色鮮やかに撮りたい「紅葉」
皆さん、こんにちは。伊達市の橘内です。
広報写真に役に立つ撮影方法などの技術や思い、心構えなどをお伝えする14回目となります。
今が本番?西日本なら間に合う「紅葉写真」をテーマにお伝えします。紅葉写真って木の葉が真っ赤に染まるので、どこを撮っていいかわからない、撮った写真がイマイチといったお悩みを抱えていませんか?そこで紅葉を上手に撮って広報紙で使える紅葉のポイントを3つお伝えします。
それと、今回はJPEGの撮って出し、NOレタッチで掲載しています。レタッチ前提であればRAWで撮影してもらえればいいのですが、時間がない中で撮影してすぐに出したいという方に向けた内容となります。
どこを撮ればいいの?
ポートレートだったら人。カメラに近い方の目にピントを合わせて、主眼がそこに向かうし、顔が主役と誰もが思うと思います。スナップや風景でもメインとなる被写体が必ずあると思いますし、朝夕なら太陽が主役になるかと思いますが、紅葉はどれも主役に見えます笑。そんな紅葉はどちらかというと花の撮影に近いものがあります。花もたくさんあったどこを撮っていいかわからないと思います。たくさんある中で自分の目に止まる1つの枝を探してみてください。まずはそこから撮ってみることをお勧めします。
上のような写真、気になった1本の紅葉の枝を撮影するなら、望遠レンズで撮影してみましょう。余計な障害物も写らなく純粋に紅葉を切り取りしたい場合には最適な選択となります。
ポイント①光→逆光の透明感
紅葉に限ったことではありませんが、光の当たり方で写真の出来栄えがかなり変わります。下の写真にある紅葉を題材に3つの光の当たり方を比べたものになります。紅葉の写真で気をつけたいのは、順光やサイド光で撮影すると思っていたイメージより赤や黄色の色が出なかったり、光の反射や影が気になって思うようにいかない場合が多いです。ポートレートや花と同様、逆光の場所を探して撮影してみてください。その際は直接、太陽の光がカメラの真正面に来ない場所を選んで撮影してみてください。反射や影が出にくく、紅葉の色も暗くならずに柔らかい雰囲気に仕上がります。
ポイント②露出→思いとおり明るさ
次に押さえたいポイントは露出です。紅葉は赤や黄色の原色に近く、濃い色合いをしているので、露出補正でかなり変わっていきます。逆にいうと露出補正を行っても色が残ります。広報紙で使う際に初秋なのか、晩秋なのか、記事のイメージで色合いを合わせてあげると良いです。基本は、明るい記事や紅葉を楽しむといった内容にはポイント①で記載の逆光のものや、露出を上げた明るい写真を撮影しましょう。広報紙的には明るい紅葉の方が需要があるので、露出を上げたものは撮っておいた方が間違いありません。ただ、組み写真を組んだりする場合には、全て同じような写真にならないよう深い赤の紅葉や変化を与えるようにマイナス補正の紅葉も撮ってみてください。
ポイント③背景→背景にこだわり印象を変える
紅葉は赤という強い色で、自然界の中ではとにかく目立つ色です。この赤の紅葉を際立たせる背景にこだわって撮影してください。強い色なので背景に負けることはほぼありませんが、紅葉を目立たせたいのか、馴染ませたいのか、侘び寂びの奥深さを出したいのかで背景が変わってきます。それほど紅葉の写真では背景が重要になってきますので、撮りたいイメージから背景にこだわって撮影してみてください。
番外①ピクチャーコントロールを活用
番外編として、ニコンではピクチャーコントロール、キャノンではピクチャースタイル、ソニーではクリエイティブスタイルという名で、コントラストや彩度、色合いの設定を変えることで仕上がりを決める機能があります。以前、設定編や心弾む桜の中でもお伝えしていますので、そちらも参考にしてください。
その機能を活用することで、自分のイメージに近い色合いに変えることができますので、ぜひとも活用してみてください。ここではよく使うであろう、オート(スタンダード)、風景、ポートレートの3つの比較を紹介します。逆光や露出を上げる場合は、コントラストや彩度を抑えて透明感を出したいので、ポートレートを使用してみて下さい。また、背景が黒や露出を下げて濃い赤の紅葉を撮る場合は風景を使用してみて下さい。ピクチャーコントロールは光の当たり方や露出、ホワイトバランスの設定変更をさらに良い方向に導く最後の手段というような考え方で使ってみてください。
番外②ホワイトバランス
もう一つ番外編としてホワイトバランスを活用を紹介します。意外とわかっているようで設定を変えないでオートで使用していたりするかと思います。ホワイトバランスを変えるだけでガラリと色合いが変わっていきますので、積極的に活用してみてください。晴れているけどあえて曇天を使うと赤みが増す中で若干黄色みが出てくるような感じに変わっていきます。また、青みを出したい時には蛍光灯に合わせてみてください。どれがいいということではありませんが、自分のイメージに近い色合いに合わせてみてください。
光・露出・背景を上手に組み合わせて!
色鮮やかに撮りたい「紅葉」と題して紹介してきましたが、ポイントの3つを抑えて撮るだけで、広報紙で掲載できる写真が撮ることができます。さらに番外編を活用するとさらに鮮やかな紅葉に繋がってくるので、自分の撮りたいイメージに近づくように色々と試してみてください。
最後に、紅葉の写真って自分のイメージよりも黒かったり、暗かったりしやすく、色鮮やかな感じにならないと思います。その時はこの内容を思い出して、逆光、露出を上げて、背景はイメージ合わせて撮ることを試してみてください。
次回は1月末の冬の時期の投稿かなと思いますので、また冬にあった写真の撮影方法など紹介できたらと思います。また次回もお楽しみに〜!