「夏さん まだ行かないで!」―詩―個人企画#やっぱり夏がスキ応募作品
里山の向こうに 夕陽が
落ちていく
ひぐらしの 切なげに
歌いあげる鳴き声は
オレンジ色の里山に 響き
聞くものの心に さみしさを届ける
大空で 力強く 踏ん張り
我が物顔だった 入道雲は
少し 縮こまって 流れてる
雨の 如雨露を運ぶ
黒雲も 身をかがめて
上目遣いで 入道雲をみる
悠然と 飛んでいたオニヤンマは
一匹 一匹と姿を消し
アキアカネが 羽根を光らせて
川面を 色取り始めた
つばめは 新しい燕尾服を
着込んで 南への 旅立ちプランを
欄干に止まり 家族会議する
神社の 夏まつりは
祭囃子も 終わってしまい
境内は 子供たちの 元気に
遊ぶ声だけが 響く
広場の 踊り舞台は ひっそりと
次の季節の 踊り手を待つ
8月半ばを 迎えれば
長く思えた 夏休みも
指折り数えられるほどしか
残っていない
子どもたちは 夏を何とか
引き留めようと 夕暮れまで
精一杯 野山を 走りまわり
夏の つややかな髪を
追いかける
星空が 語りかける夜は
あちこちで 花火遊び
一瞬の輝きに興じる
子どもの 高い歓声は
夜空を飛ぶ 蝙蝠を 驚かす
夏の笑顔は 星空まで
花火の煙と一緒に
昇っていき
夜空に 新しい夏星が輝きだす
(2023年記事のリライトです)
よづきさんの個人企画 #やっぱり夏がスキに応募させて
いただきました。よづきさん 二度目の応募です。
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