円の寄付金を合わせて、25万円をウータンさんに託します
※2万円余った場合、ウータンさんに活動費として使って頂きます
※燃料費高騰などの場合、25万円すべて植林費用に充てます
植林地はどこ?
「オランの森」は、ジュルンブンというところにつくります。インドネシア中央カリマンタン州(ボルネオ島)に位置するタンジュン・プティン国立公園と、川を隔てて隣接するタンジュン・ハラパン村の一部になります。ここは国立公園のバッファーゾーン(緩衝地帯)でもあります。
もともと村の人たちが農地や森林資源採取の場所として利用していましたが、企業によるアブラヤシ大規模農園(プランテーション)造成のため泥炭湿地林を含む森林が皆伐されてしまいました。残された森を守るために、Friends of the National Parks Foundation(FNPF)というローカルNGOが2008年頃から土地を購入し始め、森を壊さずにできるアグロフォレストリー(森林農法)や有機農業の実験場として運営してきました。
ウータンの植林への想い
ウータンの植林活動で植えている在来種の苗木は地域の森から採取し、村の苗床で大きく育ててから植えています。成長の早さや商業的価値に重きを置いて植林の樹種を選ぶプロジェクトもありますが、ウータンでは当初より、元来の生態系の再生と地域での知識の継承を大事にした在来種の植林を行っています。また、「森づくりは人づくり」をコンセプトに、地元の若者たちの育成を後押しするかたちで活動を進めてきました。
リターンについて
※リターンの詳細は、クラファンサイトで確認してくださいね!
ひとつのコースに色んなリターンが盛りだくさんの「オランの森プロジェクト」。ちょっと分かりづらいので、それぞれの「お届け予定月」と「誰から」「どうやって送られるのか」を説明しますね。リターン欄には、コース名になっているものの「お届け予定月」を記載しています。
※オランからの御礼メッセージ →2022年12月(光恵/メールで)
※1 支援者限定のLINEオープンチャットへご招待 →支援後(光恵/LINEで)
※2 植林証明書 →2023年3月(ウータン/データをメールで)
※3 1年後のオランの森の写真をお届け →2024年3月(ウータン/データをメールで)
※4 オランの森のミニツアー動画をお届け →2023年4月(ウータン/メールで)
※5 光恵作品集(電子書籍)にお名前掲載 →2023年3月出版予定(光恵/本のお届けはありません)
※6 オランの森の看板にお名前入れ →2023年3月(ウータン/写真をメールで)
※7 光恵作品「うーた」お届け →2022年12月(光恵/レターパックプラスで)
※8 オランの環境教室 →2023年5月(光恵/実施可能期間 2023年5月1日~2023年10月31日まで)
さいごに
森林破壊が続いたことでオランウータンの個体数は、この100年間でおよそ80%減少したとみられ(WWFより)、そして50年後には生存率は5%以下になると報告されています(カーディフ大学(英)より)
では、オランウータンなど野生動物たちだけが危機にさらされていると思いますか?
森林破壊だけでなく、火災等がもたらす気候変動(地球温暖化)への影響、開発に伴う人権侵害、アブラヤシ農園での劣悪な労働環境や児童労働など、パーム油の生産に関わる問題は人間にとっても深刻なものばかりです。
今回の挑戦「1ヘクタール」で終わりではなく、「第二のオランの森」「第三のオランの森」と増やし続けたい、人間が奪ってしまった森をオランウータンをはじめ、ボルネオの動物たちに返していきたいと思っています。
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【光恵 / プロフィール】 https://linktr.ee/Lumiena
あみぐるみ作家/編み造形師
岡山県在住。幼少の頃より母と祖母の親子三世代で編み物に親しむ。2006年よりあみぐるみの制作を始める。「線」である毛糸を「編む」という技法により「立体化」する難しさと面白さにのめり込む。あみぐるみが日本発祥の文化、「AMIGURUMI」は世界共通語と知って以来、国内はもちろん海外に向けても活動中。夢は「旅する編み人」。
■編み造形師「光恵」のあらまし
■私が編み物で絶滅危惧種を編む理由
【オラン / プロフィール】 https://linktr.ee/OrangFujita
毛糸から生まれたアースキーパー
2016年3月20日生まれ。身長82㎝、体重2.5㎏。ママと「編み物でちょっと地球にいいことを」をテーマに活動中。岡山県の観光サポーター「晴れシェルジュ」でもある。
■一緒に歳を重ねる作品
■あみぐるみのオランがオランウータンのためにオープンしたお店
【光恵&オランのこれまでの活動】
■オランプロジェクト
■著書「HOPE ~編み物でちょっと地球にいいことを。~」
●紙の本
●電子書籍(Kindle)
【寄付先】市民団体「ウータン・森と生活を考える会」(大阪市北区中崎西) https://hutangroup.org/
「森を守りたい」と願う熱い心をもった人々が集まった市民団体。オランウータンなど 数多くの希少な生きものが棲み、先住民にとっても生きる糧を与えてくれるボルネオ島の自然豊かな熱帯林を、国内外のNGOや現地の村人と共に、減少を食い止め回復し保全する活動や森林減少の要因となっている商品の消費者である私たちの日本での生活を考える活動を、30年以上市民の力ですすめてきた。
【植林の協力団体】Tanjung Lestari https://hutangroup.org/reforestation
国立公園に隣接するタンジュン・ハラパン村で、2017年から村の青年たちが自主的に活動を始め、ウータンとの協働により在来種を中心とした植林や苗床づくりのほか、エコツアーの企画・運営に取り組んできた。2020年にTanjung Lestariとして組織を立ち上げ、植林や環境教育の活動を続けている。
For Good ☞ https://rescuex.jp/project/29979
ぜひサポートをお願いします。私の制作活動や、オランと共に活動している「オランプロジェクト」の活動資金に活用させて頂きます。「Protect Our forest」さあ!あなたもオランと一緒に森を守り育てませんか?