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2択で安いほうを選ぶアナタ、気ぃつけや【行動経済学が最強の学問である】相良奈美香



おはよう・こんにちは・こんばんわ

「かき氷」 というアカ名で投稿している者です。
この投稿含めた「読んだ本の感想」を投稿しています。
今のところ毎週後半の投稿をこころがけておりますが、仕事などの都合で前後する場合もございます。


※制作スケジュール大幅に遅れてしまったのでこの投稿は先々週(9/23~9/29)分となります。お待ちしてくださっていた方々ホントに申し訳ないです。



今回紹介するのは


相良奈美香 著


行動経済学が最強の学問である


この本は、人がどのような状況・思考で意思決定をするのか?を基に、人の思考を解き明かしていくような1冊です。


・我社の商品が売れなくて困っている
・マーケティング力を身につけたい
・買い物で惑わされたくない
・1つ秀でた人材になりたい

など抱かれているアナタにオススメです。

ページ数は約350ほどで、1ページ辺りの文字数多めですので、すぐ読める1冊とは言い難くもありますが、章ごとに簡潔なまとめが書かれていますので非常に理解しやすい仕様になっています。



著者の相良奈美香さんは行動経済学博士として会社の代表をされている方です。
「行動経済学をいかにビジネスに取り入れるか」で保険やマーケティング分野などで活躍されています。
(本書巻末を参考)



本書の説明前に、行動経済学ってなんぞ?と思ったアナタに向けて説明します。

行動経済学(behavioral economics)とは、経済学と心理学が融合した学問で、人間の「人々が直感や感情によってどのような判断をし、その結果、市場や人々の幸福にどのような影響を及ぼすのか」を研究する学問です。

参考文献(2024/10/5)

ざっくり言うならば人が「状況・感情」でなぜこのような行動をとるのか?を明らかにしていくための学問というべきでしょうか。


そんな行動経済学を身につけた人材を欲しがる企業がアメリカだけでも多いとのことで、著者の知人も行動経済学を学んだことでGoogleに就職できたとのこと。

本書の題名どおり
行動経済学は企業が求める最強の学問ということ!!!


と書いてもパッとしないことでしょう。


具体例をいれて説明します


あなたがホームベーカリー(パン製造機)が欲しいとして

・3万7000円のホームベーカリー
・5万6000円のホームベーカリー

どちらを選びますか?

おそらく3万7000円のほうを選んだでしょう。

この選択が企業側の狙い!だとしたら?

これは本書に載せられていた例の1部を抜粋したもの〔 222ページ参照 〕

実例では最初は3万7000円の本体を出しても売れなかったので「この値段なら数百円でパン買うのでいいな」と消費者が諦めていた思考を
" おとり " となる5万6000円の本体を置くことで《 あたかも3万台が安くみえる 》という錯覚を生み出し購入に踏み切らせたという企業側の目論見だったのです。


もう少し分かりやすい例をあげましょう



焼肉屋にて

・カルビ
・上カルビ
・特上カルビ

という3択で、おそらく「上カルビ」を選んだ人が多いのではないでしょうか?

例外もあるかもしれませんが3択の真ん中は「企業側がイチバン買ってほしい商品」というのがほとんどです!


企業側は選んでほしい商品の上位or下位互換という比較対象を出すことで1番買ってほしい商品にわれわれを誘導しているのです。


ここまで読んでもピンとこないかもしれませんが
私たちは、自分の意思でモノ・コトを選んでいるつもりが知らぬ間に「企業側の戦略にハマっている」というわけです。


人は「状況」によって意思決定させられているのです。

この本には上記の例みたいな人の行動心理がたくさん書かれています。


数多くピックアップされていて、上げてくとキリがないので、この本の基礎となる箇所に絞って解説していきます。


消費者としては企業戦略に乗せられぬよう
企業側は、顧客によりサービスを選んでいただけるよう

売り手・買い手どちらにも必見の内容です。


それでは始めていきましょう。




◆脳には2つの思考モードがある



解説の前に人がモノ・コトを決める際の基礎となる仕組みから紹介します。

人の脳にはシステム1とシステム2というものが存在します。

順に解説します。


システム1は直感で判断するモードです。

分かりやすくいえば、1+1などの複雑に考えずとも瞬時に決定を導き出すときに動くシステムと捉えてください。

今日着る服や複雑でもない意思決定をする時に役立ちます。

システム2は注意深く考えるモードです。

1286×4585のような複雑な問題を解く時に使われるイメージです。

考えごとをしたり、問題に取り組んだ時にくる脳の疲れはシステム2によるものというイメージです。


チョコレートケーキもフルーツケーキという2つの選択を迫られた際に

システム2をあまり使わず、思考に余裕がある時には〈 健康に気ぃ使わなな〜 〉など考えた末にフルーツケーキを選ぶでしょう

逆にシステム2を使った場合、考える余力なく思考停止でチョコレートケーキを選ぶ場合もある。

そんなイメージです


まとめますと

人には「瞬時に決める能力」と「深く考える力」があると理解していただければと思います。



◆人は自分がおもうほど自制心に強くない



先程のシステム1.2についてもう少し触れていきましょう。

アナタにはこんな経験ありませんか?

・ダイエット中なのにスイーツに手出ししてしまった

・スーパーにヨーグルトを買いに行くだけのはずが、ビールやジュース、揚げ物も買ってしまった

・節約するって決めたのに、寝る前に晩酌しながらAmazonでいいものをポチッた

投稿主も経験大アリでお恥ずかしい限りだが、、


これは「自制バイアス」というもので「わたしは誘惑に負けない」と自分を過大評価してしまうクセが人間にはあるのです。

先程のシステム1.2で説明するなら

仕事でシステム2を酷使したあと、スーパーで判断基準が鈍りシステム1で買う予定のなかったものを買ってしまう。

ということです。


対策としては
「用もなく店に行かない」
「Amazonでポチる作業は朝にする」
などの仕組み化をすることがベストとなります。

節約や無駄遣い削減をするときは
「誘惑に打ち勝とうとせず、仕組み化する」
ことを覚えておいてください。



◆「状況」も意思決定にカウントされる



脳のシステムについて書いてきましたが、そろそろ行動経済学らしい実例で説明していきましょう。

本書で取り上げられた例だと

5ドルを渡し、小売店で電池を1つ買ってきてもらう。そのお釣りはアナタのものとなります。

178ページ参考

という実験をした結果。

電池コーナーの周りに他の客がいる時に、被験者が " 高いメーカーの電池 " を購入した人が多かったとのこと。

しかも被験者の知り合いでもなく、赤の他人でこの結果となったとのこと。

これは「単純存在効果」といい、人は他者の存在に影響を受けるというもの。

他人に「ケチ」と思われたくないという潜在意識から来るものかは定かではありませんが。

これは影響による研究のほんの一部です。

本書の例をおおく見てきた感想として
企業側は私たちの思考・クセを把握しながら、お金を使わせる方法を日々模索しているということです。

それは「環境」や「状況」も手のひとつということです。

要するに「世の中って罠だらけなんだなぁ」ってことです。

消費者側もすべての状況に気を配るのは難しくしんどい話ですので、企業側は「私たちに何としてでも財布の紐を緩めさせたい!」という考えを持っていることを頭の片隅にでも入れておいてください。




◆人は「不確実」が大嫌い



最後は、個人的に驚かされた内容に触れます。

実験で
「アナタには、がんの疑いがあります」

と宣告し
「がんではなかった人」
「実際にがんだった人」

がいるわけですが、面白い結果となります。

「がんではなかった」人のストレス値は告げられる前より下がったのは言うまでもないでしょう。

ただ、「やはり、がんでした」と告げられた人はその時のストレス値は上昇するものの、数日後には告げられる前よりストレス値が下がったのです。

がんということが確実になったことで、次に何をすればいいのかというToDoを立てることができるのです。

ここから分かることは
人は「悪い結果になるかもしれない」という不確実な状態にストレスを感じるということ。

この章はほかにも
人は自分の人生を"自分でコントロールしたい" という欲求を持っているなど人は自分の人生に確実性を持ちたいことが伝わってくるなぁというのが読んだ私の感想です。

対策のひとつとして「自分で意思決定するクセを持っておくことが大事」ということかもしれません。

面白そうな内容という点だけで取り上げてオチそれかい!ってツッコミしか聞こえませんがここで終わりにします。



『まとめ』

行動経済学は人が「感情・状況」によってどのような意思決定を下すのかを突き詰めた学問。

脳にはシステム1.2という2種類の機能が存在し
システム1は直感で瞬時に判断するのに適していて
システム2は複雑な問題など、じっくり考え込むのに使われるもの

システム2を使いすぎて疲れている時に判断するとシステム1が優位になり、正確な意思決定ができなくなる。

人は自制心がそこまで強くない生き物なので、不要な時にコンビニに寄らないなどの仕組み化をすることで無駄遣いを回避しやすくなる。

周りに人がいるだけで、店頭にある高い商品を選ぶ率が上がる結果が出るほど、人は周りの環境に左右されやすい生き物。
世の中のマーケティング戦略や周りの環境次第で我々の意思決定は変わってしまうことも理解しておこう。

人は「○○かもしれない」より「○○だった」という確実性を欲しがる生き物。


と紹介してきましたが。まとめますと


人は状況に生かされている

これに尽きますね。

これを読んだアナタも、投稿主である私もおそらく企業側の戦略に飲まれてしまうでしょう。

企業に生活・メンタルを満たされている以上それは避けられぬ事態。

だとしても企業はいつでもアナタの思考を狙っているという現実さえ念頭に置いていれば惑わされずに済むことでしょう。
惑わされるにしても回数は減らせるはずです。

就職・転職など検討されている皆様
買い物で失敗を回避したい我々

その両方を救ってくれる学問こそが行動経済学なのかもしれませんね。



と締めたところで終わりにします。

他にも

・元を取りたいという心理「埋没コスト」
・マクドナルドが健康志向で失敗した驚きの理由
・小さなお願いから交渉を始めてみよ
・「感情」がもたらすものとは
・人は感情にすぐ適応できる生き物
・重大な決断も天気に左右されてしまう理由
・クレジットカードが感覚麻痺を起こす理由

など書ききれないくらい、脳が起こす心理や企業側の戦略が数多く紹介されています。

モノ・サービスをうまく布教させたい
買い物心理を疑えるようになりたい

など少しでも感じたアナタにおすすめな1冊です。





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