「レモンの香りの秋」詩―シロクマ文芸部「レモンから」
レモンから 爽やかで 心地よい
フレッシュな 香りが 宙に広がる
昼ごはん前の キッチンは
快適な香りに 満ちている
ボクと 子犬のルルは
この匂いに誘われて
母さんの すぐ後ろに
影法師のように
くつついて 待っている
「まだよ もう少しだから
座って 待っててよ」
ルルはペロリと舌なめずり
ボクは 鼻をこする
母さんが 新しく黄色に輝くレモンを
切るたびに 甘く マイルドな
かおりが 立ちこめる
「さあ お待ちどうさま
はい これはルルの分よ」
パンの切れ端が ルルの食器に
入れられる
母さんの シンプルな レモンサンドは
どこの 喫茶店でも 出してない味
食パンに たっぷりと 爪色の蜂蜜をぬり
輪切りレモンが 置かれてる
蜂蜜のあまさと レモンの酸味の
調和した味は ぼやけた舌と
頭を 碧空のように 晴れやかにしてくれる味だ
まるで ジグソーパズルのピースのように
ぴったりと はまり込んだ 味だ
「おいしい~~ 母さん お替り欲しい」
「ハイハイ 沢山 食べてね」
「ウン いくらでも食べれそう」
ボクは 鼻に汗をかきながら 食べる
母さんは 穏やかな笑みと一緒に
レモンオープンサンドを食べてる
ルルは 瞬殺で
パンの切れ端を 平らげ
ブドウの形の目で ボクがたべるのを
物欲し気に 見上げてる
庭では 日差しがやわらぎ
オハグロトンボが 頼りなげに飛び
秋が フンワリと舞い降りて
レモンの匂いの家を 覗いてる
小牧幸助様のシロクマ文芸部お題「レモンから」
の企画に参加させていただきました。小牧様
どうぞよろしくお願い致します。
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