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映画『正体』藤井監督登壇試写会レポ

2024年10月7日(月)に開催された映画『正体』の藤井監督登壇試写会に参加してきました!短い時間ながら印象的なお話が沢山聞けたのでレポします。

※録音、メモ等しておらず、私の記憶によるものです。お話しされていたニュアンスに誤りはないと思いますが、表現等に相違があった場合は申し訳ありません。

藤井監督×横浜流星、念願の企画が実現

なんとこの映画の企画が始まったのは4年前。やりたいことを実現できる素晴らしい原作に出逢えたと感じたので染井為人先生の「正体」を映画化。
製作期間が長かったのもあり、それだけ想いも強い作品になりました、とにこやかに語っていました。

撮影時期やロケ地にも監督のこだわりが見える

撮影は夏と冬、2シーズンに分けて行われたとのこと。
主人公・鏑木(横浜流星)が逃亡している過程、期間の長さをきちんと描きたかったそうで、本当は四季を描きたかったのだが、それは無理と言われた、とのことでした。笑

「長い時間をかけられるというのは良いことしかない」と話されていて、
夏の撮影で実際に俳優さんたちがその役を演じるのを見られることで、キャラクターが見えてきて、冬の撮影の脚本が大きく変わったり、シーンが削られたりすることも多かったそうです。

映画の撮影は冷房をつけられないので(音が入ってしまう関係)、かなり過酷な撮影になったと思う、とのこと。
冬の撮影は富山・長野で多く行われましたが、1シーンの撮影のために長距離移動をしたりと、ロケーションにもこだわったそうです。

出演者たちの魅力

山田孝之には直談判

監督は昔から山田さんのファンだそうで、今回の出演も直談判したとのこと。『デイアンドナイト』で制作側でのタッグはあったものの、演者×監督としては初タッグとなりました。

同作と同じ監督・藤井道人×脚本・小寺和久、そして主演に横浜流星がいるのであれば、断る理由はないよね。
と山田孝之は脚本の最終版が出来上がる前に出演を快諾したそうです。

あまり緊張しない性質の藤井監督ですが、山田孝之と清原果耶には緊張するそう。
実際、刑事・又貫を演じた山田さんは、主人公と敵対する間柄ながらどこか視聴者が共感を覚えてしまう人間臭さが魅力的で、映画にとって重要なスパイスになっていると感じました。

吉岡里帆の男気に脱帽

女性らしく、可愛らしいイメージのある吉岡里帆さんですが、本作では陰と陽が絶妙なバランスで、芯の通った女性を強く美しく演じていました。
監督も、「男女の垣根をこえる作品への取り組み方で、何でもやります!というガッツを見せてくれた」と語っていました。

森本慎太郎はラッキーパンチ

監督の期待を大きく上回ったのがSixTONESの森本慎太郎。
「彼はまさにラッキーパンチで、良い拾いものをした」と語っていました。
森本さん自身も自分の演技に驚いていたのでは、とのことで、
どう演じればいいのかもがき苦しむ日々も見てきたが、素晴らしい演技を見せてくれた、と絶賛。
実際に森本さんはシリアスな題材の映画の中での人間味とか、人のあたたかさ、みたいなものを与えるキャラクターとして、存在感を放っていたように感じます。
関わった男が逃亡犯だったとわかった時の彼の演技がとても印象的で、彼の怯えがあったからこそ、あの緊迫したシーンは生まれたのだと思います。

そして最高のバディ、横浜流星

企画段階から関わっている横浜流星は、「一緒に遊んでいたい」と表現するほどの関係性の様子。
他のキャストを褒めても、横浜流星のことはあまり口に出さなかったのは、「出演してもらった俳優」、としてではなく、「映画をともに企画し作り上げた同志」という感覚が強かったからなのでは、と感じました。

各地で逃亡を続ける主人公鏑木に、悪い印象を抱けなかったのは、名前や外見、喋り方を変えても「鏑木」としての核が見えていたからだと思います。
それはきっと、画面の中で横浜流星が「鏑木」という人物像をしっかり演じきったからだと思います。

映画は11月29日公開

最後に「もうこの映画は皆さんのものです」と、自由に解釈してほしいと語った藤井監督。思い入れの強い作品をやっと世に出せるからか、終始とても穏やかな顔をしていらっしゃいました。

実際試写も拝見しましたが、死刑囚の逃亡劇というサスペンスながら、ただドキドキハラハラするだけではなく、世の中を嘆いたり、問題提起をしたくなったり、
でも、最後には希望を持てるような、周りの人を大切にしたくなるような、そんな作品です。

なにより5度目のタッグとなる藤井道人監督×横浜流星、本当に外れがない、、、!
横浜流星を始めとするキャストの熱演を、ぜひ大画面で観てほしいです。
私も公開されたらもう一度、劇場に行こうと思います。


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