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外資コンサルタントという職業について語る
前書き
どうも、Ludenです。
今回は仕事に関するお話です。コンサル業界に興味がある方はゆっくりしていってください。
仕事関連のトピックは書こうかずっと迷っていたのですが、プロフィールに職業を書いていたのを思い出し、やっぱり書くことにしました。
本記事では外資系コンサルタントという職種について、筆者の経験に基づいて紹介します。
筆者は日系IT企業から外資系コンサルに転職しており、日々の業務を通じて、思うことは多々あります。
一本の記事では語り尽くせないため、シリーズ化するかは悩みどころ。
初回のテーマとして、「職位ごとの特徴」について書こうかと。
職位は役職、職階、肩書きと同義です。
以下、自分向けの備忘録をもとに加筆したものです。1割ぐらい不真面目な表現が含まれています。分かりにくい表現や口語等、ご容赦ください。
はじめに
外資系コンサル、略して外コン。
外資系コンサルと聞くと、華やかで仕事ができ、高収入である、といったイメージがあるのではないだろうか。この職種(あるいは業界)自体がある種のステータスのように取り扱われることがあるが、普通のサラリーマンと何ら変わらないのが正直な感想である。
実際、このステータスに惹かれ、毎年多くの新卒が入社を希望し、学歴フィルターを突破して入社してくる。(そして一定数が過酷な現実に絶望落胆し、入社3年以内に退職している)
外資系コンサルとは
外資とは、一般的には資本が日本以外に存在していることを指している。例えば、マクドナルドは資本が米国にあるので、外資企業である。
筆者の認識では、外資系コンサルは資本が海外にあるかどうか問わず世界各国に支社を置くコンサルティングファームのことを指している。
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コンサルティングファームは総合系、戦略系、シンクタンク系など多種多様だが、実際に何をやっているのか想像がつかないのではないだろうか。
グローバルの専門知識とローカルの深い知見を組み合わせ、クライアント企業のサステナブルかつインクルーシブな成長の実現を支援します。
日本語でおk(古いネットスラング)
筆者の場合、身内に聞かれては毎回返答に困っている。
「クライアントの経営を経験豊富な専門チームでサポートするのが使命」なのだが、実際にそれができるコンサルファーム(あるいはコンサルタント)はほんの一握りだと思われる。
最近のファーム(総合系は特に)は一昔前と異なり、”大衆化”している節がある。実際、クライアントのニーズとして、目先のやりたがらないことを代行してもらうことの方が多いため、コンサルファームも時代と共に変化しているようだ。
魔法のような言葉と共に数百スライドあるパワーポイント資料ではもはや食っていけない。競合他社の動向を見ても、売上向上のため契約優先で動いており、クライアントビジネスのアウトソーシングの請負、もしくは管理代行が多いのではないだろうか。
その実態を一言で表すなら「高級万(よろず)屋」だ。
契約が取れるなら仕事内容は選ばない。
コンサルタントの特徴
近年のコンサル業界では中途採用を積極的に行なっている。
所謂「総合系」ファームでは、様々な業界の人材が入り混じっており、まさに職種のサラダボウル状態となっている。
弊社におけるコンサルタントの特徴として、以下のような傾向がある。
社交的である
体育会系出身である
バイタリティが凄まじい
何らかの自己研磨を行なっている
プライベートが充実している
一言で言い表すなら、陽キャが多い、ということである。
暇があれば遊びに出かけ、仲間と飲みに行くような人たちだ。この傾向はとりわけ新卒入社の社員に多く見られる。(入社後は新人研修がしばらく続くため、仲間意識が強くなる模様)
単に、陽キャの存在が目立つからこのような傾向になっていると言えなくはない。
当然だが、陰キャ(こっち側)も一定数存在する。
コンサルタントの職位と特徴
本題。
特定を避けるため、弊社における正しい職位名は明記しない。
外資系コンサルティングファームの職位は、複数の段階に分かれており、一般的な日本企業の呼称とは異なる。それぞれの職位には期待された役割が定められており、それを満たさない限りは昇進が困難。まさに完全実力主義の世界である。話を聞く限り、昇進の基準が年々厳しくなっているのは、どこも同じらしい。
ファームによって役職名や階層は若干異なるが、大枠は大体同じである。
なお、文章中の難解なカタカナ用語は本記事の最後に用語集としてまとめて解説している。
1. アナリスト(Analyst)
新卒入社、第二新卒(または業界経験の浅い社会人歴3〜4年目の経験者採用も)が多く就くエントリーレベルの職位。アナリスト(分析者)と名がついているが、売上データの分析をしたり、パレート図や散布図などを作って傾向を見たりする仕事がメインとは限らない。
役割: 主にデータの収集・分析、ドキュメントの作成など、プロジェクトのサポート業務を担当。自ら考えて行動し、指示された業務を問題なくこなすことが求められる。
業務例:議事録の作成、会議の調整、指示された資料のドラフト作成、その他雑務 場合によって、飲み会の店探しなど業務外の雑務もこなさなければならない。
スキル: 社会人としての基礎的な行動力、問題解決能力、基本的なエクセルやパワーポイントのスキルは最低限必要。あと、一人で抱え込まず、恐れずに周りを巻き込む姿勢が重要。
人物像:20代前半の若手社員が8割を占める。筆者が接してきた新卒においては、典型的なZ世代の特徴を持つ。理想が高く、外資コンサルという職種に誇りを持っている人が多い印象を受ける。
2. アソシエイト / コンサルタント(Associate / Consultant)
アナリストで求められる業務遂行力とプロモーションのクライテリアを満たしたら昇進する職位。弊社では社会人歴5~7年前後の中途採用組も多く存在する。日本企業においては主任というポジション。
役割: 自立してタスクを遂行するのみでなく、プロジェクト全体を見据えて行動する必要がある。チーム内にアナリストがいる場合は業務指示を行い、クライアントとのやり取りも増え、報告書やプレゼンテーション作成など、リーダーを補佐する役割も担う。
業務例:スケジュールのドラフト作成、チームのタスク管理、資料作成、資料のレビューなど。下にアナリストが付く場合は業務指示を行う。
スキル:基礎的なリーダシップ力、論理的思考、ビジネスモデルの理解、進捗管理能力、コミュニケーション能力が重視される。
人物像:弊社の場合、20代半ば〜20代後半が多い。指示を与えなくてもタスクを見つけて自力でこなすことができる。また、アナリストの頃にあったフレッシュさはあまり感じられない。炎上プロジェクトに配属されて生き残った人は雰囲気で分かる。一定数がここで脱落するか、別の会社に転職する。
3. シニアコンサルタント(Senior Consultant)
ファームによってはアソシエイトあるいはコンサルタントと同義である。
コンサルタントの中でさらに専門性や実務経験を積んだポジション、管理職の一歩手前。筆者の現在ポジション。
弊社においては、プロモーションのクライテリアにチームメンバーへの業務指示の経験が含まれているため、上がれるかどうかはプロジェクト次第である。日本企業だと係長が該当。
役割:プロジェクトの大部分を任されることが多く、アナリストやコンサルタントの教育・指導も担当。クライアントに対して直接的な助言を行うことが増え、部分的にはプロジェクトの管理(管理職の補佐)を担うことも多い。
業務例:プロジェクトによって多岐に渡る。基本的には自分のタスク+チームメンバーのタスク管理。成果物のレビューやメンバーのメンターも。プロジェクトの進捗管理、リスクの検知及びエスカレーション、問題発生時のワークアラウンドの策定。
スキル:対クライアント交渉能力、戦略的な人脈作り、チームマネジメント能力、高度な問題解決能力、継続的な自己改善、プレゼンテーションスキルなど。
人物像:20代後半〜30代前半、中途採用組だと30代前半~40代前半が多い。マネージャーに上がるのが至難のため、中堅社員から元管理職のベテラン社員まで様々である。後述するマネージャー以上の職位のハードさから、あえてこのポジションに残り続ける人も多い。
4. マネージャー(Manager)
管理職。裁量労働制で、残業代は付かないが基本給はぐんと上がる。管理職について、たまに「仕事をしない窓際族」という悪評を聞いたりするが、外資コンサルにおける管理職は真逆、常に業務負荷が高く、プライベートはほとんどないに等しい。ただし、良プロジェクトを担当している場合はその限りではない。子育てをしている場合は多少の融通は効くが、独身の場合はお察し。日本企業でいう課長が該当。
役割: プロジェクト全体をリードし、コストスケジュールの管理、プロジェクト内においてはチーム横断で指示を与える。クライアントのキーパーソンとの関係構築が求められ、理不尽な要求が来ても、基本的にはイエスマンの姿勢を貫き通すことを求められる。プロジェクトの成果に責任を持ち、プロジェクトの進行状況や方向性を決定する。
業務例:プロジェクト課題管理、プロジェクト計画立案、コストスケジュールの作成、クライアントへのソリューション提案、プロジェクトメンバーの業務采配、人事評価、各種報告書の作成、プロジェクトインタビュー、採用面接、社内の管理系の雑務など
スキル:QCD管理、ステークホルダーマネジメント、戦略的思考力、批判的思考力、リーダーシップなど、PMBOKで定められている能力は一通り求められる。
人物像:30代前半〜40代が多い。ごく稀に20代後半の社員もいる。筆者が関わってきた人においては、業務内容以外であまり雑談をしたことがないため、はっきりとしたキャラクター性が見出せない。常に忙しそうにしており、定時で上がっている人は稀である。
5. シニアマネージャー(Senior Manager)
マネージャーを生き抜いた人、かつ過酷なクライテリアを満たしたら上がる職位…のはずだが、やってる事はマネージャーとそんなに変わらない印象。業務負荷はマネージャーと変わらず高い傾向にある。働き方は融通が効き、自社オフィスや客先にいないことが多い。プロジェクト責任者という立ち位置であることが多く、問題があった際は真っ先にクライアントから呼び出しを喰らう。 日本企業でいう部長に相当する。
役割:より大規模で複雑なプロジェクトを担当し、複数のプロジェクトの同時管理を行う。クライアントとの信頼関係をさらに深め、ビジネス機会の開拓や顧客満足度の向上に貢献する。予算管理においては大きな責任を持ち、プロジェクト状況に応じた人事決定権を持つ。次のポジションであるディレクターやパートナーになるための準備段階としての役割も兼ねる。
業務例:クライアント経営層へのプロジェクト説明、プロジェクトポートフォリオ管理、新規ビジネスの開発・提案、プロジェクト契約、プロジェクト計画立案、リスク管理、リソース配分、社内ワークショップの企画、採用面接など
スキル: マネージャーの必要スキル以上のものは最低限。強力なリーダーシップ、ビジネス開発能力、チームビルディングスキルなど。
人物像: ミレニアル世代、30代後半〜40代が多く、女性は少ない。炎上プロジェクトにおいては人の心を失っているためか、厳しめな態度を取る印象を受ける。また、業務上では厳しいが、それ以外では温厚であることが多い。飲み会の席においては優しい。40代以上となると、世代が若干違うため、話題や文化が通じなくなることがある。
6. ディレクター / マネジメントディレクター/プリンシパル(Director / Management Director/ Principal)
役員職。ファームによってばらつきがある。マネジメントディレクターの場合はMDと略す。管理職以外の職位では普段接する機会は少なく、「何をやってるか分からない偉い人」というイメージのポジション。管轄プロジェクトが炎上したときに召喚される。
役割:組織の幹部的なポジションで、営業職に近い性質を持つ。プロジェクトの獲得、デリバリーの品質向上、顧客関係の維持・発展、戦略的なビジネスの指針を示すなど、経営層としての役割を果たす。事業や業界の動向を踏まえたアドバイスを提供し、クライアントの経営層と直接協力する。
業務例:直接的な関わりが薄いため、詳細は不明。提案系のプロジェクトにおいては前線に立って指示し、提案資料の骨子を作成する。複数のプロジェクトにおいて、ナレッジ提供したり、必要な人材に繋げたりしている。また、常に何かしら会議をしている。新卒、中途採用の最終面接においても登場したりする。
スキル:業界特化の知見、人脈作り、高度な経営的思考能力など。(業務上の関わりが薄いため、想像の域)
人物像:年齢は不詳の人が多く、女性はほとんどいない。見た目が
ヤ○ザ強面でも中身が優しかったり、その逆も然り。また、このポジションを新卒から登り詰めた人はバイタリティがバグっている場合がある。例えば、深夜まで働いた後に六本木のバーで飲み明かして、翌朝通常通り仕事をする人たちが一定数存在する。
7. パートナー(Partner)
日本企業でいう取締役が近い。最高職位で、各国支社の経営に関与する。なぜパートナーという名称かというと、共同経営者になることが多いためだと思われる。おそらく、コンサルファームの営業利益が彼らの報酬に直結する。具体的な仕事内容については機密性が高く、管理職ではない筆者では知り得ない情報が多い。また、コンサルファームによっては6番目と区別しないところもある。
以下はあくまでも一般論としての役割情報である。(ChatGPTに聞いた)
パートナー(Partner)の役割:
経営戦略の立案: ファームの成長と持続可能な発展を目指し、中長期的な戦略を策定。たとえば、デジタルトランスフォーメーション(DX)の推進計画や業界別の事業拡大戦略を立案し、各プロジェクトが戦略に沿った価値を提供できるよう全体の方向性を指示します。
新規ビジネスの開拓: 業界カンファレンスに登壇し、ファームの知見を活用して講演するなど、幅広いネットワーキング活動を通じて新規顧客を獲得。たとえば、製造業向けに次世代エネルギー戦略を提案し、クライアントに対する認知とブランド力の向上を目指します。
プロジェクトの最終責任者: プロジェクト全体の進捗と成果を管理。複数のクライアントプロジェクトをモニタリングし、最適なリソース配置と収益性の確保に努め、ファームの人的資源の効率的活用を実現。
リレーションシップ構築: 経営層との強固な関係を維持し、次年度のビジネス機会に繋がるよう、クライアントと継続的なコミュニケーションを図ります。たとえば、定期的な戦略レビュー会議を通じて、クライアントの新たな課題に対する提案機会を創出。
ファーム内のナレッジシェア: グローバルファーム内の成功事例や市場トレンドを社内に共有し、次のビジネス戦略に活かします。たとえば、シリコンバレーでのイノベーション事例をベースに、国内ファーム内で知識共有セミナーを開催し、革新的なコンサル手法の普及を図ります。
業務例・スキル・人物像:不明(会ったことがない)
まとめ
以上、外資コンサルファームの職位についてご紹介しましたが、業界に詳しくない人からすれば、専門用語が多くて分かりにくい、と思うかもしれません。
ここで生成AIの活用方法を一つ。
文章をコピペして「用語集を作成してください」とお願いすると、専門用語を抽出して一覧化し、解説してくれます。
専門性の高いビジネス関連のトピックを書く機会があれば、ぜひお試しを。
エントリーレベル:
職務経験が少ない人が就く職位のこと。主に新卒や経験年数の浅い社員が就く初級レベルの役職を指す。
クライテリア:
昇進のための基準。役職が上がるために必要なスキルや実績、評価基準。
タスク管理:
プロジェクトにおける作業内容を整理し、進捗や完了状況を管理すること。
進捗管理:
プロジェクトや業務の進行状況をモニタリングし、計画通りに進んでいるかを確認すること。
レビュー:
作成された資料やデータをチェックし、品質や内容の確認を行うプロセス。 ワークアラウンド:
根本的な問題解決が難しい場合にとりあえずの対応策を行うこと。
QCD管理:
「Quality(品質)」「Cost(コスト)」「Delivery(納期)」の3要素を管理し、最適なバランスを目指すマネジメント手法。
ステークホルダーマネジメント:
プロジェクトやビジネスに関わる利害関係者と良好な関係を築き、彼らの期待に応えながらプロジェクトを進行すること。
クリティカルシンキング:
物事を鵜呑みにせず、情報を客観的に分析・評価する思考法。問題解決や意思決定において重要とされる。
ポートフォリオ管理:
複数のプロジェクトや資産の進行状況や収益性を管理し、全体のパフォーマンスを最適化すること。
リソース配分:
プロジェクトや組織の目標達成のために、人的・物的リソースを適切に振り分けること。
ナレッジ提供:
知識や情報を他のメンバーやチームに共有することで、プロジェクトや業務の効率を向上させること。
デリバリー:
コンサルティングサービスや成果物の納品を行うこと。
ネットワーキング:
業界の関係者や顧客と積極的に接点を持ち、ビジネス上の人脈や情報収集を行う活動。
DX:
デジタルトランスフォーメーション。デジタル技術を活用して業務プロセスやビジネスモデルを革新し、組織全体の変革を目指すこと。
リレーションシップ構築:
クライアントや関係者との信頼関係を築き、長期的なビジネス関係を維持・発展させる活動。
クリティカルパス:
プロジェクト管理で最も時間がかかる工程のことで、この工程を短縮することでプロジェクト全体の納期も短縮可能となる。
マクロレベル:
全体や大局を指す言葉で、広い視野で物事を捉えること。
同業者の若手へのメッセージ(意識高い外資コンサル風):
外資コンサルの職位は、成長とチャレンジを重ねるキャリアパスそのものです。各ポジションには固有のロールとコミットメントが求められ、エキスパートとしてクライアントに価値をデリバリーします。ダイナミックなビジネス環境で、常にアスピレーションを意識し、未来のリーダーシップを目指しましょう。
閲覧頂きありがとうございました。