【散文詩】半自動筆記に依る夜想曲(6)-3<終>:『メリュジーヌ』-3<終>
私達は、たった一つの惑星に捨てられたのだ!!
見よ、嘗て見上げれば、
地上からなら何処に居ても見渡せたあの蒼の色は、もう無くなって居る。
其ればかりか、我々は今、空の上に掲げられて居た淡い金貨の輝き、
月と呼ばれる例の天軆の上に、こうして立って居るでは無いか!!
其れは、聞くが良い、人の子よ、人間達は己の利益のみを追究して止まず、互いに譲り合うと云う事をせず、挙句の果てに、互いの血肉を貪り喰らい合う有様だ。
ああ!!
譬え我等が明日の無い身と知っても、現在を知る事よりも苦痛に満ちて居る事等、在りはすまい…。
心の歴史の中に、自らを犠牲にする事で、全ての人々の罪を贖った人物が居たが、其れは只虚しい努力に過ぎないのは、今人間達が受苦して居る罰を見れば、明らかだ…。
そして、人類が滅びようとも、永遠に続くのだ…。
<了>