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「硝子のむこう」―詩―

硝子窓の 向こうは
まだ クリスマスの香りが
名残惜し気に 歩いてる
色とりどりの ショッピングバッグは
花束のように 通りを彩り 
流れていく

息で曇る ガラスの向こうは
雪の ワルツの世界
風と 手を取り合って
雪の精は 空から 立降りてくる
見慣れた街は
見知らぬ 異国の街へと
塗り替えられる

フロントガラスが
寒さで 曇ってる
指で あの人の
イニシャルを 記すと
いつまでも 消えずに 浮かびあがる
車のシートにすわり
イニシャルの 描き出す二人の時間を
こころの 思い出アルバムに 湧き上がらせる

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立山 剣
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