見出し画像

今さら、ミラーレス機VS一眼レフ機

 皆さん、こんにちは。伊達市の橘内です。
 広報写真に役に立つ撮影方法などの技術や思い、心構えなどをお伝えする15回目となります。
 ちょっと今回は、いつもと視点を変えてみて、皆さんが取材で使用するカメラについて書いてみようと思います。
 皆さんは普段お仕事で使うカメラはミラーレスですか?それとも一眼レフですか?令和となり、ほとんどがミラーレスに切り替わっているのかもしれません。今さら、一眼レフの話は無いでしょうと思う方が多いかと思いますが、改めてどっちがいいのって思ったことないですか。そしてわかっているようでわかっていないカメラ事情を考えていきたいと思います。
 それと、以前、カメラのメーカーごとの違いや設定などを書いていたので、気になる方はそちらも参考にしてみてください。

1 そもそも何が違うの?

 一番の違いは、ミラー(レフ)があるかないか。
 そもそもミラー(レフ)は何に使われているのか?ミラー(レフ)には主に2つの役割があります。
①ミラーのおかげでリアルに見える(レフ機能)
 レンズで通った光をファインダーに送るために、ペンタリズムのある上方向に光を送るレフ板の役割があり、その光はファインダーに送られ、光学ファインダーとしてダイレクトに、リアルに見ることができます。
②シャッタースピードをコントロール
 ミラー(レフ)の開閉によってシャッタースピードをコントロールしています。上位機種は物理的なシステムで1/8000のシャッタースピードや秒間10〜14枚の連写機能を誇るから日本のモノづくりってほんとすごいです。
 もちろん一眼レフという名前は、一つのレンズに一つのミラーのレフ板だから一眼レフと言われ、昔は2つのレンズを持つ二眼レフや、三眼レフもありました。
 ミラーレスは、その物理的なミラーを排除して、スマホ同様にレンズからCMOSセンサーを通して作られた映像を電子ファインダーやモニターを見ながら撮影できるカメラです。

一眼レフカメラ。CMOSセンサーの前にミラーで蓋がされた状態になっています。そのミラーが開閉して写真を記録していきます。ものすごいメカって感じで、開閉する音がリアルシャッター音となります。
ミラーレスカメラ。ミラーはなく、CMOSセンサーが丸見え状態となります。(撮影のためにセンサーが見えるようにシールドを開けて撮影してます。)スマホ同様シャッター音は疑似音で、Z8は「チッ」って感じです。無音シャッターもできます。

2 一眼レフの特徴(メリット・デメリット)

 一眼レフ機の特徴は想像のとおり、ミラーレス機よりも

「デカくて重い!」

 これにつきますが、いろんな特徴があります。
①ミラー(レフ)とペンタリズムの光学ファンダーを搭載
※リアルに見えるから一瞬を逃さない。(ミラーレスは処理してファインダーに写すのでタイムラグがある。最新の機種は遡りができますが、撮った感がない。)
②機械的機能がメチャクチャ精密で職人技(アナログとデジタルの融合)
③AFのポイント数や範囲が狭いが、AF速度はとにかく速い(位相差方式)
④新しい機種やレンズは作られていない
⑤光学ファインダーによる見え方、撮影した画像とのギャップ
⑥とにかく頑丈
⑦電池持ちがすごく良い(2,000枚くらいは撮影できる)
⑧ミラーの開閉によるリアルなシャッター音がいい。(メーカーごとの特徴あり)
⑨ミラー開閉による超微妙なブレ(ミラーショック)が起きやすい(三脚撮影時など)
 ※ミラーアップし無音撮影可能な機種あり
⑩ボディ内手ぶれ補正がほばない(レンズの手ぶれ補正は3〜4段程度)

特徴は人によってはメリットにもデメリットにも

 良くも悪くも大きかったり、重かったりしますが、手の大きい私には一眼レフの方がしっくりくるし、重さが逆に安定感を生み、シャッターボタンを押すときの押しブレや押しによる傾きがでないなどのメリットがありますが、女性や手の小さい人にとっては重くで辛いからミラーレスの方がメリットがあったり、人によって変わると思います。

コンパクトで軽量というけど、大きさと重さは大差ない??

 ミラー(レフ)とペンタリズムがないので、物理的に小さく軽くなるのは当たり前なのですが、思ったよりそこまでコンパクトで軽量ではないというのが正直なところです。一眼レフに備わっていないボディ内手ぶれ補正が入っていたりすることも影響していると思います。一眼レフだって、入門機ならコンパクトで軽いですし、ミラーレスの上位機種になれば大きさも重さもそれなりにあります。
 下の写真は私の持っているカメラで比較ですが、同レベルの一眼レフとミラーレスとなります。一眼レフがミラーレスに変わった実質の後継機種なので比較するとわかりやすいと思います。ミラーレスの方が体積で約15%(カタログ値)小さく、見た目で一回り小さい感じ、重さは100gほど軽量です。これをコンパクトで軽量とみるかどうかは個人の考えで分かれるところかなと思いますが、私はそんなに変わらないなと思ってます。

同じレベの機種で比較。右側が一眼レフのD850、左側がミラーレスのZ8。共にその時の上から2番目の機種で、画質や連写機能、AF性能ともに同レベルもので、よくZ8はD850のミラーレス版と言われている機種です。見た目は一回り小さい感じですが、それなりに存在感のあるボディです。一番の違いはマウント径がFマウントは44mm、Zマウントは55mmと1センチほど大きくなっていいます。
一眼レフのD850は1キロオーバー。流石の重さです。
ミラーレスのZ8は924g。一眼レフのD850よりは軽量ですが劇的に軽量というわけではありません。ミラーがないけど、ボディ内手ぶれ補正がついているのでその分重さにつながっているのかも。
ミドル機のミラーレスなら600〜700gくらいです。さらにボディ内手ぶれ補正がないと400g台も。

リアルな光学ファインダー

 レンズで見えているものをリアルに写す光学ファインダーのおかげで、とにかく一瞬を撮った〜という実感を味わいながら撮れら時の達成感が感じられるのが一眼レフです。今はほぼ差はありませんが、2018年ごろ以前はスポーツものだとリアルに見える一眼レフの方が撮影しやすいと言われたくらい。私は今もスポーツもの、望遠ものはずっと一眼レフを使用しています。(時代遅れになりつつありますが笑)

堅牢性や防滴機能だから

 ミラーレスだからといっても、堅牢性や防滴機能など一眼レフ時代からの安心感を損ねることはできないので、その辺りで軽量化への限界もあるのかな〜と思います。最近のミラーレスは新型が出るたびに、きのう少しずつ大きくなって重くなっているので、最近だと出始めの頃のような明らかにコンパクトで軽量というほどではないのかなと思います。

3 ミラーレスの特徴(メリット・デメリット)

 ミラーレスの特徴というより、私の感想は一眼レフより

「簡単で撮影が楽!AFがすごい正確」

 あくまでの私の感想ですが、・・・そのほかにもいろいろあります。
①ファインダーも電子ビュー(良い意味でも悪い意味でも)
②メカというよりは全てがデジタル(その分電池持ちが悪い)
③AFが画角全面で可能、速度は若干遅いが正確
④露出やホワイトバランスのによる変化が撮影前からファインダーでわかる
※撮影前から調整しやすい。一眼レフは撮ってみて調整の繰り返し
⑤デジタル専用設計でマウント径が大きく、フランジバックが短く、レンズの設計の自由度が上がり、レンズの光学性能が引き出せる
※デジタル一眼レフはフィルム時代からのマウントを継承したり、完全にデジタルの良さを引き出せなかったけど、現在のミラーレス機は完全に専用設計のため、動画などいろんな方向でデジタルの良さを追求している
⑥ボディ内に5〜7段の強力な手ぶれ補正を搭載
⑦新しいレンズが続々出てくる
⑧写真だけじゃなく動画も得意
⑨静音撮影が可能(通常は擬似シャッター音のため、音はイマイチ)
⑩ミラーショックがないのでブレのない写真が撮影しやすい

AFの進化がすごい

 オートフォーカスの仕組みそのものが、ミラーレスと一眼レフで違うので、簡単に説明すると、一眼レフ機は位相差検出という方法で、オートフォーカスの効く範囲は狭いけどとにかく速いという特徴があります。ミラーレス機は一時期コントラスト検出という方法がありましたがこれが良くなくて、最近の機種はほぼ象面位相差検出という方法になっています。この象面位相差検出だとオートフォースの効く範囲がほぼ全面の広さに広がってしかも正確。若干、遅いというところはありますが、この方法のおかげで、瞳AF、動物(犬猫)、自転車、自動車、電車、飛行機などに分けることができて、ほぼオートで使用できるくらい超絶簡単で正確なオートフォーカスが可能となりました。

映像処理やデジタルの進化がすごい

 映像処理のエンジンの性能が年々進化していたり、そもそもデジタル技術を発揮できるような専用設計だったり、レンズの光学性能を最大限に引き出すようなマント設計だったり、重要なCMOSセンサーが裏面照射型になったり、積層型になったり、ついていけないほど進化が進んでいます。暗所での手持ちで平気で撮影できたり、ISO感度を上げてもザラつかない仕上げになったりと、ここ7〜8年の進化がすごいです。
 ソニーがいち早くミラーレス機をどんどん出していましたが、α7が出た当初は全然、一眼レフと戦えるほどではありませんでした。それが第3世代のα7Ⅲあたり(2018年3月)で、一眼レフを超える性能になり、キャノンRシリーズ(2018年10月に1世代目が登場)や、ニコンZシリーズ(2018年11月に1世代目が登場)で追従して、フルサイズやAPSーCサイズのデジタルカメラはほぼミラーレス機しか新型が出ないほど、一気に時代が変わりました。

手ブレに強い、光学性能を引き出せる

 ミラーレスになってからボディ内手ぶれ補正が標準化され、写真で紹介しているZ8は、5軸補正で手ぶれ補正がついたレンズとシンクロで使用すると最大で6段の手ぶれ補正が効くので、一眼レフの約2倍性能が上がっています。1段下がるととシャタースピード2倍遅くなるので手ブレしやすくなりますが、補正のおかげで手ブレしないで撮れるわけですが、6段というとかなり遅いスピードになっても手ブレを抑えてくれるということにつながります。暗いところでレンズの性能だけではどうしようもない状況中、画質を良く出すためにどうしても手ブレを起こすくらいのスピードで撮影しても普通に撮れちゃいます。
 そのほかにもミラーレスに伴ってマウント径を大きくした専用設計に切り替わったメーカーが多いので、これまで以上にレンズの光学性能を引き出せるようになってきました。

4 最終的にどっち??

 最終的にどちらがいいのかと言われたら悩みますが、経験がなくてもきれいに撮れるのはどっちと聞かれたら、間違いなくミラーレス機で、最新型をお勧めします。色合いや露出など難しい面はありますが、何より難しいのはピントを合わせることかなと思います。ピントがねらいどおりにピッタリ合わないといい写真にならないです。ミラーレスや一眼レフカメラは背景や前景がボケやすいから、スマホやコンデジと違って、そこが一番難しいのかなと思います。ミラーレス機だとほぼほぼオートで思いとおりにピントが合います。ほんとびっくりする性能です。電車なら必ず先頭車両のライトに、人ならカメラに近い側の瞳に、野鳥の目に、撮っていてほんとすごい技術だな〜と思います。徐々にカメラを使う腕はいらない時代になってくるかもしれません。ただし、描写する画角は永遠にカメラマンの腕の見せどころかもしれません。
 最後に、レンズもどんどん新しいのが出てくるし、光学性能が高いので解像度が良くてレンズ沼にハマっていくほど魅力的なレンズが多いです。
 皆さんのお気に入りのカメラとレンズはどれですか?

一眼レフ機とミラーレス機の標準レンズの比較です。どちらもF4通しの24−120のレンズです。レンズ径はどちらも77mmで同じですが、一眼レフ用のレンズの方が太くて短い感じで、ミラーレスの方が細長い印象です。どちらもそんなに変わらない感じです。
一眼レフマウントの24−120F4は803g。D850との組み合わせだと2キロ弱とやはり重量級なシステムになります。
ミラーレスマウント用の24−120F4は724g。Z8との組み合わせで1.6キロほどで若干一眼レフよりは軽いシステムとなります。

いいなと思ったら応援しよう!