Jay:ソニー現地法人で17年 社長をした人

元ソニー。香港、中国、台湾、ベトナム、オーストラリアと28年海外勤務。3ヵ国で17年間…

Jay:ソニー現地法人で17年 社長をした人

元ソニー。香港、中国、台湾、ベトナム、オーストラリアと28年海外勤務。3ヵ国で17年間現地法人 社長。今は、ビジネスアドバイザー、時々プロボノ。 世界で働いて体験したこと、気づいたことを書いています。

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最近の記事

【経営メモ】組織とリーダーシップについて

組織とリーダーシップというと、経営論の王道的テーマであるが、今日は、私が実際に経験してきた目線から書いてみたい。 1. 強い経営陣とは組織論については、数多くの文献がだされているが、最も有名なのは、ジム・コリンズ氏の「ビジョナリー・カンパニー2」の一説ではないだろうか。 更に、この本には、もう1つ組織に関する重要なセンテンスがある。 これは、「功ある者には禄を与えよ、徳あるものには地位を与えよ」という書経(約2000年前に書かれた中国の古典)と全く同じ意見である。 経

    • 【経営メモ】「パーパス経営」について。社員は、社長のベンツのためには頑張れない

      今回は会社の「パーパス(存在意義)」について書いてみたいと思う。 1.なぜ今、「パーパス経営」がバズっているか皆さんの会社には、明確なパーパスがあるだろうか? 会社のパーパスを設定する動きは、ここ5年程で急速に広まってきている。 パーパスが設定されていないとしてら、ミッションはどうだろう? ミッション・ビジョン・バリュー と3つをセットにしてMVVと呼ばれる。 こちらの方は1980年頃から2000年にかけて、大手企業で設定されていることが多い。 MMVミッションもない場

      • 【経営メモ】事業戦略について

        今回は、事業戦略に関して記事を書いてみたいと思う。 事業戦略は、会社の運命を左右する重要課題である。 ビジョナリーカンパニー2という本で述べれている、ハリネズミの概念に則した事業を選ぶというのが、まずは基本である。 1.自社が情熱を持って取り組めるもの 2.自社が世界一をなれるもの 3. 経済的に成り立つもの これらの3つの円が交わるところにある事業を行いなさいという理論。 当然、世界一なれるものなど、手元にはないはずなので、世界一(若しくは日本一位、若しくは、この街

        • 【経営メモ】顧客が一番大事。顧客の声(VOC)が経営に取り入れらているか?

          多くの会社では、「お客様が一番です」ということになっている。 では、どれくらいその大事なお客様の声を集めて聞いているだろうか? 自営業を営んでいる社長が、自ら店頭に立ち直接お客とやりとりをするようなビジネススタイルは、「顧客の声を聞く」という観点からすると、とても優れている。 小難しい経営論など全く必要ない、最高責任者の社長が店頭で日々お客と直接会話しているのだから、「顧客の声(VOC=voice of customer)」をイチイチ整理したり、分析しなくても、社長自らが

        【経営メモ】組織とリーダーシップについて

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        • 経営メモ
          12本
        • ソニーで学んだ大事なこと
          11本
        • 海外と日本、異なる文化と価値観
          5本

        記事

          【海外赴任】Steve jobsのconnecting dotsを実感した話し

          大学時代にNew York(正確にはお隣の州のNew Jersey)に語学留学をしたり、それに味をしめて、1年間日本の大学を休学してテネシー大学の経済学部に編入したり。 更には、帰国後、日本の大学を卒業する前の4ヶ月ほど、バンコク、インドからヨーロッパまでほぼ陸路で横断したり。(これは当時、沢木耕太郎の「深夜特急」という本に刺激を受けたため) 当時としては、かなり海外にかぶれた学生だった。 学生同期の友達から1年遅れての就職活動の時、特に行きたい業界や会社はなく、海外に赴任さ

          【海外赴任】Steve jobsのconnecting dotsを実感した話し

          【海外赴任】生まれて初めて社員を自分で雇った話し。

          中国工場への電子部品の販売は、VCDの出現とともに、明らかにビジネスがtake offするだろうというのが見て取れた。 そして、これまでの代理店の深圳事務所を拠点とする販売から、いよいよ深圳にソニーの部品事務所を開設しようという話しになった。 ソニーは、当時既に北京に中国代表を置いており、AV家電の販売事務所が北京、上海、広州に開設済みであり、私の所属する部品部隊も、上海には事務所を開設済みであった。 深圳には、AV家電の販売事務所はなく、単独で事務所を開設することとなっ

          【海外赴任】生まれて初めて社員を自分で雇った話し。

          【経営メモ】ブランディングについて

          会社経営の中でマーケティングはとても大事なファンクションである、と同時に機能の範囲がとても広く、多様性があることろか、なかなかその全貌が掴みにくい。 よって、同じマーケティング部といっても、会社によっては、実際に行っている内容は随分と異なる。 例えば、Coca colaなどは、above heavy (above the lineといって、TV CF、新聞、雑誌等の広告)なプロモーション広告をバンバン打つような会社である。広告に莫大な費用を使う、こういった会社では、マーケ

          【経営メモ】ブランディングについて

          【経営メモ】社内ルールをシンプルにして、社員を自由にする。日本版No rules rulesはworkしないか?

          NETFLIXが他の競合よりも優れた業績を上げている理由を探った 本がある。 本のタイトルは、「No Rules Rules」 「ルールを設けないルール」がNETFLIXのユニークなやり方であり、エクセレントなパフォーマンスをだしえている根源の1つとしている。 具体的にいうと、NETFLIXは社内ルール、業務ルールに関して試行錯誤をしながらも、どんどん、ルールを撤廃もしくはとてもシンプルな物に替えているのである。 「優秀で常識のある社員は、たいがいのことは細かくルール

          【経営メモ】社内ルールをシンプルにして、社員を自由にする。日本版No rules rulesはworkしないか?

          【経営メモ】販売が伸びず、至近距離でPDCAを回して、付け焼刃な単発アクションで終わっている人向けの記事

          会社の経営をしていて、若しくは営業を担当していて、なかなか大変なのが毎月、きっちりと売り上げを立てるということ。 お客さんの購買動向、競合相手の動き、市場全体の変化、いろいろな要素があるのだが、とにかく、なかなか思ったように売れない、という人は多いのではないだろうか。 そして、PDCAを回すのが大事ということで、至近距離でPDCAを回しながら、付け焼刃的な単発なアクションを取ったりしていないだろうか。 販売のPDCAを回すというのは、営業の基本動作であり、とても大切なこと

          【経営メモ】販売が伸びず、至近距離でPDCAを回して、付け焼刃な単発アクションで終わっている人向けの記事

          【異文化】欧米の決済はスマホタッチ統一で、シンプルで便利。紙レシートもなしで、効率的に現場が回る。

          Titterで見ていると、欧州でのスマホによるタッチ決済が便利との話しが話題になっている。 日本のように、決済の時に色々種類を選ばずに、クレカタッチ一本でとても便利。 更には、電車に乗るときも、何のアプリの設定をする必要もなく、外国人でもいきなり手持ちのスマホタッチで乗れて便利というものである。 これは、海外が便利というわけではなく、日本が不便なのである。 この決済に関しては、日本の器用な国民性が完全に裏目にでてしまったケースだと思う。 外国人が日本のコンビに来て、その精

          【異文化】欧米の決済はスマホタッチ統一で、シンプルで便利。紙レシートもなしで、効率的に現場が回る。

          【海外赴任】深圳のバブルを目の前で目撃し、つかの間のチャイニーズ・ドリームを楽しませてもらった話し。

          香港返還1997年からミレニアム2000年頃にかけて、中国・深圳はかなりのバブル状態であったと思う。 どんどん新しい高層ビルが建ち、街の人口も10年間で数十万人から3百万人にくらいに急増していた。 私は、中国工場にVCD (CDフォーマットで映像がでる規格)プレイヤーを製造するのに必要な、キーデバイス (光学部品と半導体)を販売していた。 1993年香港に赴任し、中国工場を訪問し始めた頃の中国は、とても貧しかった。 大型の旧国営工場は、その図体は大きかったが、VCDのよう

          【海外赴任】深圳のバブルを目の前で目撃し、つかの間のチャイニーズ・ドリームを楽しませてもらった話し。

          【経営メモ】仕事の存在意義。会社の目標値を毎日追いかけるだけで、疲れてしまっている人向けの記事。

          会社で働いていると、とかく、毎日数字を追いかけることになる。 特に、会社の利益がでているかどうか、売り上げが伸びているどうかは、会社にとって死活問題なので、数字が順調かどうかにマネジメントは特に、神経を尖らす。 マネジメントが数字を追うということは、その部下も数字を追うことになる。 会社が年度の計画を立てる。 分かりやすい例として「売り上げ」。 年間の売り上げ目標が1,200億円とか作られ。それが営業1部は360億円、営業2部は200億円。。。と配分される。 営業1部の1課

          【経営メモ】仕事の存在意義。会社の目標値を毎日追いかけるだけで、疲れてしまっている人向けの記事。

          【経営メモ】社長をやっている人で、自分がもう1人いればいいのに、と感じたら読む記事

          社長や部下を持っている人で、自分がもう一人いれば、もっと会社を上手く回せるのにと感じるている人はいないだろうか。 社長をやっている人は、もともと成果を上げていた人であり、中小企業の社長の場合は、それこそ、一部の苦手な分野を除いては、会社の事は全部分かっているという感じなので、部下のパフォーマンスをみて、自分の分身がいてくれたらと感じでしまうものである。 (そもそも、社長の給料は一番高いので、簡単に分身は雇えない。だから、あなたに、会社は一番高い給料を払っているのだが。。。)

          【経営メモ】社長をやっている人で、自分がもう1人いればいいのに、と感じたら読む記事

          【経営メモ】社員に不評のマイクロマネジメント。チームを率いるヒントとなるManagement by walking aroundという手法。

          マイクロマネジメントという言葉は、よく社員から上司や管理職への不満の言葉として取り上げられる。 部下の人からすると、上司がなんでもかんでも自分の仕事範囲内に入ってきて、ああだこうだと言われるのは、面白くないというのはよく耳にする話である。 ググると、 「マイクロマネジメントとは、上司やリーダーが部下に対して細かすぎる管理をするなど、過干渉を意味する間違ったマネジメント手法です。 マイクロマネジメントは、社内の人間関係を崩す要因の1つとして、危険視する企業も増えています。」

          【経営メモ】社員に不評のマイクロマネジメント。チームを率いるヒントとなるManagement by walking aroundという手法。

          【経営メモ】社長として、財務諸表の数字背景が分かっておらず、痛い目に会った話し。

          会社の健康状態を測るのに、財務諸表を最低3期に遡って読むのは大切な作業である。 また、見る時は、PL, B/S, Cash flowの3つを合わせて見ることが重要になる。 よくありがちなのが、B/S、Cash flowを財務部に任せて、PL上、それも単年度のPL上で十分な利益があれば問題なしと、短絡的に考えると、ほぼ間違いなく痛い目にあう。 今日は、私の痛い経験から、販売会社の財務管理でよくトラブルケースというのを書いてみようと思う。 顧客との間に、複雑なリベートやイン

          【経営メモ】社長として、財務諸表の数字背景が分かっておらず、痛い目に会った話し。

          【経営メモ】功ある者には禄を与えよ、徳ある者には地位を与えよ。会社経営では、人事が一番大切。

          私は海外の子会社の社長を3ヵ国、計17年務めましたが、国が違えど、販売する商品、サービスが違えど、会社員運営にとって1番重要なのは、組織でした。今日は、強い組織について書いてみます。 組織においては、誰をマネジメントにするかということが、とても大事になります。 その肝要なところは、今から1千年以上前の中国の古典「書経」に既に書かれています。 「功ある者には禄を与えよ、徳ある者には地位を与えよ」 この意味は、功績のある者には、地位を与えるのでなく、報酬を与える。功績があり

          【経営メモ】功ある者には禄を与えよ、徳ある者には地位を与えよ。会社経営では、人事が一番大切。