読書記録 ミカンの味
チョ・ナムジュさんの『ミカンの味』という小説を読んだ。
韓国の都市部に住む4人の女子中学生が出会い、高校に進学するまでの物語だ。
それぞれみんな妹が病気だったり、経済状況が悪かったりと何かしら事情を抱えている。
その中でもお互いを理解し、時に衝突して少しずつ心を通わせていく。
それに加えて作者の過去の作品の「82年生まれ、キム・ジヨン」にも見られるように、韓国の社会問題や男女差別の状況をところどころに入れ込んだ物語はフィクションでありノンフィクションでもあるようだと思う。色んな読み方ができて良かった。
次は穂村弘さんの「蚊がいる」というエッセイ。
穂村弘さんのエッセイはめっちゃおもしろい。
中学生の頃から何回も読み過ぎて自分の文章のスタイルがほとんどほむほむのマネになってしまっていることに今回気づいた。きもすぎ。
本当に誰も目をつけないこととか言葉にしなかったこととか、そんなのに目を付けるのがうまい。今まで読んだ作品と比べたら「おもしろ」より「真剣」が強かった気がした。
私が「おもしろい」以外のことも意識して読むようになったのかもしれない。
特に「世界の切り替えスイッチ」が共感できた。
そしてまたほむほむの「絶叫委員会」
これはいろんな場所で偶然生まれる無数の詩的な言葉や奇跡的な組み合わせの言葉を集めたものだ。
美容室でシャンプーされているときに話しかけられる言葉「おかゆいところはございませんか」でめっちゃ笑った。
私なりの絶叫を考えてみる。
京都の伊根の舟屋に行った時のことをお母さんに電話で話した時の一言。
「京都って海あるん?」
もはや狂気。京都の海の話を聞いた上でなお海があることを信じないお母さん。