水が溢れそうになったら別のコップを用意する人生
上手くいかないことがあるとすぐに死にたくなる。
仕事はいつもうまくいかない。
失敗して落ち込んでうまく笑えなくなって周りから心配されて負のループに陥る。
今日も洗濯機を回してそのまま忘れ干すのは夕方になったし、報連相するタイミングも逃した。
なんてダメな人間なんだろう、どうしてこんなにうまくいかないんだろう、毎日毎日思っている気がする。
職場に行くたびに自己肯定感が下がる。
世間では、不満がたまっていくことをコップの水に例えることがある。
私にとってそのコップは無限にあるように思う。
不満や悲しさややるせなさがコップに溜まって、普通はいつか溢れてしまう。
人によると思うけど何かしらでストレスを発散したり泣いたりしてコップの水をこぼして空にする。
私にはそれができないんじゃないかとふと思った。
コップに水が溜まって溢れそうになったらもう一つコップを用意するのだ。
そして元のコップにはぎりぎりの水を溜めたまままた新しいコップに水を溜めていく。
物心ついてからずっとそうだったような気がする。
ストレスの解消法がないわけではない。
カラオケも好きだしおいしいものを食べるのもストレス発散のひとつだ。
だけど一度感じた不安や惨めさは消えることはなくて、別のコップを用意してギリギリをまぬがれ一時は救われるが、また別の何かで気持ちは沈む。
一度沈むと他の事も思い出す。
良かったことやうれしかったことはなかなか忘れないけど、それ以上につらかったことも忘れられない。
ずっと自分の中にこびりついていて、それは水が溜まって今にも溢れそうなコップみたいなものだった。
でもそのコップを抱えてこれからも生きていく。
もしかしたらいつか誰かの乾いた心を私のコップの中の水で癒せるかもしれない。
つらいことは忘れられない。
でもそれを抱えたからこそ寄り添える何かがあればいい。
そうやって生きてきた。
うれしい気持ちもどうしようもなくつらい気持ちも押しつぶされそうな棘のある言葉も態度も、全部自分の糧にしたい。