【小人の庭】第一話『鳥とせんべい』
鳥 「ちょっと何よ。ため息なんてついて。」
小人 「なんか最近足腰痛くてさぁ。
もうね。ほんと、膝がねぇ。
もうここに登って来るのも今日が
最後かもねぇ。」
鳥 「あんた、四年前から同じ事言ってるよ。」
小人 「そうだっけ?」
鳥 「そうよ。ところで、
このボリボリしてるやつ何なの?」
小人 「せんべいっていうんだって。
今流行ってんだって。」
鳥 「なかなかいけるじゃない。
あたし好みよ。」
小人 「知ってるわよ。長い付き合いだもん。」
鳥 「ばりっ、ボリ。」
小人 「ズズズッ・・・。」
鳥 「あたしも最近手羽がねぇ。
元じゃなくて、先の方がねぇ。
もうごりごりでさぁ。
これじゃ渡れやしないわよ。
渡り鳥だってのに。・・あつっ!」
小人 「あっごめん。お茶こぼした。」
鳥 「勘弁してよ。ふーっ、ふーっ!」
小人 「ていうかさ、どうせ渡んないじゃん。
あんた万年床だもん。
良くないよ。万年床は。ボリッ。」
鳥 「バリン。ザクッ。
いいじゃん。・・雨だもん。」
小人 「まったくもう・・・。
ばりん、ボリボリ。」
鳥 「・・・止まないねぇ。雨。ボリン。」
小人 「そうだねぇ。ズズズッ。バリッ。」
鳥 「ぱりん。ポリポリ。」
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?