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「落ち葉の寝床」―詩―

落ち葉に 包まれて
セミの 抜け殻が
こっそりと 眠っている

セミたちが 恋を競った夏は
地平線の すじ雲の向こうへ
帰っていった

秋は 朝焼け空を
アケビ色に 塗りながら
目覚める

電線に 止まる
ムクドリたちは
朝日の金色の
キャンバスの上で
黒いシルエットとして
登場する

独り散歩の 老人は
朝日に向かって
トツトツと 歩いて行く
やせてこけた 頬は
遠い昔の 光を映す

新しい いちにち 誕生の
静寂な ドラマの舞台に
老人のつく 杖の音だけが
ただ 無心に 響き渡り
川底にいる 鯉を驚かす

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立山 剣
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