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映画『ぼくのお日さま』ジャパンプレミア レポ

2024年8月19日(月)に行われた奥山大史監督の『ぼくのお日さま』ジャパンプレミア

 プレス撮影等があった昼の部ではなく、夜の部にご招待いただきましたので、
奥山監督、越山敬達、中西希亜良、池松壮亮、若葉竜也が登壇した舞台挨拶の皆さんの様子をレポします。
(メモを取ったり録音をしたりしたわけでは、私の記憶の掘り起こしなので、細かい表現が違っていたらごめんなさい)

若き監督、奥山大史は本作が商業映画デビュー作

 登壇されたとき、とても若くてお肌がツヤツヤな方だな、と思ったのですが(笑)、なんとまだ28歳、、、!
初の長編映画『僕はイエス様が嫌い』でサンセバスチャン国際映画祭の最優秀新人監督に選ばれ、他にも数々の賞を受賞し、本作が2作目であり商業映画一作目というから驚きました。

 楽曲とスケートをモチーフにした理由

 『ぼくのお日さま』は、アイスダンスに取り組む若い男女と、元フィギュアスケーターのコーチを描いているのですが、
監督自身もスケート経験があり、日本でスケートを描く映画がほとんどないことを寂しく思っていて、自身で是非スケートを題材にした作品を撮りたかったとのこと。

練習の様子や上達していく様子が細やかに描かれていたり、スケートリンクで習い事をする子供たちの様子がリアルだったりと、経験者だからこその演出が印象的でした。

 また、コロナ禍で色んな音楽を聴いていた時に出会ったのがハンバート ハンバートの『ぼくのお日さま』という楽曲だったそう。
歌詞を聴いているうちに物語が浮かんできて、作っていくうちに主題歌にこの曲を使わないわけにはいけないと思い、オファーをしたそうです。

佐藤良成さん(ハンバート ハンバート)は劇中歌も担当していて、世界観が映像とぴったりなので、そこにも是非ご注目を。

音へのこだわりを熱弁

 本作でこだわったことの一つが「音」と語った奥山監督。
スケート靴が氷を削る音や、会話の音量のバランスにとてもこだわって作ったとのことです。

実際、登場人物の動きが音とリンクしていたり、環境音だけで場面や心情を表現していたり、
どのスピーカーから音を出すか、細かく調整して作られていたように感じました。
是非劇場で、映画の中に入り込んだような感覚を味わってほしいです。

初々しかった越山敬達、中西希亜良

 いい意味で子どもらしく、言葉の紡ぎ方が若者だ、、、!と思った越山敬達くんと、こちらがドキドキしてしまいそうなくらい場慣れしていない中西希亜良ちゃん。

2人がエピソードを話す中で監督ともフランクに話していたり、沢山思い出し笑いをしていたのを見て、良い現場だったのだろうなと思いました。

 オーディション+撮影裏話

事務所を通じてオーディションを受けたが、まったく手ごたえがなく、落ちたと思っていたと語る敬達くんと、
スケートの先生に勧められてオーディションを受け、上手くできずにオーディション後涙したと語る希亜良ちゃん。
奥山監督曰く、どちらもイメージするタクヤとさくらのキャラクターにぴったりだったそうです。

2人とも印象的なシーンは湖のスケートシーンで、敬達くんは整備されていない氷の上でのスケートに慣れず、膝を強打してしまったそう。
痛すぎて大泣きしてしまったそうですが、それを忘れてしまうほどそのシーンの撮影は楽しかったとのことでした。

希亜良ちゃんもまつ毛が凍るほど寒くて驚いたという湖のシーンですが、池松さんと監督と4人で滑っているのがとても楽しかったそうです。

2人の成長に驚き

撮影当時は希亜良ちゃんの方が背が高かったそうですが、舞台挨拶時点ではヒールを履いた希亜良ちゃんよりも背が高くなっていた敬達くん。

舞台挨拶後の上映で、映画の中のタクヤは本当に舞台挨拶に立っていたのと同じ子なのか?と思うほどあどけなく、希亜良ちゃんよりずっと幼く見えました。
舞台挨拶の時は表情も大人びていて、撮影時から時間が経っているとは言え、こんなに雰囲気や体格が変わるのかと、子どもの成長に驚かされました。

圧倒的お兄さん感の池松壮亮

舞台挨拶の場に慣れていない2人に話を振り、話を引き出し、引き立てていた池松壮亮さん。

2人のことを名前で呼び、映画の中の2人を宝石のように輝いていたと褒め、笑い合う様子はまさに優しいお兄さん。
たまに言葉に詰まる希亜良ちゃんを優しく見守るにこやかな顔が印象的でした。
ライトグレーのスーツで、ダブルのジャケットがとてもお似合い、、、!

北海道ロケの際も3人(+たまに監督も)でお寿司やジンギスカンを食べに行ったと言っていましたし、敬達くん希亜良ちゃんが池松さんに話しかける様子もほほえましく、良い関係を築けていたのだろうと思いました。

奥山監督が、ただ居るだけで雰囲気のある方、物語になる方、と語っていたのですが、
落ち着いた声の中にもあたたかさがあり、いつの間にか目線を向けてしまっている、不思議なオーラの方でした。

塩対応ではなかった若葉竜也

まず、若葉さんの顔の小ささと白さ、オールブラックのスーツの格好良さに目を奪われました。

完全にドラマ『アンメット』の三瓶先生のイメージでしたが、ずっと柔らかい雰囲気で、甘めの優しい声で、多くは語らないながら存在感が抜群でした。

最初他の俳優さんたちと距離を感じるな、と思った若葉さんですが、
話を聞くと敬達くんと希亜良ちゃんとはこの日が初対面だったそう。
池松さんから「若葉くんは怖い人」と噓をつかれた敬達くんと希亜良ちゃんに怖がられてしまったそうです。笑
(「そんなことないでしょ!!」と否定しつつ、「足ひっかけたりするからね、、、」とノリツッコミする若葉さん、可愛かった、、、)

池松さんとは『愛にイナズマ』でも共演されていて関係が築かれているようで、マイクを持っていない間も2人で楽しそうにお話しされていて眼福でした。

北海道ロケは2~3日だったものの、予備日の関係で10日ほどの滞在だったらしく、暇な時間は一人でラーメン屋さん巡りをしていたそう。
見事に帰京したら3kg太っていたことを嘆いていました。
(映画の若葉さんも今より顔がぷくっとされているような?笑)

何度も観てほしい、自信がある、と言い切れる凄さ

最後のこれから映画を観る人たちに向けたメッセージで、
敬達くんと希亜良ちゃんは「公開したらまた観に来てほしい」と呼びかけ、
池松さんは「自信がある作品」と言いきっており、
若葉さんは「素晴らしい作品に関われた」と喜びの言葉を口にしていました。

舞台挨拶で、ここまで監督や共演者を褒め、自信がある、と俳優さんが言い切る作品は珍しいと思います。
それだけ演じていて満足感のある作品だったのだと、みなさんの話しぶりから想像ができ、幸せな時間に立ち会えました。

『ぼくのお日さま』は9月13日公開

メイン上映館のテアトル新宿には、衣装の展示や、池松さん演じる荒川の選手時代の雑誌等が展示されています。
劇場へ下りていく階段にも映画のワンシーンに著名人の感想が添えられた展示があったりと、上映前後も楽しめる仕掛けが沢山。
音響もodessaというシステムで細かい音が聴こえて満足だったので、気になる方は是非体験してみてください。


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