便秘のことをちゃんと知ろう! 総合便秘対策のススメ。
厚生労働省の調査によると 人口1,000人あたりの便秘有訴者数は37.8人。
これは、日本人の476万人は 自分は便秘と自覚していることになる値です。 有訴者数は加齢とともに増加し 60歳以上になると男女ともに急増します(*)。
*厚生労働省平成25年国民生活基礎調査
実は便秘には明確で統一された定義はありません。
日本内科学会や日本消化器病学会、 国際消化器病学会などが それぞれに定義や提唱をしています。 細部の違いや詳細度の差はありますが、どの学会も大まかにまとめると、 排便の回数が不規則で 排便時や排便後に不快な症状があることと、なります。
<不快な症状とは>
・便の量
・便の形態
・下腹部の膨満感の有無
・オナラの量
・残便感
・排便時の肛門の 痛みや出血の有無
・排便回数など
※ 2000年に米国消化器学会のコンセンサス会議で作成された便秘の診断基準 参照
正常な便とは?
基本は以下の通りですが 食事内容や体質で左右されます。
便秘の種類
便秘の種類は、2つに大分されます。1つ目は、「機能性便秘」と言われるもので、特にその多くが、大腸が糞便を押し出す運動(ぜん動運動)が十分でないこと、2つ目が「器質性便秘」と言われるもので、主に病気が原因と考えられています。
もし、後述する「便秘改善策」を1ヶ月程度続けても、変化が見られない場合は、医療機関にご相談されることをお勧めいたします。
① 機能性便秘
ライフスタイルによる 腸の機能低下が原因。 便がつくられる過程や 排便時の仕組みに 問題があるため起こる。
② 器質性便秘
腸の病変や腸周辺の疾患による機能低下が原因。 腸の炎症や腫瘍、閉塞など腸の先天的な異常により起こる。
便秘が引き起こす様々な病気や症状
便秘は単に苦しいというだけでなく、様々な病気や体調不振と繋がっています。放っておくとより大きな病気につながる可能性がありますので、早めの対処が必要です。
睡眠の質の低下
肌荒れ
脳卒中
体臭・口臭
アレルギー症状
免疫力の低下
食欲不振
痔 など
糞便を押し出す大腸の運動(ぜん動運動)に必要なもの
大腸がぜん動運動をするために必要なエネルギー源の約6~7割は、腸内フローラ(腸内細菌の群れ)が産み出す「短鎖脂肪酸」と言われています。短鎖脂肪酸は、この他、免疫活性や内臓機能の回復などクスリのような役割を果たしており、人間にとって非常に重要なものです。
腸内フローラの最も重要な働きは、この短鎖脂肪酸を産み出すこととも言われています。
この短鎖脂肪酸は、腸内フローラが、「ルミナコイド」と言われる難消化性(消化されにくい)食物成分を食べることで初めて産み出されます。
便秘の改善方法
便秘の原因は人により様々で、複数の要因が組み合わさっていると考えられます。一般的に、日本人の便秘の主な原因は、「ルミナコイドの摂取量の減少」に加え、「脂肪の摂過ぎ」「水分不足」「運動不足」「生活リズム(自律神経)の乱れ」「過度なストレス」「睡眠不足」です。
そのため、便秘が長期間続いている方は、総合的に取り組まれる必要があると考えられます。
研究論文やクリニック等で説明されている概要を以下にご紹介いたします。ご参考にしてください。
1.大腸のぜん動運動のエネルギー源(短鎖脂肪酸)となる様々なルミナコイドを多く摂取する(25~38g/日)
便秘だけでなく、腹部膨満感などの一因も腸内で短鎖脂肪酸の産生が少ないことが考えられます。
ルルミルクは大腸全域で短鎖脂肪酸を産み出すよう、分子サイズや特性の異なるルミナコイドを配合しています。
もし、お客様がこれに該当する場合は、以下を意識された食事を推奨いたします。
●水溶性食物繊維をやや多めに摂取する。
皮付きの果物(ベリー類やブドウ、りんご)、海藻類、こんにゃく、オリゴ糖、難消化性デキストリンなどを意識して摂る。但し、過剰摂取は下痢の原因になりますので注意が必要です。
●不溶性食物繊維の摂取をやや減らす。
穀類(大麦、玄米など)、ごぼう、にんじん、ほうれん草などは不溶性食物繊維比率が高いので、様子を見ながら減らします。
●複数種類のルミナコイドを摂取する。
腸内フローラは多種多様な菌で構成されているのでルミナコイドも複数種類摂取して菌のバランスを保つ必要があります。
2.大腸内のバランスを整える様々な発酵食品を摂取する
例えば乳酸菌は数百もの種類がありますが、ヨーグルトなどの動物性発酵食品よりも、納豆やキムチなどの植物性発酵食品の方が多くの種類が存在しています。腸内フローラは100兆個以上の微生物の群れであり、これらが複雑に絡み合ってバランスを保っています。故に、重要なことは、多様な食材、多様な発酵食品を摂取することが、腸内環境のバランスを整えることに最も近道と考えられています。ヨーグルトだけでなく、様々な発酵食品を食べましょう。
3.毎日水を1.5L前後は飲用する
お茶やコーヒーは、利尿作用のあるカフェインを含んでいるため、折角摂取した水分の体外排出を促してしまいます。激しい運動時や夏場などを除き、水は毎日1.5Lを目安に、適宜補給しましょう。適切な体内水分が確保できていないと、排便に必要な水分が確保出来なくなるばかりか、血流が悪くなり、栄養・酸素が全身に届かず、老廃物の排出が促されません。(夏場や運動が多い日は脱水状態になりやすいので、その場合は水の摂取量をもっと増やしましょう)
4.冷たい飲食を避ける、腹部を冷やさない
内臓は冷やされると、その機能が低下してしまいます。血行不良にもつながり、排便にも悪い影響があると考えられます。
5.砂糖など使用した甘い飲食機会を減らす
腸内にブドウ糖などが大量に流入することで、胃腸の働きが低下する(糖反射)と言われています。アイスクリームや甘いチョコレート、ケーキ・菓子、ジュースなどの飲食機会が多い方は、摂取量と頻度に気をつけましょう。
6.空腹時のオリーブオイル4ml/日
長期間の便秘の場合は、空腹時に、オリーブオイルを1日当たり4ml程度摂取することで、排便がスムーズになる場合があります。オリーブオイルのオレイン酸は、小腸で吸収されず、大腸を刺激、便を柔らかく、滑りを円滑にすると考えられています。但し、オリーブオイルも飽和脂肪酸を多く含むため、過剰摂取は禁物です。特に、食事の際は、脂肪分の多いものは、腸内pHバランスを悪化(アルカリ性よりにする)させるため、気をつけましょう。
7.豚牛比率を下げ、魚や豆類、海藻類、キノコ類、野菜、果物などの比率を上げる
豆類、海藻類、キノコ類、野菜、果物などの摂取量を上げることはルミナコイド摂取量を上げるとともに、がんの発生リスクを下げることも分かっています。(国立がん研究センター社会と健康研究センター)
特に青魚に含まれるオメガ3系脂肪酸は、腸内の炎症を抑え、免疫に欠かせないビタミンDやカルシウムなどを含む、日本人の長寿の要因の一つとも考えられています。豚牛肉は、飽和脂肪酸を含むため、摂取頻度を下げると良いとされています。
8.規則正しい食事時間・生活習慣
仕事や家事・育児などで、食事や起床・就寝を規則正しく出来ないことも多いでしょう。現実は中々難しくても、理想としては、少なくとも起床時間を一定に保ち、朝起きたら、ハミカギ後に白湯でお腹を温め、水分を与えてください。特に各臓器には、体内時計遺伝子があり、私たちの24時間とは異なる、24.5時間前後の時間で動いています。太陽の光と食事、水分補給により、体内時計のズレがリセットされ、腸を含む臓器が目覚め、機能を始めると考えられています。
9.適度な運動、ストレッチ、腹部マッサージ
長期間の便秘は、排便に関わる筋肉も機能していないと考えられます。座る時間が長い方は、1時間に1回は立って、歩くなどする、股関節のストレッチなどをしましょう。また、運動やヨガ、マッサージなどで外部から刺激を与え、血行不良を改善し、本来の働きを目覚めさせるようにしましょう。
10.自律神経を整え、睡眠の質を高める
現代はストレス社会とも言われるように、私たちは様々な精神的ストレスを抱えています。腸内環境を悪化せる1番目の要因は抗生剤、そして2番目が精神的ストレスと言われています。ストレス過多により、自律神経が乱れ、腸機能の低下、さらには、過敏症腸症候群にもつながります。
普段からできることは、ストレス過多な時は、深呼吸で精神を落ち着かせましょう。また、就寝1〜2時間前に36~40℃程度のお湯に20分程度入浴する、首元を温めるなどで、自律神経を整え、睡眠の質を高めます。
また、ゴルフ、テニス、サイクリングなど好きなスポーツや趣味に打ち込んでみるのも一案です。血流を高め、普段使っていない筋肉を目覚めさせ代謝率を上げるとともに、ストレスの発散や気分転換も役立ち、質の良い睡眠へ導いてくれるでしょう。
まとめ
便秘の種類や原因は様々あり、そのため必要な対策も数多くあります。
全ての対応は難しいかも知れませんが、ルルミルクの飲用と合わせてできるところから始めてみてください。
より効果を実感しやすくなるはずです。
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