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【経営メモ】事業戦略について

今回は、事業戦略に関して記事を書いてみたいと思う。

事業戦略は、会社の運命を左右する重要課題である。
ビジョナリーカンパニー2という本で述べれている、ハリネズミの概念に則した事業を選ぶというのが、まずは基本である。

1.自社が情熱を持って取り組めるもの
2.自社が世界一をなれるもの
3. 経済的に成り立つもの


これらの3つの円が交わるところにある事業を行いなさいという理論。

ビジョナリーカンパニー2 ハリネズミの概念

当然、世界一なれるものなど、手元にはないはずなので、世界一(若しくは日本一位、若しくは、この街一番)になることを目指して、情熱を注げるもので、お金を稼げるものを事業として選びなさいということである。

ここで少し引っかかるのが、「世界一になれるものだと思う」。
そんなに優れた物を持っているのであれば、いろいろ頭を悩まさなくても、よいビジネスができるというものだ。
日本一でも相当素晴らしい。
一位をとれそうなものを考えるとき、ずーっと下の方に貼ってあるSTP (Segment, Target, Position)の考えを取り入れてもらいたい。
何かニッチなsegmentでもよいので、そこで一番をとれるものを考えればよい。
例としては、Go PRO、カメラで世界一を狙うのは難しいが、防水、防塵 、堅牢、outdoor sports用のsegmentで一位を狙うとかである。 

新規事業を始める場合、この事業ドメインをどこに持ってくるかは、とことん分析、議論をした方がよい。
議論、分析を行うことにかかる、リソース、費用は、全社から見ると大きなものではないはずである。
しかし、その後の開発投資そしてoperationとなるつれ、会社は多くのリソースをこの事業に投入することになる。

選択の自由と vs リソースのトレードオフ

筋の悪い事業戦略を持つと、そのオペレーションはとても過酷なものになる。
往々にして、それは顧客に近いところ、前線部隊に過度な労働を強いることになる。
具体的には、強引なセールス活動や、短期売り上げを狙った麻薬的プロモーション、リソース不足の顧客サービス等である。

私は、販売会社の責任者として、事業戦略が秀逸で長期に渡り利益を稼ぐプロダクト、残念ながら市場から退場となるプロダクトなど、色々と見てききた。
その中で、一番筋のよい事業戦略を持っていたのが、一眼レフである。

上記のハリネズミの3つ輪に照らしてみると、
1. ソニーは映像事業に強いパションを持っ
2. 一眼レフのキーデバイスである半導体センサーで世界一位
3.プロフェッショナルをはじめ、カメラを趣味とする市場(お金になる)
という具合になる。

これは、会社、事業部サイドから見た事業戦略の概念となるが、一方、販売現場からでも、事業ドメインの筋の良し悪しはだいたい見通せる。

自社が販売している(若しくは、しようとしている)商品・サービスに、事業戦略がよく効いているかどうかは、顧客から聞かれる以下の3つのシンプルな質問に理路整然と答えれるかどうかで、かなりの場合判断がつく。

1.この商品の競争力の源泉をもっているか?
2. 最も差別化が効いているポイントは何か?
3. その差別化には持続性があるのか?

ソニーの一眼レフカメラの場合は、以下のように簡潔に答えることができる。

1.ビデオカメラ、デジタルカメラの映像技術の蓄積
2.ソニーはセンサーで世界一位。小型化、高速撮影などで技術優位性がある
3.ソニーは莫大な金額をセンサー開発に継続投資している

正確にいうと、ソニーはもともと一眼レフカメラを商品として持っておらず、戦略的にコニカミノルタから事業を買収し、高収益の事業を作り上げたいう極めて優れた戦略ストリートとなっている。
もう少し書き加えると、「イノベーションのジレンマ」でミラーレス(小型化)に踏み込めなかった競合他社を出し抜き、ミレーレスで初のフルフレームカメラを発売。
センサー技術で高速オートフォーカスを実現。
小型bodyに合わせたフルフレームレンズに先行投資をするなど、幾つもの勝ち筋を持っている。

あなたの会社や部署で扱っている商品・サービスについて、上記の3つの質問をぶつけてみてどうだろうか?
ほとんどの場合、ソニーの一眼レフのようにはいかないと思う。
それは仕方がない。

しかし、将来に向けて、お客さんから、シンプルな3つの質問をされた時に、簡潔に答えることがきるように、事業を進化させなければらなない。
事業をどう進化させるのか、そのためには、今年は何をするのか、中期的は何を目指すかなどの戦略プランが用意されていなくてはならない。

事業戦略プランを如何に作成するかは、既に、いろいろな理論やフレームワークが存在する。
以下に、主だったものを掲載しておくので、戦略プランを議論する際に活用して頂けたらと思う。











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